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芳香族ニトロ化合物のセンシング技術

研究テーマ

  • 簡便にリアルタイムに芳香族ニトロ化合物をセンシングする技術の開発

研究内容

研究の背景

  • ・有害性・危険性の高いケースが多いニトロ芳香族化合物を検知することは、安全衛生面での需要が大きく、重要な課題である。例えば、工業的に重要なアニリンは、ニトロベンゼンの還元によって製造されるが、製造環境大気中のニトロベンゼンを大量のアニリン存在下で検知することが求められている。
  • ・一般に、検出には、ガスクロマトグラフや質量分析計の利用が主流だが、正確で再現性が高い反面、高価な分析装置やガス採取も含め分析に時間と専門技術が必要で断続的な測定しかできないという課題があった。

 

本技術の優位性

  • ・特殊な装置を必要とせず簡便な「その場観察」が可能
  • ・固体状態で高い蛍光量子収率を示すのでコントラストが大きく、微量検出が可能
  • ・可逆的な反応のため、繰り返して連続的な検出が可能
  • ・溶液、気相のいずれにも対応可能
  • ・高温でも安定な材料

 

技術概要

  • ・固体状態でも良好な発光特性を示す元素ブロックであるゲルマニウム架橋したビチオフェン(DTG)に関する研究を実施したところ、その過程で、DTGの環状ゲルモキサン誘導体(cDTGOSi)のニトロ芳香族化合物のセンシング特性を確認した(Organometallics 2015, 34, 5609)。

 

  • ・多孔性材料BTESEゲルにDTGO基本骨格をハイブリッドしたフィルムを作成することで、1分程度で蛍光発光性を顕著に低下させることに成功した。

 

  • ・この反応は可逆的で、繰り返し安定性を確認。継続的な検出が可能である。

 

  • ・また、ニトロベンゼン以外のニトロ芳香族化合物にも広く適用可能である。さらに、各ニトロ芳香化合物の蛍光の消化率が異なることから、種々のニトロ芳香族化合物を同時に検知することも可能である。

 

  • ・このセンシング技術は特殊な機器が不要で簡便なセンシングが可能。

 

想定される用途

  • ・アニリン製造工程における、大過剰のアニリン存在下でのニトロベンゼンの検知
  • ・作業環境の維持や爆発性物質の検知

 

特許

  • ・発明の名称:ニトロ化合物検出用化合物、ニトロ化合物検出用化合物の製造方法及びニトロ化合物の検出方法
  • ・出願番号:特願2016-099730
  • ・出願人:国立大学法人広島大学
  • ・発明者:大下浄治、ほか2名

 

 

論文

  • ・M. Nakamura, K. Shigeoka, Y. Adachi, Y. Ooyama, S. Watase, J. Ohshita; Preparation of Dithienogermole-containing Polysilsesquioxane Films for Sensing Nitroaromatics; Chem. Lett., 2017, 46, 438-441. doi: 10.1246/cl.161119

 

 

企業への期待

  • ・実用化に向けた試験(選択性向上、低濃度領域での機能評価)や実証試験の場を提供いただける企業との共同研究を希望。

 

 

研究者からのメッセージ

この技術は、有機―無機ハイブリッド材料であるポリシルセスキオキサンに独自の蛍光性ユニットを導入したものです。ポリシルセスキオキサンは、耐熱性と機械的特性に優れたロバストな材料の基本骨格としてとして期待されています。

 

 

 

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大下 浄治

Joji Ohshita

広島大学
大学院先進理工系科学研究科
有機元素材料化学研究室
教授

広島大学で1991年に工学博士の学位を取得後、広島大学、九州大学での助教、助教授を経て、2007年に教授、2014年に広島大学DPに認定された。 研究対象は、光電子デバイス材料、断熱材、分離膜などの元素ベースの有機機能材料。