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    2025.01.07
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    リサイクルができる画期的な新規汎用ゴム材料

    背景 エチレン-プロピレンゴムは、対候性、オゾン性、熱、光、および化学薬品に対する優れた耐性をもつ最も一般的なゴム材料である。 ゴム材料は、自動車や建材のチューブ、シール、ガスケットなど、様々な工業製品に利用されており、発生する膨大な廃ゴムのリサイクルが喫緊の課題となっている。 加硫プロセスにより製造された従来のゴムは、再生プロセスにおいて深刻な物性の劣化が生じるため、リサイクル不可である。 本研究は、リサイクル可能な新たなゴム材料を開発し、マテリアルリサイクルによる閉ループプロセスの実現を目指す。     リサイクルを可能にする取組み ゴムに弾性を付与するためには、原料の高分子(ポリマー)を相互に架橋させる必要がある。現在、このために硫黄を加える加硫プロセスを用いているが、この「加硫」がリサイクルを阻害している。 従来の加硫に代わり、可逆的に架橋および切断ができる共有結合による架橋プロセスを実現する。 ボロンを用いる架橋が一般的だが、ゴム材料用のポリマーにボロンを結合させることは非常に困難である。 本研究は、独自の触媒を用いて、高分子材料を合成する段階で、ボロンを組み込むことに成功した。     新しいプロセス ①エチレン、プロピレン、ボロン酸コモノマー(保護マスク付き)を新開発触媒を用いて、配置共重合しボロン含有ポリマーを合成 ②酸性条件下での加水分解によりマスク除去 ③ボロン酸の熱脱水縮合によりポリマーを架橋させて、ボロン架橋エチレン–プロピレンゴムを生成 (以下リサイクルプロセス) ④アルコール分解により脱架橋 ⑤脱架橋ポリマー中のボロン酸エステルを酸性メタノールを用いてボロン酸に変換してボロン含有ポリマーを再生   ボロン架橋エチレン-プロピレンゴムの特性 (1)引っ張り強さ・応力–歪特性 ボロン架橋ゴムの引っ張り強度は、従来の硫黄加硫ゴムより高く、エチレン含有量が増えるとより高い。 ボロン含有量を増やすと破断時の伸び歪を大きくできる。 (2)繰り返し引っ張りによる特性変化 2回目以降の応力-歪曲線は、ほぼ重なり合い、優れた弾性特性を示す。   (3)複数回のリサイクル後の特性変化 リサイクルに伴う引っ張り強度と破断伸びの劣化はない。   (4)雰囲気耐性・長期間安定性 ホウ素架橋は沸騰水、アルコール、酸に対して耐性があり、長期間安定性もある。 本研究の優位性 ゴムの製造プロセスにおいて、非可逆的な硫黄を用いる加硫処理に代えて、ボロンを介してポリマーを架橋させることにより、架橋-架橋解除の可逆処理を可能にする新たなプロセスを提案した。 ポリマーへのボロン組み込みは困難なため、独自の触媒を用いることにより、ポリマーの合成段階で重合とボロン組み込みを同時に行う新たな方法を見出した。 新たなプロセスのもとに、エチレン-プロピレンゴムを試作し、その機械的特性が従来の硫黄加硫品より優れ、環境安定性も高く、また、リサイクル性にも優れていることを実証した。     本技術に関する知的財産権 発明の名称 :共重合体、共重合体の製造方法及び回収方法 特願 :2022-169053 出願人 :国立大学法人広島大学 発明者 :田中亮、塩野毅、中山祐正     論文 Commodity Rubber Material with Reversible Cross-linking Ability:Application of Boroxine Cross-links to Ethylene-Propylene Rubber Yusuke Bando, Shin-ichi Kihara, Hiroya Fujii, Yuushou Nakayama, Takeshi Shiono, and Ryo Tanaka* https://doi.org/10.1021/acs.macromol.4c01312 Macromolecules 2024, 57, 7565−7574     研究者からのメッセージ 一般的なゴム材料は構造が整然としていない化合物ですが、我々の作ったものは架橋点が非常に美しく並び、網目が均一に分布しているため、より強いゴム材料になり得る可能性を秘めています。 実用化に向けたさらなる特性改善や課題解決を企業との共同研究で推進したいと考えております。       研究者 田中亮(TANAKA RYO) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 准教授

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