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    2025.01.07
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    リサイクルができる画期的な新規汎用ゴム材料

    背景 エチレン-プロピレンゴムは、対候性、オゾン性、熱、光、および化学薬品に対する優れた耐性をもつ最も一般的なゴム材料である。 ゴム材料は、自動車や建材のチューブ、シール、ガスケットなど、様々な工業製品に利用されており、発生する膨大な廃ゴムのリサイクルが喫緊の課題となっている。 加硫プロセスにより製造された従来のゴムは、再生プロセスにおいて深刻な物性の劣化が生じるため、リサイクル不可である。 本研究は、リサイクル可能な新たなゴム材料を開発し、マテリアルリサイクルによる閉ループプロセスの実現を目指す。     リサイクルを可能にする取組み ゴムに弾性を付与するためには、原料の高分子(ポリマー)を相互に架橋させる必要がある。現在、このために硫黄を加える加硫プロセスを用いているが、この「加硫」がリサイクルを阻害している。 従来の加硫に代わり、可逆的に架橋および切断ができる共有結合による架橋プロセスを実現する。 ボロンを用いる架橋が一般的だが、ゴム材料用のポリマーにボロンを結合させることは非常に困難である。 本研究は、独自の触媒を用いて、高分子材料を合成する段階で、ボロンを組み込むことに成功した。     新しいプロセス ①エチレン、プロピレン、ボロン酸コモノマー(保護マスク付き)を新開発触媒を用いて、配置共重合しボロン含有ポリマーを合成 ②酸性条件下での加水分解によりマスク除去 ③ボロン酸の熱脱水縮合によりポリマーを架橋させて、ボロン架橋エチレン–プロピレンゴムを生成 (以下リサイクルプロセス) ④アルコール分解により脱架橋 ⑤脱架橋ポリマー中のボロン酸エステルを酸性メタノールを用いてボロン酸に変換してボロン含有ポリマーを再生   ボロン架橋エチレン-プロピレンゴムの特性 (1)引っ張り強さ・応力–歪特性 ボロン架橋ゴムの引っ張り強度は、従来の硫黄加硫ゴムより高く、エチレン含有量が増えるとより高い。 ボロン含有量を増やすと破断時の伸び歪を大きくできる。 (2)繰り返し引っ張りによる特性変化 2回目以降の応力-歪曲線は、ほぼ重なり合い、優れた弾性特性を示す。   (3)複数回のリサイクル後の特性変化 リサイクルに伴う引っ張り強度と破断伸びの劣化はない。   (4)雰囲気耐性・長期間安定性 ホウ素架橋は沸騰水、アルコール、酸に対して耐性があり、長期間安定性もある。 本研究の優位性 ゴムの製造プロセスにおいて、非可逆的な硫黄を用いる加硫処理に代えて、ボロンを介してポリマーを架橋させることにより、架橋-架橋解除の可逆処理を可能にする新たなプロセスを提案した。 ポリマーへのボロン組み込みは困難なため、独自の触媒を用いることにより、ポリマーの合成段階で重合とボロン組み込みを同時に行う新たな方法を見出した。 新たなプロセスのもとに、エチレン-プロピレンゴムを試作し、その機械的特性が従来の硫黄加硫品より優れ、環境安定性も高く、また、リサイクル性にも優れていることを実証した。     本技術に関する知的財産権 発明の名称 :共重合体、共重合体の製造方法及び回収方法 特願 :2022-169053 出願人 :国立大学法人広島大学 発明者 :田中亮、塩野毅、中山祐正     論文 Commodity Rubber Material with Reversible Cross-linking Ability:Application of Boroxine Cross-links to Ethylene-Propylene Rubber Yusuke Bando, Shin-ichi Kihara, Hiroya Fujii, Yuushou Nakayama, Takeshi Shiono, and Ryo Tanaka* https://doi.org/10.1021/acs.macromol.4c01312 Macromolecules 2024, 57, 7565−7574     研究者からのメッセージ 一般的なゴム材料は構造が整然としていない化合物ですが、我々の作ったものは架橋点が非常に美しく並び、網目が均一に分布しているため、より強いゴム材料になり得る可能性を秘めています。 実用化に向けたさらなる特性改善や課題解決を企業との共同研究で推進したいと考えております。       研究者 田中亮(TANAKA RYO) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 准教授

    • 気候変動/エネルギー/GX
    • 環境エネルギー
    • 量子
    • 素材
    2024.07.23
    • 気候変動/エネルギー/GX
    • 環境エネルギー
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    未利用の低温排熱から発電できる新規有機熱電変換材料

