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    2016.04.01
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    災害復旧のための急速展開橋モバイルブリッジ®の研究開発

    アピールポイント インフラの早期復旧システム 新しい橋システムでの人手不足解消 安全なモジュール構造による仮橋の超迅速復旧 研究者のねらい 近年、集中豪雨や地震などの自然災害が多発しており、それに伴って道路や橋梁などのライフラインが崩壊する事例が急増している。我が国は災害が多発する国土であり、それに備えたツールが必要である。しかしながら、人手不足を背景に復旧工事の長期化、復旧コストの増加、作業安全性の低下など課題が多い。現場作業を極力減少し、施工安全性の確保と橋梁流出時のポスト災害に備えた、超迅速架橋を可能とする「架け橋」の実現のため、オリガミ研究から創業した「モバイルブリッジ™」によって安心できる社会インフラを研究開発している。   研究内容 シザーズ構造は宇宙構造・建築分野で活用される展開構造体の一種である。スマート構造を実現するための数理的構造設計で、迅速展開できる最適な構造物およびシザーズ展開の構造解析を研究中である。 シザーズ構造を活用し、仮設橋(モバイルブリッジ)を片持ち状態で折紙のように展開し、対岸の反力を得て負荷を減らす。また、性能に応じて補強弦材を取り付け、高強度化も研究中である。   特許 国際出願番号 PCT/JP2014/003252、特許番号 6068681「シザーズ式伸縮構造」   論文 Y. Chikahiro, I. Ario* et al., Experimental and numerical study of full-scale scissor type bridge, Automation in Construction, 71 (2016), pp.171–180, doi: 10.1016/j.autcon.2016.05.007 動画   研究者 有尾一郎(Ario Ichiro) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 助教

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    2025.08.22
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    津波の高さと被害の大きさは一致していなかった 令和6年能登半島地震に伴う津波の詳細な分布、高さと被害との関係を解明

    本研究成果のポイント 空中写真の判読と現地調査を組み合わせ、令和6年能登半島地震に伴う津波の詳細な浸水範囲と津波の高さ、被害との関係を明らかにしました。 津波の浸水範囲の面積は3.7 km2でした。能登半島の東西沿岸では連続的に津波の浸水が生じ、半島北岸では部分的にしか認められませんでした。このような特徴は、既存の津波浸水想定の結果と調和的なものでした。 津波の高さは能登半島の西岸で高く、志賀町富来や輪島市黒島で標高8 m以上の地点で津波による漂着物を確認しました。20世紀以降に能登半島北部に到達した津波と比較すると、今回の津波は最大のものであったといえます。 津波による被害の分布は津波の高さとは異なり、半島における地形条件の地域的な差異と集落の立地条件、海岸構造物の有無によるものであることがわかりました。   概要 福岡教育大学の岩佐佳哉講師、広島大学の中田高名誉教授、熊原康博教授、中部大学の杉田暁准教授、千葉大学の濱侃助教、金沢大学の青木賢人准教授らの研究グループは、空中写真の判読と現地調査を組み合わせることで、令和6年能登半島地震に伴って発生した津波の詳細な分布と高さを明らかにしました。その結果、令和6年能登半島地震に伴う津波の被害は半島における地形条件の地域的な差異と集落の立地条件、海岸構造物の有無によることが明らかとなりました。 本研究成果は、2025年7月2日に国際的学術誌『Earth, Planets and Space』に掲載されました。   背景 2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震(マグニチュード7.6)では、海底の活断層が活動したことにより津波が発生し、北海道から長崎県までの日本海側で津波が到達しました。震源の近くに位置する能登半島では津波による大きな被害が発生しましたが、地殻変動による海岸の隆起により津波観測点が欠測となり、津波の高さがわかっていませんでした。   成果 国土地理院に提供いただいた高解像度空中写真の判読と現地調査を組み合わせて、津波の詳細な浸水範囲と津波の高さを調べました。