    背景 資源枯渇あるいは地球温暖化への対応のため、化石燃料に代わる太陽光、風力、水力、地熱などの自然エネルギー利用のニーズが高まる一方で、世界で消費されるエネルギーの内、約3分の2が未利用のまま排熱として捨てられており、この排熱の利用拡大が合わせて重要な課題となっている。 この排熱は80%以上が200℃以下の中低温排熱であり、温水供給など熱としての利用促進は図れているものの、利用先が限定的である。一部でも電力に変換できれば、利用価値は飛躍的に増す。 高温の熱源が得やすい化石燃料利用の場では、大容量化にも対応しやすい従来の熱サイクルのシステムが有効であったが、中低温排熱は周囲環境との温度差が小さいため電力への変換効率が低く、コスト的にも成立しない。 熱を電気に直接変換する熱電変換技術は、比較的小さな温度差、且つ小容量の熱源にも対応しやすくシステムがシンプルである等、メリットが大きい。 従来の熱電変換材料は、特殊で量産化にも不向きであったため、放射性同位元素の熱を利用する宇宙探査分野や人間の体温を利用する時計など、特殊な用途に限られていたが、現在の資源や地球環境の制約のなかで、その利用拡大のニーズは非常に高まっている。     熱電変換の原理 1.熱電変換材料の両端を高温(HOT)と低温(COLD)にさらすと、両端の温度差 (ΔT) に比例して電位差 (ΔV) が生じる。この比例定数をゼーベック係数 (S) と呼ぶ。Sの値が大きいほど大きな電位差を生じることができる。 2.電位差が生じると材料の中に電流 (I)が流れ、電力を生む。材料の電気伝導率 (σ) が大きいほど、多くの電流が流れ、大きな電力を得ることができる。 3.温度差があると材料の中に熱流 (J) を生じる。同じ電力を生み出すための熱量は少ない方が効率が良いので、材料の熱伝導率(κ)は小さい方がよい。     従来の熱電変換材料 これまでの材料は大半が金属化合物のため、希少金属やTeなど毒性のある元素を含む金属など、一般的な利用に不向きなものが多い。 作動温度が500K以上のものが多く、低温で使用可能な材料が限定的である。     有機化合物を用いた熱電変換デバイスの特長 一般的な元素からなる有機化合物であり原材料が安価 多様な反応設計により低毒性の材料創出が可能 豊富な埋蔵資源をもつ元素を利用可能 デバイスに軽量・柔軟性を付与可能 溶液プロセスにより安価な製造コスト実現が可能     期待される用途 工場や自動車から排出される200℃以下の中低温排熱を利用する発電 オフィスや家庭の電子機器の発熱を利用する発電 特殊環境に置かれる自立型機器における電力供給 など     新規有機熱電変換材料への要求性能 小さな温度差で大きな電位差の生成 大きな電力を得るための高い電気伝導性 少ない熱量で発電するための低い熱伝導性 使用環境における材料の耐久性・安全性 低い製造コスト     研究成果の内容 1)カーボンナノチューブ/導電性高分子複合体 新規熱電変換材料の候補として単層カーボンナノチューブ (SWCNT) があり、ゼーベック係数が比較的高く、電気伝導率も非常に高いが、熱伝導率が非常に高いため、単体での熱電変換性能は大きくない。 SWCNTを導電性高分子と複合化すると、熱伝導率 κ が0.5~0.7Wm-1K-1程度と高分子材料並みに極端に低下することがわかっている。 そこで、SWCNTと熱電変換材料として有望視されている導電性高分子(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホン酸), PEDOT:PSS)の複合体を作り、電気特性を検討した。 図示のとおり、複合体において、SWCNTの割合を増やしていくと、電気伝導率 (σ)、ゼーベック係数 (S)、電力因子 (PF) の値は増加するが、70~80%程度の割合でピークとなり、それ以上では逆に低下することがわかった。 この複合割合において、複合体の電気伝導率 (σ) の値がSWCNT単体より高くなるのは、顕微鏡写真中にモデル化して示すように、 PEDOT:PSSがSWCNTの繊維の結節点に付着することにより接触点の電気抵抗が低下したことが考えられる。     2)有機化合物の自在な構造制御により新規高分子材料を創出 カーボンナノチューブと導電性高分子の複合体が優れた熱電変換特性を示すことがわかったので、次に、導電性高分子材料そのものの高性能化について検討した。 PEDOTは導電性に優れているものの、溶剤への溶解性が乏しく、また、分子量が低く製膜性に乏しいという欠点がある。 一方、ポリ(3-ヘキシルチオフェン) (P3HT) は溶解性・製膜性には優れているが、PEDOTに比べると導電性が低い。 これらの欠点を克服するため、PEDOTとP3HTの構成要素(モノマーユニット)を異なる割合で含む共重合体 (PE2HT, PE1HT) などの新規導電性高分子の開発に成功した。     3)ドーピング処理により新規高分子材料に電荷を注入 新規高分子膜に電荷を注入して、導電性を付与するための、電気化学的ドーピング処理システムを考案した。 対象高分子膜、電解質溶液、三つの電極(作用、参照、対)、電位を付加する二つのポテンショスタット、電流を測定するクーロメータからなる。 電極電位 (E1) を変化させることにより電荷の注入を制御する。そのとき、クーロメータにより注入電荷密度を定量する。 同時に対象高分子膜に電位差 (E2) を付加して、電流を測定することにより、高分子材料の電気伝導率をその場測定することができる。     4)電極電位によってドープ率および電気伝導率を制御 新たに合成したPEDOTとP3HTの構成要素(モノマーユニット)を異なる割合で含む共重合体について電気特性を測定した。 ドーピングの電極電位を高くするとドープ率(電荷を注入された分子の割合)が増加し、対応して電気伝導度も大きくなる。 モノマーユニットの割合や電極電位によってドープ率や電気伝導率を制御することが可能になる。   5)添加物とドープ率によって熱電変換特性を制御 P3HTやPEDOT: PSSの熱電変換特性についてもドープ率との相関を解析することに成功した。 ドープ率を増加させると電気伝導率は大きくなるが、逆に、ゼーベック係数は低下する。 PEDOT:PSSにおいてはエチレングリコール (EG) あるいはジメチルスルホキシド (DMSO) を添加すると、電気伝導率は大きくなるが、ゼーベック係数は低くなる。 熱電変換材料から得られる電気出力の指数となる電力因子 (PF) は、ドープ率増加とともに大きくなり、ドープ率10%近傍でピークとなる。 無次元性能指数 (ZT) も同様の傾向を示す。 電力因子や無次元性能指数の値は、電気伝導度 (σ) とゼーベック係数 (S) の値の相反関係に依存するため、最も高い性能を得るために、ドープ率の制御が非常に重要になることがわかった。     本研究の優位性 導電性高分子とカーボンナノチューブの複合体が示す特異な熱電変換特性を見出し、有機化合物を用いた熱電変換デバイスの高い可能性を示した。 多様な反応設計による自在な構造制御により、高性能な熱電換特性を示す有機高分子材料の候補を提案した。 合成した有機高分子材料に導電性を付与するドーピング処理において、熱電変換の特性をその場でモニターしながら処理が可能な新システムを提案した。 ドーピングの際の電極電位とドープ率により熱電変換特性が大きく変わることを示し、これらを制御することにより高い熱電変換特性を得ることができることを示した。     本技術に関する知的財産権 発明の名称 :熱電変換材料の製造方法及び熱電変換材料 特許 :特許第7061361号 特許権者 :国立大学法人広島大学 発明者 :今榮一郎、播磨裕     論文 Imae, Ichiro; Ogino, Ryo; Tsuboi, Yoshiaki; Goto, Tatsunari; Komaguchi, Kenji; Harima, Yutaka, “Synthesis of EDOT-containing polythiophenes and their properties in relation to the composition ratio of EDOT”, RSC Advances (2015) 5(103), 84694-84702. Imae, Ichiro; Akazawa, Ryosuke; Harima, Yutaka, “Seebeck coefficients of regioregular poly(3-hexylthiophene) correlated with doping levels”, Physical Chemistry and Chemical Physics (2018) 20(2), 738-741. Imae, Ichiro; Koumoto, Takashi; Harima, Yutaka, “Thermoelectric properties of polythiophenes partially substituted by ethylenedioxy groups”, Polymer (2018) 144, 43-50. Imae, Ichiro; Shi, Mengyan; Ooyama, Yousuke; Harima, Yutaka, “Seebeck coefficients of poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrene sulfonate) correlated with oxidation levels”, Journal of Physical Chemistry C (2019) 123(7), 4002-4006. Imae, Ichiro; Akazawa, Ryosuke; Ooyama, Yousuke; Harima, Yutaka, “Investigation of organic thermoelectric materials using potential-step chronocoulometry: Effect of polymerization methods on thermoelectric properties of poly(3‐hexylthiophene)”, ournal of Polymer Science(2020) 58(21), 3004-3008. Imae, Ichiro; Yamane, Haruka; Imato, Keiichi; Ooyama, Yousuke, “Thermoelectric properties of PEDOT:PSS/SWCNT composite films with controlled carrier density”, Composites Communications (2021) 27, 100897 (6pp.). Imae, Ichiro; Uehara, Hirokii; Imato, Keiichi; Ooyama, Yousuke, “Thermoelectric properties of conductive freestanding films prepared from PEDOT:PSS aqueous dispersion and ionic liquids”, ACS Applied Materials and Interfaces (2022) 14(51), 57064-57069.     研究者からのメッセージ 研究者の有する「多様な反応設計による自在な高分子の構造制御技術」と「独自のドーピングシステム」を活用して、新規有機熱電変換材料のさらなる性能向上を目指す。このための基礎研究と実用化のための検討を企業との共同研究で進めたい。     研究者 今榮一郎(Imae Ichiro) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 准教授

    • 気候変動/エネルギー/GX
    • 環境エネルギー
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    2024.06.17
    • 気候変動/エネルギー/GX
    • 環境エネルギー
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    絶対零度近くの温度を効率よく実現する新規磁気冷凍材料

    磁気冷凍の原理 ①磁気冷凍材料に磁場を印加すると、原子の持つ磁石(磁気モーメント)が整列して、材料の温度が Ti  に上昇する。 ② 放熱先(Ti より少し低い温度)に放熱する。 ③ 磁場を除去(消磁)すると、磁気モーメントの向きがバラバラになり、材料の温度が Tʄ  まで降下する。 ④ 冷却対象( Tʄ  より少し高い温度)から吸熱(対象物を冷却)が生じる。   磁気冷凍の特長 磁気冷凍材料への磁場のオン/オフだけで冷却が可能なためシステムが簡単であり、原理的に冷却効率が高い。 従来の気体冷凍サイクルでは到達困難な極低温までの冷却が可能となる。 オゾン層破壊や温室効果のある冷媒が不要であり、また、極低温域では高価で入手困難なヘリウム同位体などの冷媒が不要となる。   期待される用途 絶対零度近傍(~ 0.1K)レベル:量子コンピューター、極微量元素分析、ダークマター検出やX線天文学に有用   磁気冷凍材料への要求性能 絶対零度近傍での高い磁気冷凍性能(磁気熱量効果) 外界との吸・放熱を迅速に行うために高い熱伝導性 使用環境における材料の耐久性   研究の概要 (1)イッテルビウム系金属間化合物 YbCu4Ni に注目した イッテルビウム系金属間化合物YbCu4Niの特徴 化学的に安定であるため、扱いやすい。 熱伝導率が高いため、効率的に冷却能力を伝達可能である。 合金中のYb原子の割合が高く、単位体積当たりのエントロピー量が多いため、少量での磁気冷凍が可能である。 エントロピーの温度依存性 S (T ) より、磁場 8 Tで、1.8 Kから0.13 Kまでの冷却が期待できる。 (2)YbCu4Niの冷凍性能の基礎試験 1)目的 磁気冷凍材料YbCu4Niの最低到達温度の検証を目的とする。   2)装置構成(図参照) 試料(e)17gを輻射熱シールド(h)内に断熱保持させる。 全体を予備冷却用の市販冷凍機に搭載する。(冷凍機には磁場印加用の電磁石と排気装置付) 試料に温度センサーを接着し、温度を計測する。   3)試験手順 1)試料を市販の冷凍機により1.8Kまで予備冷却する。 2)磁場を印加(10T以下)、1.8 Kを保持する。 3)試料雰囲気を真空排気(10-4 Torr 以下)する。 4)0.6T/minの速度で消磁する。 5)試料の温度変化を計測する。   4)試験結果 初期印加磁場5T、8T、10Tの条件で、それぞれ最低到達温度0.22K、0.17K、0.16Kが得られた。 エントロピーの温度依存性から予測した最低到達温度0.18K(5T)、0.13K(8T)ともほぼ一致した。   (3)YbCu4Ni の大型合金の作製 1)目的 YbCu4Niの実用化のため、大型試料を作製し、冷却能力を向上させる。   2)作成方法および結果 1)高周波加熱炉において、YbとCu4Ni合金を、アルゴンガス雰囲気中で溶解する。 2)700℃で7日間アニール後、水中で急冷する。 3)69gの YbCu4Ni の大型インゴットを得ることができた。   (4)YbCu4Niの大型試料を用いた断熱消磁冷却試験 1)装置構成変更の内容(基礎試験装置を一部改造) 試料の断熱支持部分を、グラファイト棒から熱伝導率の低いストローに変更した。 試料を17gから53gに大型化した。   2)試験手順:初期磁場 8 T、初期温度 1.8 K、消磁速度 0.6 T/minの条件で冷凍実験を行う。 1)磁場8 Tを印加する。 2)試料を市販の冷凍機により、1.8Kまで予備冷却する。 3)試料雰囲気を真空排気する。 4)0.6 T/minの速度で消磁する。 5)試料の温度変化を計測して、基礎試験結果等と比較する。 3)試験結果 大型試料を用いることにより、断熱性を向上させ、0.3 K以下の極低温状態を3時間以上保持できることを実証できた。 A:基礎試験と同じ装置 B:基礎試験装置の断熱支持部分をグラファイト棒からストローに変更した装置 C:ストローおよび大型試料を使用した装置   本研究の優位性 以下の特長をもつ新規磁気冷凍材料YbCu4Niを見出し、実際に材料を試作し、磁気冷凍能力を実証した。 絶対零度近傍までの磁気冷凍(断熱消磁冷却)が可能である。 熱伝導率が高く、迅速な吸放熱が可能なため実用性が高い。 化学・物理的に安定である。 磁気冷凍に有効なイッテルビウム原子の割合が高い結晶構造のため、単位体積当たりのエントロピーの総量が大きく、少量でも冷却可能である。 高価あるいは希少な元素を使用していない。     想定される用途 量子コンピューター 極微量元素分析 ダークマター検出およびX線天文学 量子物性物理学     論文 Journal of Applied Physics, 131 013903 (2022),“Magnetic refrigeration down to 0.2K by heavy fermion metal YbCu4Ni”Yasuyuki Shimura, Kanta Watanabe, Takanori Taniguchi, Kotaro Osato, Rikako Yamamoto, Yuka Kusanose, Kazunori Umeo,  Masaki Fujita, Takahiro Onimaru, Toshiro Takabatae     研究者からのメッセージ 磁気冷凍材料の組成の調整による性能向上や、新たな磁気冷凍材料の探索および、社会実装を目指した大型化や形状の工夫、冷却システムの開発を、材料製造や冷凍機製作を行う企業と共に共同研究を進めたい。   研究者 志村恭通(SHIMURA YASUYUKI) 大学院先進理工系科学研究科 准教授

    • 気候変動/エネルギー/GX
    • 環境エネルギー
    • 素材
    2023.05.12
    • 気候変動/エネルギー/GX
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    • 素材
    貴金属触媒を使用しない常圧のアンモニア合成法を開発