その結果、浸水範囲の面積が3.7 km2であることが明らかになりました。能登半島の東西沿岸では連続的に津波の浸水が生じていた一方で、半島の北岸では部分的にしか認められませんでした(図1)。また、半島の西岸では志賀町から輪島市黒島にかけて連続的に津波による浸水が生じており、東岸では珠洲市から能登町白丸にかけての地域に津波の浸水が集中していました。特に、珠洲市鵜飼や能登町白丸では海岸から400–500 m内陸まで津波が到達し、家屋が流失する被害が生じました(図2)。このような特徴は、2012年に石川県が震源を特定して行った津波浸水想定の結果と調和的なものでした。本研究では論文とともに浸水範囲のGISデータを公表しました。GISソフトや国土地理院の地理院地図を用いることで、津波による浸水範囲を詳細に閲覧することができます。   津波の高さは能登半島の西岸で高く、志賀町富来や輪島市黒島で標高8 m以上の地点で津波による漂着物を確認しました(図3)。能登半島東岸では、珠洲市高屋や寺家、能登町白丸で標高5 mを超える地点に津波が到達していましたが、それ以外の地点では総じて標高4 mを超える地点にまでは津波が到達していませんでした。これは、震源断層の変位量や震源断層との位置関係によるものであると考えられます。また、20世紀以降に能登半島北部に到達した津波と比較すると、今回の津波は最大のものであったといえます。   津波による被害は主に能登半島の東岸で大きなものであり、西岸で高いという津波の高さの特徴とは異なっています。津波が高かった半島の西岸では、海岸から一段高い海成段丘の上に集落が立地していることに加え、地震時の地殻変動による隆起が生じたことで、津波が到達しなかったと考えられます。一方で、半島の東岸では集落が海に直接面した低地に立地していたことに加え、防波堤や防潮堤などの海岸構造物がほとんど存在しなかったことも被害を大きなものにした一因であると考えられます。   今後の展望 日本海沿岸地域では、海底活断層が陸域近傍に存在するため、地震発生から津波の到達までの時間が非常に短いことが従来から指摘されてきました。一方で、日本海沿岸地域における大規模な津波は、1993年に発生した日本海中部地震以来発生していませんでした。本研究の成果は、日本海沿岸地域における津波被害の特性を理解し、その軽減を図るうえで重要な知見を提示するものであると考えます。   本研究では、令和6年能登半島地震による津波浸水の範囲が、震源を特定した既存の津波浸水想定の結果と調和的なものであることを示しました。これにより、津波浸水に関するハザードマップの有用性が認知され、全国の沿岸地域にお住まいの方々の防災意識のさらなる涵養に寄与することを期待します。 図1. 津波浸水範囲と調査地点   図2. 珠洲市鵜飼と能登町白丸における津波被害の写真   図3. 津波の高さの分布   論文情報 タイトル:Distribution of tsunami inundation area and tsunami height associated with the 2024 Noto Peninsula earthquake, central Japan 著者:Yoshiya Iwasa*, Takashi Nakata, Yasuhiro Kumahara, Satoru Sugita, Akira Hama and Tatsuto Aoki(*は責任著者) 著者所属:岩佐佳哉(福岡教育大学教育学部)、中田高(広島大学名誉教授)熊原康博(広島大学大学院人間社会科学研究科)、杉田暁(中部大学中部高等学術研究所 国際GISセンター)、濱侃(千葉大学大学院園芸学研究院)、青木賢人(金沢大学人間社会研究域) 掲載誌:Earth, Planets and Space DOI:https://doi.org/10.1186/s40623-025-02202-z   謝辞 本研究では国土地理院から高解像度の空中写真を提供していただきました。また、本研究の遂行にはJSPS科研費(JP23K18735,JP24K07718)および中部大学問題複合体を対象とするデジタルアース共同利用・共同研究(IDEAS202406)を使用しました。   報道発表資料(2.3 MB) 掲載誌:Earth, Planets and Space 研究者ガイドブック(熊原 康博 教授)   【お問い合わせ先】 <研究に関すること> 福岡教育大学教育学部 講師岩佐佳哉 TEL: 0940-35-1299Email: iwasa-y*fukuoka-edu.ac.jp   広島大学 名誉教授(元大学院人間社会科学研究科教授)中田高 Email: tnakata*hiroshima-u.ac.jp   広島大学大学院人間社会科学研究科 教授熊原康博 Email: kumakuma*hiroshima-u.ac.jp   中部大学中部高等学術研究所 国際GISセンター 准教授杉田暁 Email: satoru.sugita*fsc.chubu.ac.jp   千葉大学大学院園芸学研究院 助教濱侃 Email: a.hama*chiba-u.jp   金沢大学人間社会研究域 准教授青木賢人 Email: kentaoki*staff.kanazawa-u.ac.jp   (*は半角@に置き換えてください)