    背景 太陽光や風力等の再生可能エネルギーの変動的かつ偏在的なエネルギーの利用媒体として水素が有効であるが、水素はガス密度が低いため効率的な貯蔵や輸送のためには超高圧縮あるいは極低温による液化が必要となる。 化成品や肥料の原料として知られるアンモニア(NH3)は、水素原子を多く含み、燃焼してもCO2を排出しないうえに、簡単に液化*するため貯蔵や輸送が容易であり、水素キャリアとして有効である。(*常温で約8気圧、常圧で約-33℃で液化) 現在、アンモニア合成には、約 500℃、250 気圧以上の高温高圧プロセスであるハーバー・ボッシュ法が用いられているが、偏在する自然エネルギーの利用を考えた場合、より低温・低圧条件で制御可能な小規模分散型のアンモニア合成技術が求められる。 このため、遷移元素や希土類元素等の金属触媒を用いた新しいアンモニア合成の研究が進んでいるが、貴金属触媒が必要になる等課題も多い。 再生可能エネルギー変換技術としての小規模分散型NH3合成プロセス 研究の詳細:水素化リチウムを用いた新しいアンモニア合成プロセス 水素化リチウム(LiH)を用いたケミカルルーピングによるアンモニア( NH3) 合成プロセスは、①LiH の窒化反応、②NH3 合成及び LiH の再生反応の二段階で構成される。 1.LiHの窒化反応: 4LiH + N2 → 2Li2NH + H2 2.NH3 合成及び LiH の再生反応: 2Li2NH + 4H2 → 2NH3 + 4LiH このような NH3 合成法は、一般的な触媒プロセス(N2+3H2→2NH3)とは異なる熱力学平衡で NH3 合成を制御できるため、例えば、高温においても高収率な NH3 合成が可能になる。   ① LiHの窒化反応 (試験その1) 数mg のLiH の固体サンプルと窒素(N2)ガスを、大気圧下で室温から500℃まで加熱しながら反応させ、サンプルの重量変化から求めた反応率と発生水素のスペクトル強度を測定した。(グラフB) 加熱開始約80分、400℃から水素の放出を伴いリチウムイミド(Li2NH)を生成している。 但し、反応率は500 ℃まで加熱した時点で約30%、その後500℃で保持しても約60%程度に留まった。 反応後の試料の電子顕微鏡写真(緑色)によると、生成物が融解凝集し粗大粒子を形成してように見え、固体のLiH 表面で生成するLi2 NH が凝集し、連続的な反応の進行を妨げていると考えられる。   (試験その2) 反応過程での生成物の凝集を抑制するため、化学的に安定なLi2OをLiH に混合して反応の安定化を図った。(グラフA) LiH+Li2O 混合体は、LiH 単相の場合よりやや早く反応を開始し、反応速度低下なく反応開始後約100 分でほぼ100%の反応率に達した。 反応後試料の電子顕微鏡写真(赤色)では、生成物の明確な凝集は見られず、期待した反応制御の効果が見える。   ②NH3 合成及び LiH の再生反応 ①のLiHの窒化反応で得られた生成物を大気圧下の水素(H2)気流中で加熱した。 LiHのみ(グラフB)及びLiH+Li2O (グラフA)のいずれの生成物からも約260℃からアンモニア(NH3) の生成が観測され、LiH の再生も確認された。 この反応においても反応①と同様にLi2O混合による効果が見られ、反応率100%までの時間が短くなった。   以上の結果より、500℃以下の常圧条件下でLiHの窒化、NH3合成/再生反応によるアンモニア合成が可能で、さらに、 安定物質Li2Oの混合により、粒子の凝集による反応への阻害を抑制することが可能であると示された。   反応モデル LiHのみあるいはLiHに安定化物質Li2Oを混合した場合の、窒化反応後の走査型電子顕微鏡(SEM)画像と反応の推定模式図を下図に示す。 LiHのみの場合:生成物(Li2NH)が溶けて隣の粒子と繋がり粗大化していることから、模式図の様にLiHとN2の反応はLiHの表面で進行し、生成物のLi2NHが凝集してLiHを覆うことにより反応の進行を阻害していることが推察される。 LiH+Li2Oの場合:粒子の粗大化がなく、別途行ったEDS元素マッピングによると、Li2NHがLi2Oの周囲に分散して、小さく結晶化しているようにみえる。   本研究の優位性 LiHのみ、あるいはLiHに安定化物質Li2Oを混合した場合の、窒化反応後の走査型電子顕微鏡(SEM)画像と、反応の推定模式図を下図に示す。 LiHのみの場合:生成物(Li2NH)が溶けて、隣の粒子と繋がり粗大化していることから、模式図の様にLiHとN2の反応は、LiHの表面で進行し、生成物のLi2NHが凝集してLiHを覆うことにより反応の進行を阻害していることが推察される。 LiH+Li2Oの場合:粒子の粗大化がなく、別途行ったEDS元素マッピングによるとLi2NHがLi2Oの周囲に分散して小さく結晶化しているようにみえる。   期待される用途 再生可能エネルギーを貯蔵・輸送するためのアンモニアの合成   実用化に向けての課題 窒化反応及び合成/再生反応のための適正温度を反応熱を用いて自立的に維持し、効率的に反応を持続させるための熱マネージメントを含めた反応制御システムに関する研究に取り組む予定である。 本研究では、反応制御のための混合物質として酸化リチウム(Li2O)を用いたが、同様な安定物質であればこれに代替可能であるため、実用化に向けて、酸化アルミニウム、酸化シリコン、結晶性グラファイトなど、より安価な物質の利用を検討したい。   企業への期待 実用化に向けた課題解決のための共同研究 実用化に向けたシステムの概念設計とフィージビリティスタディ   本技術に関する知的財産権 発明の名称:アンモニアの合成方法 出願番号:特願2021-137414 公開番号:特開2023-31740 出願人:国立大学法人広島大学 発明者:宮岡裕樹、市川貴之、斉間等   論文 論文:Improvement of Kinetics on Ammonia Synthesis under Ambient Pressure by Chemical Looping process of Lithium Hydride 著者:Kentaro Tagawa, Hiroyuki Gi, Keita Shinzato, Hiroki Miyaoka*, Takayuki Ichikawa 雑誌:The Journal of Physical Chemistry C, 2022, in press. ※本研究は、科学研究費助成事業基盤研究(B):20H02465 の助成の下,広島大学窒素循環エネルギーキャリア研究拠点における共同研究として実施された。   研究者からのメッセージ 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた基盤技術の創出を目指しています。 再生可能エネルギーの有効利用を目的とした,小型分散型,低圧,高効率アンモニア合成技術の確立に挑戦します。     研究者 宮岡裕樹(MIYAOKA HIROKI) 広島大学 自然科学研究支援開発センター 教授

    • 環境エネルギー
    • 素材
    2022.12.27
    • 環境エネルギー
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    大気圧プラズマCVD法による分子ふるいシリカ膜の常温常圧製膜法

    背景・狙い 膜分離法は省エネルギーな分離技術であり、化学プロセスにおける高純度製品の生産や水処理、CO2分離などの環境分野におけるキーテクノロジーである。 シリカ膜は耐熱性や耐薬品性に優れ、従来の高分子膜が適用困難なプロセスにも適用可能な革新的な分離技術である。 従来のシリカ膜製膜プロセスは高温を必要とするため、材料が限定されて高コストであることやスループットが低いことが課題である。 製膜プロセスの常温常圧化は、製膜プロセスの連続化や大面積化に有利であるとともに、多様な材料とのハイブリッドによる分離機能の強化が期待できる。     研究の詳細 多孔性シリカ膜について 多孔性シリカ膜とは -シリカネットワークが造る微細孔構造によって分子をサイズの違いで分離する機能(分子ふるい)を有する。 -微細孔構造(細孔径や親和性)を制御することで多様な分離系に好適な分離性能を有する膜を作製することができる。 -耐熱性、耐酸化性、耐薬品性に優れる。   多孔性シリカ分離膜の一般的な構造 機械的強度を与える多孔質の支持体上に形成した中間層の上に分離膜を形成した非対称構造を有する。   多孔性シリカ分離膜の製造法 【従来法】化学気相蒸着(CVD)法 ・ ゾル-ゲル法 ➢ 機械的強度と高透過分離性を両立するために、一般的にシリカ膜は、多孔質の支持体の上に中間層を形成し、その上に分離機能を有するシリカ薄膜層を重ねた非対称構造となっている。 ➢ このシリカ薄膜層を形成する主要な方法として、CVD法やゾル-ゲル法が用いられてきたが、これらの製造プロセスは500~600℃程度の高温処理を伴うため、長時間の反応を必要とし、耐熱性の観点から使用できる支持体が高価なセラミック材料に限定されていた。 ➢ 低圧プラズマを用いるプラズマCVD法による製膜も提案されているが、真空排気系が必要で、連続化や大面積化に限界があった。   【新技術】大気圧プラズマCVD法(Atmospheric-Pressure Plasma-Enhanced CVD) ➢新たに非平衡大気圧プラズマを利用したCVD法を開発し、大気圧プラズマがつくる反応場を利用することで、バルク温度を室温近傍の低温に抑えたうえで、高い分離性を有するシリカ膜の製膜が可能となった。 ➢大気圧プラズマを用いることで、一般的な低圧プラズマとは異なり真空排気系を必要としない常温常圧での製膜が可能となり、連続処理や複雑形状への製膜が容易になった。 ➢大気圧プラズマ中の豊富な反応活性種を利用することで、従来法では長時間(数時間)を要したシリカ膜の製膜を数分レベルの超高速で行うことが可能となった。 大気圧プラズマCVDによるシリカ膜の製膜 (a) 製膜の様子,(b) 膜形成メカニズム,(c) 気体透過特性のCVD時間依存性     応用例  CO2分離膜 二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)あるいはメタン(CH4)との膜透過性(permeance)の違いを利用したガス分離が可能である。 300℃程度の熱処理により、ガス選択性のさらなる向上が可能になる。   本研究の優位性 シリカ膜の製膜に高温工程(500~600℃)を伴う従来のゾル-ゲル法や熱CVD法と比較して – 非平衡大気圧プラズマを用いることにより製膜温度の低温化が達成された。 – 低温化により有機材料とのハイブリッド膜など、更なる高機能膜の製造が可能になる。 – 大気圧プラズマCVD法では、常温常圧かつワンステップのドライプロセスでの製膜が可能になった結果、製膜工程が大幅に簡素化され、分子ふるいシリカ膜の製膜コストの大幅低減が可能になる。     期待される用途 水素分離や二酸化炭素分離をはじめとする各種ガス分離 チタニア等の各種セラミック膜の製膜への応用     実用化に向けての課題 現在、水素分離や二酸化炭素分離について実用レベルの透過選択性を達成可能な段階まで開発済であるが、実験室レベルの製膜のため、大面積化やモジュール化の点で検討が必要である。 今後、気体分離のみならず、浸透気化・蒸気透過や水系・非水系ろ過など、様々な分離系への応用に向けた試験を行う必要がある。 様々な分離系への応用に向けては、分離系に応じた細孔径の制御技術の確立も必要と思われる。     企業への期待 膜の大面積化やモジュール化に共同で取り組んでいただける企業、分離膜に限らずセラミック薄膜の常温常圧ドライ製膜に関心のある企業との共同研究を希望。 気体分離をはじめとする分子分離への展開を考えている企業には本技術の導入が有効と思われる。     本技術に関する知的財産権 発明の名称: 気体分離フィルタの製造方法 出願番号: 特願2016-14990 公開番号: 特開2017-131849 特許番号:特許6683365 出願人: 広島大学 発明者: 都留稔了,長澤寛規,金指正言     論文 Nagasawa, Y. Yamamoto, N. Tsuda, M. Kanezashi, T. Yoshioka, T. Tsuru, Atmospheric-pressure plasma-enhanced chemical vapor deposition of microporous silica membranes for gas separation, J. Membr. Sci., 524 (2017) 644-651. Nagasawa, T. Kagawa, T. Noborio, M. Kanezashi, A. Ogata, T. Tsuru, Ultrafast synthesis of silica-based molecular sieve membranes in dielectric barrier discharge at low temperature and atmospheric pressure, J. Am. Chem. Soc., 143 (2021) 35-40. Nagasawa, R. Yasunari, M. Kawasaki, M. Kanezashi, T. Tsuru, Facile low-temperature route toward the development of polymer-supported silica-based membranes for gas separation via atmospheric-pressure plasma-enhanced chemical vapor deposition, J. Membr. Sci., 638 (2021) 119709.   研究者からのメッセージ 大気圧プラズマCVD法は、種々の機能性薄膜を低温・高速かつ大面積に作製可能な技術であり、今後は、シリカ系分離膜に限らず、様々な分野の薄膜への応用を進めていきたいと考えています。   研究者 長澤寛規(NAGASAWA HIROKI) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 准教授

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    2022.12.26
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    シリカ系多孔質膜の開発と各種膜分離プロセスへの応用