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    2025.03.18
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    高圧流体が引き起こすプレート境界断層の破壊 ―スロー地震発生メカニズム解明への新たな手がかり―

    研究のポイント スロー地震が発生するプレート境界の高温高圧環境を室内で再現し、高流体圧条件下で岩石中に「fault-fracture mesh構造」と呼ばれる多数の破壊面からなるネットワークが形成されることを発見。 プレート境界断層を構成していた蛇紋岩中に、実験で確認されたものと同じfault-fracture mesh構造が存在すること、さらに鉱物の析出により破壊による隙間が埋められていたことを確認。 蛇紋岩の破壊と鉱物析出の繰り返しがスロー地震の周期的な発生を説明することを世界で初めて地質学的に裏付け、スロー地震の発生メカニズム解明に向けた重要な手がかりを示した。   概要 沈み込み帯で発生する「スロー地震(注1)」は、通常の地震と異なり、数日から数ヶ月という長い時間をかけて断層が滑る現象です。こうしたスロー地震の発生には、従来の地震とは異なるメカニズムが関与していると考えられていますが、その詳細については明らかになっていませんでした。 静岡大学理学部の平内健一准教授、同大学大学院総合科学技術研究科の永田有里奈さん(研究当時)、広島大学大学院先進理工系科学研究科の岡崎啓史准教授(研究当時:海洋研究開発機構・研究員)らの研究グループは、西南日本の沈み込み帯で頻繁に観測されているスロー地震の一種「Episodic Tremor and Slip (ETS)」に注目し、その仕組みを明らかにするため、室内実験および野外調査による研究を実施しました。   研究グループは、ETSの発生が深さ約30 kmのプレート境界断層付近に存在する蛇紋岩(注2)と、そこに供給される高圧状態の流体と密接な関係があることに着目しました。実験では、圧力容器内にこの環境を再現し、蛇紋岩が高い流体圧を受けると、多数の破壊面がネットワーク状に広がる「fault-fracture mesh構造(注3)」を形成することを明らかにしました。また、四国の三波川帯に露出する蛇紋岩体の地質調査からも、実験と同じくfault-fracture mesh構造が繰り返し形成されていたことを確認しました。さらに、流体から新たに蛇紋石が析出し、破壊によりできた隙間を埋めていました。この現象は、「断層バルブ挙動(注4)」と呼ばれるもので、スロー地震の周期性を説明する重要な地質学的証拠となります。   本研究の成果は、ETSが蛇紋岩の断層バルブ挙動によって周期的に発生するという仮説を初めて実験的かつ地質学的に裏付けました。この成果により、スロー地震の発生メカニズム解明が進展し、将来的にスロー地震の予測向上や地震防災対策への活用が期待されます。   本研究成果は、Springer Nature社の発行する英国科学雑誌「Communications Earth & Environment」に2025年3月5日に掲載されました。 国立大学法人静岡大学ウェブサイトhttps://www.shizuoka.ac.jp/ ○広報・基金課〒422-8529静岡県静岡市駿河区大谷836TEL:054-238-5179FAX:054-238-4450   背景 図1.西南日本沈み込み帯の模式断面図.スロー地震の一種であるEpisodic Tremor & Slip (ETS)の発生前後でプレート境界断層付近の流体圧変化が起こる.LFE:低周波地震.SSE:スロースリップイベント. 沈み込み帯のプレート境界断層では、テクトニック微動、低周波地震、スロースリップイベントなど、異なる時間スケールでゆっくり発生するスロー地震が観測されています。西南日本の沈み込み帯では、Episodic Tremor and Slip (ETS)と呼ばれる、数ヶ月から数年の周期で微動とスロースリップイベントが同時に発生する現象が知られており、通常の地震が起きる領域のさらに深い場所で発生しています。この領域では、沈み込んだ海洋プレートから放出される大量の水(流体)がプレート境界断層に供給されることで、「高流体圧」という特異な環境が形成されていると考えられています(図1上段)。 近年の地球物理観測研究では、ETSが起きるときに断層が破壊されることで、流体圧が一時的に減少するという現象が捉えられました(図1下段)。地球物理学者は、この流体圧の変化を「断層バルブモデル」を用いて説明しています。このモデルでは、断層が破壊されて生じた隙間(亀裂)に新たな鉱物が析出することで、再び流体圧が上昇し、それが次の破壊(地震)を引き起こすという周期的なメカニズムを想定しています。 ETSが起きる領域は「蛇紋岩」と呼ばれる岩石で構成されていると考えられています。蛇紋岩はマントルを構成する「かんらん岩」が水と反応してできる岩石で、力学的に弱い性質をもっています。そのため、蛇紋岩とETSには何らかの関連性があると考えられてきましたが、高流体圧下で実際に蛇紋岩がどのように振る舞うのか、その具体的なメカニズムは明らかではありませんでした。そこで本研究では、ETS発生域の環境(圧力1 GPa、温度500 °C、深さ約30 kmに相当)を再現した実験を行い、蛇紋岩の破壊と鉱物析出を繰り返す現象が本当にETSの発生サイクルと関連しているのかどうかを検証しました。   成果 図2.蛇紋岩中に発達するfault-fracture mesh構造.(A)実験後の試料の電子顕微鏡写真.(B)四国三波川帯・富郷蛇紋岩体の露頭写真.(C)fault-fracture mesh構造形成時の応力場を表した図.σ1:最大主応力軸.σ3:最大主応力軸. 本実験では、グリッグス型固体圧式装置を使用し、蛇紋岩試料に水を加えて実際のプレート境界深部の環境を再現しました。また、加える水の量を系統的に変化させることで、流体圧を制御することに成功しました。その結果、流体圧が増加するにつれて、蛇紋岩の破壊様式が変化することを明らかにしました。特に、非常に高い流体圧条件では、岩石全体にわたって網目状の亀裂(fault-fracture mesh構造)が形成されました(図2A)。 また、四国の三波川帯に分布する白亜紀の地質体には、深部スロー地震発生域に相当する環境下で形成された「過去のプレート境界断層」が露出しています。この地域の蛇紋岩を対象とした地質調査からも、fault-fracture mesh構造が地質学的な時間スケールで繰り返し形成されていたことがわかりました(図2B)。さらに、亀裂には新たに蛇紋石が析出して隙間を埋めていました。このことは、断層が破壊と鉱物析出を繰り返してきたという証拠であり、「断層バルブ挙動」の地質学的な痕跡であると考えられます。 これらの研究成果は、ETSの周期的発生を説明する断層モデルと非常によく一致しています。つまり、亀裂が蛇紋石の析出によって閉じるまでの時間が次の破壊(スロー地震)が起きるまでの準備期間であること、亀裂が閉じるにつれて再び流体圧が高まり、次の破壊を引き起こすことが示唆されます(図3)。 図3.Episodic Tremor & Slip (ETS)の発生機構を表した模式図.(A)温かい沈み込み帯の断面図(上段)とプレート境界に沿った有効法線応力(σneff)変化(下段).(B)蛇紋岩からなるプレート境界断層帯に発達するfault-fracture mesh構造を表した図.図A中の黒四角の範囲に対応する.(C)ETSの発生サイクルに対応した剪断応力(τ)、透水率(K)、流体圧(Pf)の時間変化.(D)ETSの発生サイクルを通じて起こる蛇紋岩の破壊・鉱物析出プロセスを表した図.σ1:最大主応力軸.σ3:最大主応力軸.   今後の展開 本研究は、蛇紋岩が断層バルブの役割を果たすこと、深部スロー地震が繰り返し起こることを、実験と野外調査により初めて具体的に示唆したものと言えます。今後は、蛇紋石の析出速度についてより詳細な実験を行い、実際のETSの周期(数ヶ月から数年)を説明できるかを明確にする必要があります。また、この破壊現象がスロー地震特有の低周波成分が卓越する地震波を発生させるのかについても、実験的に検証していきます。これらの研究が進展することで、スロー地震がなぜ、どのようにして発生するのかというメカニズムの本質的な理解が深まり、地震防災や予測の精度向上にも貢献することが期待されます。   論文情報 掲載誌名:Communications Earth & Environment 論文題目:Fault–fracture mesh development produces tectonic tremor in fluid-overpressured serpentinized mantle wedge 著者:Ken-ichi Hirauchi, Yurina Nagata, & Keishi Okazaki DOI:10.1038/s43247-025-02159-7   謝辞 本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業である「基盤研究(B), 22H01320」、「学術変革領域研究(A) (公募研究), 22H05301」、「基盤研究(S), 22H04932」、「基盤研究(B), 18H01318」、「新学術領域研究(研究領域提案型), 19H04630」「基盤研究(A), 21H04528」、「挑戦的研究(開拓), 22K18283」の支援により実施されました。   