    背景・狙い 高純度製品の生産、環境有害物質の除去といった分離操作は、化学工業において重要なプロセスである。 シリカ、ジルコニアなどの無機材料、および有機・無機ハイブリッド材料に着目し、製膜・評価技術の確立、透過・分離特性の検討を通じてあらゆる膜分離プロセスについて基礎から実用レベルの研究を行っている。 研究の詳細 膜分離法の種類 膜分離法の種類   シリカ系多孔質膜とは – 膜材料 シリカ、シリカ-ジルコニアなどの複合酸化物無機材料 有機材料と無機材料のハイブリッド – 特徴 100 nm程度の薄膜製膜が可能 製膜が容易、優れた耐熱性、耐溶媒性 細孔径のナノチューニングが可能 シリカ系多孔膜の特徴、想定される分離対象   シリカ系多孔膜の作製法ゾル-ゲル法 アルコキシシランを加水分解および架橋反応させて調製したゾルをナノレベルで制御し、多孔質の基材にコーティングして薄膜を形成する製膜法である。 薄膜製膜により高透過を図り、分離系に応じて精密に制御した細孔径により分離性をコントロールする。 ゾルゲル法による多孔質シリカ膜の作製法   ゾル-ゲル法によるネットワーク構造制御技術(分子ふるい制御) Si前駆体の選定、製膜条件(焼成温度、雰囲気) カチオン、アニオンドープ セラミック複合酸化物(Y-SiO2-ZrO2、carbon-SiO2-ZrO2) ゾル-ゲル法によるネットワーク構造制御技術(分子ふるい制御)   ゾル-ゲル法によるネットワーク構造制御技術(吸着性制御) ゾルーゲル法によるネットワーク構造制御技術(吸着性制御)   応用例 1.メタン水蒸気改質への水素分離膜の応用 ● 水蒸気改質の反応場に型反応器を組み込み、生成ガスから水素のみを分離して系外に抽出した。 ● 系外への水素の選択的分離により平衡反応率を超える反応率となった。 メタン水蒸気改質への水素分離膜の応用   2. オルガノシリカ膜による水素/有機ハイドライド分離 ● Si-R-Siを有する前駆体を用いることで、従来のシリカ膜よりもルースな細孔構造を有する分離膜を開発。有機ハイドライド脱水素反応における水素分離への応用が可能。 オルガノシリカ膜のH2の透過特性 3.プロピレン/プロパン分離へのFドープシリカ(F-SiO2)膜の応用 ●Fドープによりプロピレンが透過可能なルースな構造に変化し,細孔構造が均一化することで,近接混合物のプロピレンとプロパン分離で選択性が大きく向上した。   4.地球温暖化ガス(二酸化炭素)分離回収 ●CO2と親和性を有する有機官能基をハイブリッドすることで、CO2分離(燃焼排ガス、バイオガス)に応用可能な分離膜を開発した。 アミン系Si前駆体とのハイブリッドによるCO2透過性制御 6.Carbon-SiO2-ZrO2膜によるアルコール脱水(浸透気化法) ●セラミック複合酸化物であるSiO2-ZrO2を形成する際の有機キレートを所定の条件で炭化されることで,耐水性に優れた高い分離性能を有するアルコール脱水膜を開発した。 Carbon-SiO2-ZO2膜によるアルコール脱水(浸透気化) 6.Carbon-SiO2-ZrO2膜によるメタノール分離(浸透気化法) ●セラミック複合酸化物であるSiO2-ZrO2を形成する際の有機キレートの種類を制御することで、細孔径を脱水膜よりもルースに制御可能で、様々なメタノール分離系への応用が可能であることを明らかにした。 Carcon-SiO2-ZrO2膜によるメタノール分離(浸透気化)   7.有機溶媒逆浸透による超省エネ分離 ●従来型蒸留法は最小仕事の1000倍以上のエネルギーが必要である。逆浸透法を用いることにより従来型と比較して1/10~1/100のエネルギーで分離が可能となるが、高圧に耐えられる膜が必要となる。 ●オルガノシリカによる逆浸透膜を開発し、無機膜のため超高圧操作で省エネルギーな有機溶媒分離を達成した。 ●蒸留代替による省エネルギーの実現により、持続可能な化学プロセスに貢献可能である。 有機溶媒逆浸透による超省エネ分離   本研究の優位性 金属性の水素分離膜と比べて - 酸性ガスによる劣化やコーキングがない - 高い透過流束が得られる - 細孔径のチューニングが可能である   高分子膜と比べて - 耐熱性や耐有機溶剤性に優れる   期待される用途 ガス分離:希ガス、水素、アンモニア、酸素、二酸化炭素、炭化水素(エチレン/エタン、プロパン/プロピレン、ブタン/ブテン)など 浸透気化分離:各種アルコール水溶液の脱水、有機酸(酢酸など)の脱水、有機物/有機混合物(アルカン/芳香族) 逆浸透・ナノ濾過:有機溶媒系濾過、高温・高圧での濾過、非水溶液有機溶媒RO(メタノール/トルエンなど)   実用化に向けての課題 実ガスや実液を用いた分離性評価、長期安定性評価など 実用化に向けて、水素モジュール化の技術も既に確立(1mの長尺モジュールも製造可能)   企業への期待 セラミック製造技術を持つ企業との共同研究 燃料電池メーカーやガス製造等各種化学プロセス・環境プロセス関連企業との分離膜応用に向けた共同研究     本技術に関する知的財産権 発明の名称: 逆浸透膜フィルタ 出願番号: 特願2012-112239 公開番号: 特開2012-254449 特許番号: 特許第5900959号 出願人: 広島大学 発明者:都留稔了,吉岡朋久,金指正言     発明の名称: 分離フィルタの製造方法 出願番号: 特願2014-220030 公開番号: 特開2015-110218 特許番号: 特許第6474583号 出願人: 広島大学 発明者: 都留稔了,王金輝,金指正言,吉岡朋久     発明の名称: 分離膜及びその製造方法 出願番号: 特願2015-090801 公開番号: 特開2016-203125 特許番号: 特許第6548215号 出願人: 広島大学 発明者: 金指正言,都留稔了     発明の名称: 水蒸気を含有する混合ガス用気体分離フィルタ及びその製造方法 出願番号: 特願2015-109949 公開番号: 特開2016-221453 特許番号: 特許第671169号 出願人: 広島大学 発明者: 任秀秀,金指正言,都留稔了     発明の名称: 物質量測定方法、細孔径分布導出方法、物質量測定装置及び細孔径分布導出装置 出願番号: 特願2016-014990 公開番号: 特開2017-191073 特許番号: 特許第6842686号 出願人: 広島大学 発明者: 都留稔了,長澤寛規,金指正言     論文 1.M. Kanezashi, Y. Yoneda, H. Nagasawa, K. Yamamoto, J. Ohshita, T. Tsuru: Gas permeation properties for organosilica membranes with different Si/C ratios and evaluation of microporous structures. AIChE J. 63: 4491-4498, 2017.   2.M. Kanezashi, T. Matsutani, H. Nagasawa, T. Tsuru: Fluorine-induced microporous silica membranes: Dramatic improvement in hydrothermal stability and pore size controllability for highly permeable propylene/propane separation. J. Membr. Sci., 549: 111-119, 2018.   3.M. Guo, M. Kanezashi, H. Nagasawa, L. Yu, J. Ohshita, T. Tsuru: Amino-decorated organosilica membranes for highly permeable CO2 capture. J. Membr. Sci., 611: 118328 (p.1-10), 2020.   4.M. Kanezashi, N. Hataoka, R. Ikram, H. Nagasawa, T. Tsuru: Hydrothermal stability of fluorine-induced microporous silica membranes: effect of steam treatment conditions. AIChE J., 67: e17292 (p.1-11), 2021.   5.M. Takenaka, H. Nagasawa, T. Tsuru, M. Kanezashi: Hydrocarbon permeation properties through microporous fluorine-doped organosilica membranes with controlled pore sizes. J. Membr. Sci., 619: 118787 (p.1-10), 2021.   6.S. Lawal, M. Kanezashi: A brief overview of the microstructural engineering of inorganic–organic composite membranes derived from organic chelating ligands. Membranes, 13: 390 (p.1-34), 2023.   7. X. Niu, N. Moriyama, H. Nagasawa, T. Tsuru, M. Kanezashi: Hydrothermally robust carbon-silica-zirconia ceramic membranes for efficient pervaporation dehydration. J. Membr. Sci., 730: 124197 (p.1-13), 2025.   8. X. Niu, M. Kanezashi: Microstructure engineering of silica-derived membranes and their applications in molecular separation. Bull. Chem. Soc. Jpn, 98: uoaf030 (p.1-24), 2025.   研究者からのメッセージ 地球レベルでの環境負荷が問題となる現在では、持続可能な社会を構築するためにどのような貢献ができるかが重要です。膜分離工学は、化学や医薬などすべての工業プロセスで重要な役割を果たし、水処理、H2、CO2分離のような環境問題の解決においてもキーテクノロジーとなるため、Sustainable Development Goals(SDGs)への貢献が大きい技術です。当研究室では、シリカ、ジルコニアなどの無機材料、および有機・無機ハイブリッド材料に着目し、製膜・評価技術の確立、透過・分離特性の検討を通じてあらゆる膜分離プロセスについて基礎から実用レベルの研究を行っています。