用語解説 注1.スロー地震:低周波微動、低周波地震、スロースリップイベントなどに代表される、通常の地震に比べてゆっくりとした断層滑りの総称。   注2.蛇紋岩:上部マントルを構成するかんらん岩などの超苦鉄質岩が加水作用を受けて形成される岩石。主に蛇紋石から構成される。   注3.fault-fracture mesh構造:引張(モードI型)破壊と引張・剪断(モードI-II型)破壊が多数発生することで形成される網目状の亀裂構造。流体圧が岩石の静岩圧を超える高流体圧環境下で形成されると考えられている。   注4.断層バルブ挙動:流体が断層に沿って移動していく際、鉱物の析出などにより断層面上の隙間が閉じて(断層がシールされて)局所的に流体圧が上昇し、断層の実効的な強度が低下することで発生する滑り。   報道発表資料(1.32 MB) 掲載誌:Communications Earth & Environment 研究者ガイドブック(岡崎 啓史 准教授)   【お問い合わせ先】 <研究に関すること> 静岡大学理学部地球科学科 准教授・平内 健一 (ひらうち けんいち) TEL : 054-238-4735 E-mail : hirauchi.kenichi*shizuoka.ac.jp   広島大学大学院先進理工系科学研究科 海洋研究開発機構高知コア研究所招聘主任研究員 准教授・岡崎 啓史 (おかざき けいし) TEL : 082-424-7462 E-mail : keishiokazaki*hiroshima-u.ac.jp   <報道に関すること> 静岡大学 広報・基金課 TEL : 054-238-5179 E-mail : koho_all*adb.shizuoka.ac.jp   広島大学 広報室 TEL : 082-424-3749 E-mail : koho*office.hiroshima-u.ac.jp   (*は半角@に置き換えてください)

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    2025.10.08
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    地球史上最大の火山活動が海洋プレートを作り変えたことが判明 ――プレート形成過程の包括的理解に道拓く

    岡山理科大学の志藤あずさ講師、東京科学大学の石川晃准教授、広島大学の芳川雅子特任教授らの研究グループは、地震波の解析から、世界最大の海台であるオントンジャワ海台のプレートが、海台を作った時の大規模火山活動で大きく作り変えられたことを明らかにしました。この研究成果は、「Geophysical Research Letters」に掲載されました。   本研究成果のポイント オントンジャワ海台のプレートは層状構造に貫入岩脈群が重なる複合構造をしている オントンジャワ海台のプレートの低速度異常は、熱組成プルーム由来のマグマがプレートを化学的に変化させたことを示唆 海洋プレートが大規模火山活動によって著しい物理化学的改変を経験したことを示す本研究結果は、プレート形成過程の包括的理解につながる 図1. 本研究でわかったオントンジャワ海台のプレートの模式図   背景 オントンジャワ海台は太平洋にある世界最大の海台で、1億1千万年〜1億2千万年前の海底火山活動によってできました。地球史上最大といわれる火山活動は、当時の地球環境を激変させ生物の大量絶滅を引き起こしたと考えられています。この大規模な火山活動の原因は、マントル深部からの上昇流である熱組成プルーム(注1)であることが最近の研究により示されましたが、深部から上昇してくるマグマが、既存の海洋プレートへ与える影響は不明でした。   研究内容と成果 本研究では、オントンジャワ海台周辺の海底地震計や海洋島に設置された地震計によって観測されたPo波So波という高周波の地震波を解析に使用しました。Po波So波は、海洋プレートを伝わる波で、その伝わり方は海洋プレートの内部構造に敏感です。通常Po波So波は、海洋プレート内部にある層状構造によってP波S波が多重散乱することで励起され、海洋プレートの中を数千 kmも伝わります。ところが、オントンジャワ海台周辺で観測されたPo波So波は、So波だけが伝わりにくいという際立った特徴を持っていました。この特徴を再現するようなプレートの内部構造を、地震波形モデリングによって推定した結果、オントンジャワ海台のプレートは層状構造(横縞)に貫入岩脈群(縦縞)が重なった複合構造をしていることがわかりました(図1)。   