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    2022.08.09
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    究極の微小不揮発性メモリ素子

    背景 不揮発性メモリには微細化・高密度化の物理的限界値(約1Tbit/inchi2)が存在するとされている。 各国の国家プロジェクトが、熱アシスト法など新たな技術によりその限界突破を図り、目標記録密度約5~10Tbit/inchi2を目指している。   本研究の優位性 単一分子で分極ヒステリシス(メモリ効果)を示す究極の微小誘電材料の開発に世界で初めて成功。 メモリ材料として用いればHDDの記録密度を1000倍向上させる新たな強誘電メモリ素子の開発に成功。   概要 籠型形状分子のプレイスラー型ポリオキソメタレートに着目した。分子内部の中心から外れた上下2箇所にイオン安定サイトを有しており、そのどちらか1箇所に1つの陽イオンが包接されている(占有率は上下ともに50%)。 イオン(Mn+)がどちらかの安定サイトに停止すると、分子分極が生じる。エネルギー障壁”U”に対して十分に低い温度域では   イオンが移動できず、電場を印加することでイオンの移動を強制的に誘起できる。 籠型分子は一分子であり、室温下で分極ヒステリシスや自発分極を示す。この分子を「単分子誘電体」と名付けた。 上記性質により、イオン(Mn+)の位置によって1と0の情報を表現する仕組みである。 室温以上(<350K)で分極ヒステリシスを示すことから、早い段階での実用化が期待できる。 本系は単一分子で分極の履歴現象を示すことから, 新たな形態でのメモリ材料開発が可能となる。(例・ポリマーに分散させた状態など)     期待される用途 超高密度不揮発性メモリ(記録密度理論値:1Pbit/inchi2) 焦電性を利用した熱センサーや単分子アクチュエータなど   企業への期待 半導体・電子部品メーカー 電気機器メーカー 材料メーカー   本技術に関する知的財産権 発明の名称 :分子性金属酸化物クラスター、分子性金属酸化物クラスター結晶、分子性金属酸化物クラスター結晶凝集体、分子メモリ、結晶メモリ及び分子性金属酸化物クラスターへの分子分極形成方法 – 特許番号 : 第6650138号 – 出願人 : 広島大学 – 発明者 : 西原禎文、加藤智佐都、井上克也   発明の名称 :マルチフェロイック材料及びそれを用いたメモリ – 特許番号 : 第6723602号 – 出願人 : 広島大学 – 発明者 : 西原禎文、丸山莉央、加藤智佐都、井上克也   発明の名称 : 電界効果トランジスタ及びメモリ装置 – 出願番号 : 2019-118917 – 出願人 : 広島大学 – 発明者 : 西原禎文、早瀬友葉、藤林将、井上克也     論文 “Giant Hysteretic Single-Molecule Electric Polarisation Switching Above Room Temperature”, C. Kato, R. Machida, R. Maruyama, R. Tsunashima, X. –M. Ren, M. Kurmoo, K. Inoue, S. Nishihara, Angew. Chem. Int. Ed., 57(41), 13429-13432 (2018). Angew. Chem., 57(41), 13429-13432 (2018) “Welcome to the single-molecule electret device”, S. Nishihara, Nature Nanotechnol., 15, 966-967 (2020).   外部資金の獲得状況 科研費(基盤研究(B)) ・科研費(挑戦的研究(開拓)) ・JST, さきがけ ・JST,START ・JST,A-STEP   研究者からのメッセージ 「単分子誘電体」は、基礎研究から生まれた真に新しい物性材料であり、現在、社会実装に向けて取り組んでいます。この次世代単分子誘電体メモリにご興味があれば、ぜひご連絡ください。   研究者 西原禎文(NISHIHARA SADAFUMI) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授

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    2022.01.04
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    蛍光フィルムによる芳香族ニトロ化合物の簡単・リアルタイムセンシング

    研究の背景 有害性・危険性の高いケースが多いニトロ芳香族化合物を検知することは、安全衛生面での需要が大きく、重要な課題である。例えば、工業的に重要なアニリンは、ニトロベンゼンの還元によって製造されるが、製造環境大気中のニトロベンゼンを大量のアニリン存在下で検知することが求められている。 一般に、検出には、ガスクロマトグラフや質量分析計の利用が主流だが、正確で再現性が高い反面、高価な分析装置やガス採取も含め分析に時間と専門技術が必要で断続的な測定しかできないという課題があった。   本技術の優位性 特殊な装置を必要とせず簡便な「その場観察」が可能 固体状態で高い蛍光量子収率を示すのでコントラストが大きく、微量検出が可能 可逆的な反応のため、繰り返して連続的な検出が可能 溶液、気相のいずれにも対応可能 高温でも安定な材料   技術概要 固体状態でも良好な発光特性を示す元素ブロックであるゲルマニウム架橋したビチオフェン(DTG)に関する研究を実施したところ、その過程で、DTGの環状ゲルモキサン誘導体(cDTGOSi)のニトロ芳香族化合物のセンシング特性を確認した(Organometallics 2015, 34, 5609)。   多孔性材料BTESEゲルにDTGO基本骨格をハイブリッドしたフィルムを作成することで、1分程度で蛍光発光性を顕著に低下させることに成功した。   この反応は可逆的で、繰り返し安定性を確認。継続的な検出が可能である。   また、ニトロベンゼン以外のニトロ芳香族化合物にも広く適用可能である。さらに、各ニトロ芳香化合物の蛍光の消化率が異なることから、種々のニトロ芳香族化合物を同時に検知することも可能である。   このセンシング技術は特殊な機器が不要で簡便なセンシングが可能。   想定される用途 アニリン製造工程における、大過剰のアニリン存在下でのニトロベンゼンの検知 作業環境の維持や爆発性物質の検知   特許 発明の名称:ニトロ化合物検出用化合物、ニトロ化合物検出用化合物の製造方法及びニトロ化合物の検出方法 出願番号:特願2016-099730 出願人:国立大学法人広島大学 発明者:大下浄治、ほか2名     論文 M. Nakamura, K. Shigeoka, Y. Adachi, Y. Ooyama, S. Watase, J. Ohshita; Preparation of Dithienogermole-containing Polysilsesquioxane Films for Sensing Nitroaromatics; Chem. Lett., 2017, 46, 438-441. doi: 10.1246/cl.161119     企業への期待 実用化に向けた試験(選択性向上、低濃度領域での機能評価)や実証試験の場を提供いただける企業との共同研究を希望。     研究者からのメッセージ この技術は、有機―無機ハイブリッド材料であるポリシルセスキオキサンに独自の蛍光性ユニットを導入したものです。ポリシルセスキオキサンは、耐熱性と機械的特性に優れたロバストな材料の基本骨格としてとして期待されています。     研究者 大下浄治(Ohshita Joji) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授