さらに、オントンジャワ海台のプレートを伝わるPo波So波の速度は通常の海洋プレートよりも顕著に遅いことがわかりました。本研究ではこれらの観測事実を説明するために、オントンジャワ海台のプレート内部を、熱組成プルームからのマグマが貫入岩脈群を形成しながら上昇し、さらにマグマがプレートを化学的に変化(=最肥沃化)(注2)させたというモデルを提案しました。本研究によって示された海洋プレートの物理化学的な改変のモデルは、プレート形成過程の包括的理解につながることが期待されます。本研究成果は「Geophysical Research Letters」に2025年9月30日に掲載されました。 図2.オントンジャワ海台の位置  研究助成 本研究はJSPS科研費(23K03555, 15H03720)の助成を受けました。   論文情報 掲載誌:Geophysical Research Letters タイトル:Dike Swarms in the Oceanic Lithosphere Beneath the Ontong Java Plateau DOI: 10.1029/2025GL115219 著者:Azusa Shito*, Daisuke Suetsugu, Akira Ishikawa, Masako Yoshikawa, Takehi Isse, Hajime Shiobara, Hiroko Sugioka, Aki Ito, Yasushi Ishihara, Satoru Tanaka, Masayuki Obayashi, Takashi Tonegawa, Junko Yoshimitsu   語句説明 (注1)熱組成プルーム:マントル深部からの上昇流(プルーム)のうち、プルームを構成する物質が通常のマントルと化学組成が異なり古い海洋地殻由来物質などを含んでいるもの。 (注2)再肥沃化:マントルを構成するかんらん岩は、部分溶融により発生したメルトが抜けることによりメルト成分に枯渇したかんらん岩に変化する。これとは逆にメルト成分が再充填されるプロセスを再肥沃化と言う。   報道発表資料(744.1 KB) 掲載雑誌:Geophysical Research Letters 研究者ガイドブック(芳川 雅子 特任教授)   【お問い合わせ先】 <研究内容に関する問い合わせ先> 岡山理科大学生物地球学部 講師志藤 あずさ Email: azusas*ous.ac.jp   東京科学大学理学院地球惑星科学系 准教授石川 晃 Email: ishikawa.a.9b1d*m.isct.ac.jp   広島大学大学院先進理工系科学研究科 地球惑星システム学プログラム 特任教授芳川 雅子 Email: masako*hiroshima-u.ac.jp   <報道に関する問い合わせ先> 岡山理科大学企画部企画広報課 TEL:086-256-8508 Email: kikaku-koho*ous.ac.jp   東京科学大学 総務企画部広報課 TEL:03-5734-2975 Email: media*adm.isct.ac.jp   広島大学 広報室 TEL: 082-424-3749 Email: koho*office.hiroshima-u.ac.jp   (*は半角@に置き換えてください)

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    2026.01.20
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    能登半島地震の発生源となった沿岸海底活断層 世界最長級の地震隆起を引き起こしたことを解明

    本研究成果のポイント 2024年1月1日発生の能登半島地震による海岸隆起(※1)の分析 地震で海岸の地面が持ち上がる現象を解析し、世界最長級であることを示しました。 能登半島沖の海底活断層(※2)の連続分布の確認 海底にある活断層が連続的に分布することを明らかにし、隆起量の差異は海底活断層と海岸線の距離が主な要因であることを示しました。 海底活断層の長期活動履歴解明と防災への応用 活動周期や変位速度など長期的な活動履歴を明らかにするとともに、他沿岸域での活断層調査・地図化により、防災計画への応用を目指します。   概要 2024年1月1日に発生した能登半島地震(マグニチュード7.5)により、能登半島北部では顕著な地盤の隆起が観察されました。本研究は、この隆起が能登半島北岸に沿って並走する海底活断層の活動によって生じたことを、隆起海岸の地図化、隆起量の計測、および海底地形の分析を通じて明らかにしたものです。従来の津波・地震ハザード評価では十分に考慮されてこなかった沿岸域の海底活断層について、変動地形学的手法により具体的に示した点で、新たな視座を提供するものです。 また、本研究は広島大学から論文掲載料の助成を受けております。   著者:Hideaki Goto、 Tomoru Yamanaka、 Tomohiro Makita、 Yoshiya Iwasa、 Takuro Ogura、 Kyoko Kagohara、 Yasuhiro Kumahara、 Yasuhiro Suzuki、 Nobuhisa Matta、 Tatsuto Aoki、 Wataru Mori、 Kenta Haranishi、 Takashi Nakata タイトル:Coast uplifted by nearby shore-parallel active submarine faults during the 2024 Mw 7.5 Noto Peninsula earthquake 掲載雑誌:Geomorphology、493巻、 110069 DOI: https://doi.org/10.1016/j.geomorph.2025.110069 掲載日:15 January 2026(オンライン掲載日:30 October 2025)   背景 日本の沿岸部は、これまで繰り返し地震や津波の被害を受けてきました。強い揺れや津波に加え、地震に伴う海岸の隆起や沈降などの地形変化は、漁港・道路・護岸といった沿岸インフラや地域の生業に長期的な影響を及ぼします。そのため、こうした変化の発生メカニズムを解明することが重要です。 2024年1月1日に発生した能登半島地震(マグニチュード7.5)は、約120年間の観測史上、沿岸域で発生した最も大きな直下型地震でした。強い震動に加えて津波の発生や海岸環境の急激な変化など、多岐にわたる被害が報告されています。本地震は、沿岸活断層がもたらす地形変化や被害の多様性、そして半島地域が有する特有の災害脆弱性を示す代表的な事例といえます。 日本列島は長い海岸線をもち、沿岸域に人口や社会基盤が集中しています。能登半島と同様の環境をもつ地域は全国に多数存在します。したがって、今回の地震から得られた地形学的・測地学的・地理学的な新知見は、今後の沿岸域における災害想定や防災・減災政策の検討に直接的に役立つことが期待されます。   研究成果の内容 〈研究方法〉 広島大学大学院人間社会科学研究科の後藤秀昭教授を中心に、博士課程前期の牧田智大氏、千葉県立中央博物館の山中蛍研究員、福岡教育大学教育学部の岩佐佳哉講師、兵庫教育大学大学院学校教育研究科の小倉拓郎准教授、山口大学教育学部社会科教育講座の楮原京子准教授、岡山大学学術研究院教育学域(社会科教育)の松多信尚教授、金沢大学人間社会研究域地域創造学系の青木賢人准教授らで構成される研究チームは、2024年1月1日の能登半島地震の発生直後から、空中写真を用いて隆起海岸の詳細な地図化を行いました。あわせて、現地での観察や記録、隆起量の精密な計測を実施しました。さらに、海底地形データや地層探査記録を解析し、沿岸近傍に分布する海底活断層の位置と形状を明らかにしました。   〈主な成果〉 地震に伴い、能登半島の北岸では明瞭な地盤の隆起が確認されました。一方で、七尾湾や富山湾では隆起は認められませんでした。隆起によって新たに陸化した面積は約4.4平方キロメートル、隆起域の延長は約100キロメートルに及びます。陸化面積は、1804年に日本海で発生した象潟(きさかた)地震(図1)と同程度ですが、その延長は世界最長級であることが明らかになりました。 海岸線に沿って510地点で隆起量を計測した結果、隆起量は0.1〜5.2メートルで場所により異なりました(図2)。大きな隆起は北西端の猿山岬付近および北岸の鞍崎周辺で観測され、両側に向かって隆起量が減少する「山形」の分布を示しました。 さらに、海底地形データおよび地層探査データの解析から、隆起をもたらした活断層が海岸線にほぼ平行して連続的に延びていることが明らかとなりました(図2)。隆起量が特に大きかった場所は、断層線に近接する陸域に集中しており(図2,3)、南に傾斜した逆断層の活動によって隆起量分布が説明できることが確認されました。これらの特徴から、今回の地震は能登半島で過去数十万年間に繰り返し発生してきた地震の再来であることが示唆されます。   〈成果の優位性・社会/暮らしへの影響〉 2024年1月1日の能登半島地震は、沿岸域で発生した観測史上最大規模の内陸地震です。本研究では、海岸線のすぐ沖に位置する海底活断層の活動によって生じた海岸地形の変化を精密に捉えました。これは、地震・津波ハザード研究に新たな視点をもたらす重要な成果といえます。 従来、海岸線に極めて近い海底活断層は調査が難しく、十分に注目されていませんでした。本研究では、海底地形データの解析と陸上での地形調査を組み合わせることで、これらの断層の動きを初めて明瞭に捉えることに成功しました。この点で、手法的にも大きな優位性を有しています。 