    • 気候変動/エネルギー/GX
    • 環境エネルギー
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    2021.01.12
    • 気候変動/エネルギー/GX
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    色調制御可能なスマートウィンドウ開発

    目標・狙い π共役系高分子は電気化学的な酸化・還元反応によって、可逆的に色彩変化できる特徴(エレクトロクロミズム)を有している。さらに、π共役系高分子は分子構造により様々な色調(RGB(赤・緑・青)色)に制御できる。分子構造によっては可視光領域での光吸収を抑制し(透明になる)、近赤外光領域の光を吸収できる(熱線を遮断できる)。 以上の特徴を応用し、π共役系高分子の色調を自在にチューニングできる分子設計指針を確立し、様々なニーズに適合した色彩を呈することができるスマートウィンドウ開発を目指す。   想定される市場・製品・産業分野 車載用防眩ミラー 遮熱窓(自動車、建物) ディスプレイデバイス   概要 π共役系高分子の共役構造を有機合成化学的な手法で制御する 得られた高分子の光学的性質を分子構造と関連付けて解析する サイクリックボルタンメトリーにより高分子の電気化学的性質およびエレクトロクロミック特性を調査する 本研究の優位性 π共役系高分子のエレクトロクロミズムの特性を生かすことにより、液晶や有機ELと比べ省電力。また、液晶の場合は電源を切ると暗くなるが、エレクトロクロミック材料の場合は電源を切ってもその時の状態を保持させることが可能。その際必要な電圧は乾電池一個分。 共役鎖長や導入する置換基によって色調を自在に制御できる 耐久性の向上:シロキサン系ネットワークポリマーによるクロミック分子の電極への固定化によりポリマー膜の剥離を抑制し                                 長寿命化を実現     防眩ミラーの特許は、アメリカのGENTEX社およびMAGNA DONNELLY社にほとんどをおさえられているため、本研究シーズで開発する新規材料を用いれば新たな防眩ミラー材料の開発が可能になる。 今回のシーズ内容と異なるが、本材料はエネルギー変換材料への応用も可能である。   特許 播磨 裕; 大下 浄治; 今榮 一郎; 杉岡 尚; 金平 浩一, “導電性積層体およびその製造方法”, 公開特許公報 2010-266727号, 出願年月日: 2009/5/15.   (以下は「エネルギー変換材料」に関する特許) 播磨 裕; 今榮 一郎; 渡辺 淳; 櫻井 康成; 星野 幸久, “熱電変換材料及びその製造方法”, 特許公報 第6329828号, 出願年月日: 2014/7/4. 播磨 裕; 今榮 一郎; 櫻井 康成; 渡辺 淳; 後藤 慶次, “熱電変換材料の製造方法、熱電変換素子の製造方法及び熱電変換材料の改質方法”, 公開特許公報 2019-36599号, 出願年月日: 2017/8/10. 今榮 一郎; 播磨 裕; 片岡 裕貴, “熱電変換材料の製造方法及び熱電変換材料”, 公開特許公報 2019-195006号, 出願年月日: 2018/5/1.   論文 Nawa, Kazunari; Miyawaki, Kenji; Imae, Ichiro; Noma, Naoki; Shirota, Yasuhiko, “Polymers containing pendant oligothiophenes as a novel class of electrochromic materials”, Journal of Materials Chemistry (1993) 3(1), 113-114. Imae, Ichiro; Nawa, Kazunari; Ohsedo, Yutaka; Noma, Naoki; Shirota, Yasuhiko, “Synthesis of a novel family of electrochemically-doped vinyl polymers containing pendant oligothiophenes and their electrical and electrochromic properties”, Macromolecules (1997) 30(3), 380-386. IOhsedo, Yutaka; Imae, Ichiro; Shirota, Yasuhiko, “Electrochromic properties of new methacrylate copolymers containing pendant oligothiophene and oligo(ethyleneoxide) moieties in the presence of a polymer-gel electrolyte”, Electrochimica Acta (2000) 45(8-9), 1543-1547. Imae, Ichiro; Takenaka, Youichi; Tokita, Daisuke; Ooyama, Yousuke; Komaguchi, Kenji; Harima, Yutaka, “Drastic enhancement of cycle lifetime of electrochromic devices using polysilsesquioxane as an anchoring agent”, Chemistry Letters (2008) 37(9), 964-965. Imae, Ichiro; Tokita, Daisuke; Ooyama, Yousuke; Komaguchi, Kenji; Ohshita, Joji; Harima, Yutaka, “Oligothiophenes incorporated in a polysilsesquioxane network: application to tunable transparent conductive films”, Journal of Materials Chemistry (2012) 22(32), 16407-16415. Imae, Ichiro; Imabayashi, Saki; Komaguchi, Kenji; Tan, Zhifang; Ooyama, Yousuke; Harima, Yutaka, “Synthesis and electrical properties of novel oligothiophenes partially containing 3,4-ethylenedioxythiophenes”, RSC Advances (2014) 4(5), 2501-2508. Imae, Ichiro; Ogino, Ryo; Tsuboi, Yoshiaki; Goto, Tatsunari; Komaguchi, Kenji; Harima, Yutaka, “Synthesis of EDOT-containing polythiophenes and their properties in relation to the composition ratio of EDOT”, RSC Advances (2015) 5(103), 84694-84702. Imae, Ichiro; Sagawa, Hitoshi; Harima, Yutaka, “Fine-tuning of electronic properties in donor-acceptor conjugated polymers based on oligothiophenes”, Japanese Journal of Applied Physics (2018) 57(3S2), 03EJ01 (5pp). Imae, Ichiro; Kumano, Masataka; Harima, Yutaka, “Molecular properties of thiophene-based donor-acceptor-donor small molecules with well-defined structures”, Science of Advanced Materials (2019) 11(6), 792-799. Imae, Ichiro; Akiyama, Yuki; Harima, Yutaka, “Synthesis and properties of alkoxy-substituted oligothiophene derivatives”, Journal of Photopolymer Science and Technology (2020) 33(4), 373-380.   研究者からのメッセージ 分子構造制御した導電性高分子の合成を得意としています。スマートウィンドウだけでなく、リチウムイオン二次電池の電極材料や、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する熱電変換材料にも応用できます。 上に示した用途以外への応用にも興味があります。新たな研究テーマを一緒にご研究できることを楽しみにしています。   研究者 今榮一郎(Imae Ichiro) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 准教授

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