さらに、本研究成果は、地形変化による被害の拡大を抑えるための早期警戒体制の整備や、地域防災計画の見直しに直接貢献するものです。海岸部の隆起・沈降は、沿岸住民の津波避難行動、道路・防波堤・港湾施設などのインフラ設計、さらには耐震・耐津波性能評価に直結します。今後、沿岸自治体や関係機関が「海岸線近傍での断層活動の可能性」を防災計画に反映させる必要性を示す重要なメッセージとなります。   今後の展開 今後の研究では、本論文で示された海底活断層が2024年の地震時に実際に活動したことを示す直接的な証拠を、海底面のずれや変形の観測によって検証する必要があります。また、この活断層の活動周期や変位速度など、長期的な活動履歴を明らかにすることも重要な課題です。 さらに、他の沿岸域においても、海岸線近傍に存在する海底活断層の有無を調査し、地図化を進めることが求められます。従来の海底活断層調査は、主に海底下の地層構造に基づいて実施されてきましたが、陸上の活断層研究と同様に、海底地形の詳細な判読を組み合わせることで、これまで知られていなかった活断層の発見や、歴史地震の震源特定につながる可能性があります。   参考資料 図1海岸隆起を起こした地震(A)と2024年1月1日能登半島地震と余震(B) 図22024年地震の隆起量と海底活断層の分布 図3能登半島を北から3Dで見た様子(2024年隆起量と海底活断層)   用語解説 ※1)海岸隆起: 地震によって地盤が持ち上がる現象。海岸では、地震前に海水面の影響でできた痕跡(波の跡や海藻の付着跡など)が、地震後に海面より高い位置に現れることで、隆起の様子を確認できる。不動とみなせる海水面を基準に、これらの痕跡との高さの差を比べることで、地震による隆起量を知ることができる。   (※2)海底活断層: 海底にあり、過去に何度も動き、将来も活動すると考えられる断層。沿岸の近くに分布する場合、断層面が陸地の下まで延びていることもあり、地震のときには津波だけでなく強い揺れをもたらすことがある。   報道発表資料(772.46 KB) 掲載ジャーナル:Geomorphology 研究者ガイドブック(後藤 秀昭 教授)   【お問い合わせ先】 〈研究に関すること〉 広島大学大学院人間社会科学研究科教授後藤 秀昭 Tel:082-424-6658Fax:082-424-0320 E-mail:hgoto@hiroshima-u.ac.jp   千葉県立中央博物館展示課研究員山中 蛍 Tel:043-265-3111 E-mail: t_yamanaka@chiba-muse.or.jp   福岡教育大学教育学部講師岩佐 佳哉 Tel:0940-35-1299 E-mail:iwasa-y@fukuoka-edu.ac.jp   兵庫教育大学大学院学校教育研究科准教授小倉 拓郎 Tel:0795-44-2143 E-mail:togura@hyogo-u.ac.jp   山口大学教育学部社会科教育講座准教授楮原 京子 Tel:083-933-5325 Fax:083-933-5325 E-mail:k-kago@yamaguchi-u.ac.jp   岡山大学学術研究院教育学域(社会科教育)教授松多 信尚 Tel:086-251-7618 E-mail:matta@okayama-u.ac.jp   金沢大学人間社会研究域地域創造学系准教授青木 賢人 Tel:076-264-5330Fax:264-5362 E-mail:kentaoki@staff.kanazawa-u.ac.jp   〈報道に関すること〉 広島大学広報室 Tel:082-424-6762 Fax:082-424-6040 E-mail:koho@office.hiroshima-u.ac.jp   千葉県立中央博物館 管理部企画調整課 Tel:043-265-3111 E-mail:kouhou_cbm@mz.pref.chiba.lg.jp   福岡教育大学経営政策課広報担当 Tel:0940-35-1205 E-mail:kouhou@fukuoka-edu.ac.jp   兵庫教育大学広報室 Tel:0795-44-2431 E-mail:office-koho@ml.hyogo-u.ac.jp   山口大学 広報室 Tel:083-933-5007Fax:083-933-5013 E-mail:sh011@yamaguchi-u.ac.jp   岡山大学 総務部広報課 Tel:086-251-7292 E-mail:www-adm@adm.okayama-u.ac.jp   金沢大学人間社会系事務部総務課 Tel:076-264-5466 E-mail:n-somu@adm.kanazawa-u.ac.jp

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