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研究成果紹介

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    2025.12.12
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    外来遺伝子を残さない安全なゲノム編集を藻類で実現! ―藻類バイオ燃料の実用化に向け、新しい遺伝子編集方法を開発―

    本研究成果のポイント バイオディーゼルなどの燃料生産が期待される微細藻類“ナンノクロロプシス*1”において、遺伝子を安全に改変できるよう「塩基編集*2システム」を搭載した脱落可能なDNAベクターを開発しました。 この塩基編集システムは、DNA二本鎖切断(DNA Double-strand Breaks, DSBs)*3を導入しない安全な遺伝子改変システムであるため、外来遺伝子を残さず(外来遺伝子フリー*4)、必要な変異だけを導入できる安全な方法です。この技術を使うことで、遺伝子改変後も外来遺伝子を含まないナンノクロロプシスを構築することが可能になりました。 脱落可能なベクターにより樹立できる外来遺伝子の残らないゲノム編集生物はカルタヘナ法*5の定める遺伝子組換え生物には該当しないため、屋外培養などの幅広い用途への応用が期待できます。     概要 広島大学ゲノム編集イノベーションセンターの諸井桂之研究員、山本卓教授および栗田朋和特任准教授は、非常に多くの油脂を蓄積する微細藻類、ナンノクロロプシスにおいて脱落可能な塩基編集ベクターを開発しました。この技術により変異導入時にDSBsを介さずに外来遺伝子を含まないナンノクロロプシスのゲノム編集株を樹立する手法を確立しました。 本研究成果は令和7年11月27日に英国Nature research社の科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。 論文情報 掲載雑誌:Scientific Reports 論文題目:“Double-strand break-free and transgene-free genome editing in the microalga Nannochloropsis oceanica using removable vectors containing the CRISPR base editing system” 著者: Keishi Moroi, Yamamoto, Tomokazu Kurita* 広島大学ゲノム編集イノベーションセンター *:責任著者 DOI: 10.1038/s41598-025-26657-y 背景 微細藻類は細胞内に多量の油脂や有用物質を蓄積させるため、バイオディーゼルなどの生産が期待されていますが、生産コストなどの面で課題があるため、多くの研究者が微細藻類の分子育種を進めています。現在までに非常に効率の良いゲノム編集ツールが微細藻類で使用されて多くのゲノム編集藻類が構築されましたが、それらはDNA二本鎖切断(DSBs)を導入してから藻類細胞のDSB修復機構依存的に変異を導入していました。一方でこのようなDNAの二本鎖切断が稀に大規模なゲノムDNAの削除や染色体間での組換えなど宿主細胞に有毒で不都合な改変も起こっていました。 研究成果の内容 本研究ではナンノクロロプシスにおいてCEN/ARS*6を含む脱落可能ベクターに塩基編集用の発現カセットを搭載して、図のように塩基置換後に脱落可能なベクターを構築しました。この塩基編集ベクターによりナンノクロロプシスの内在性の5種の遺伝子における6つの標的サイトにおいて塩基置換の導入に成功しました。塩基置換効率は29.2%から47.6%で、塩基置換後のベクターの脱落にも成功しました。 今後の展開 本研究により確立したDSBフリー且つ、外来遺伝子が残らないゲノム編集法を用いて屋外培養可能、かつ油脂蓄積効率の高い“高機能藻類”の樹立が期待されます。DSBフリーのゲノム編集システムは複数箇所同時改変でも標的サイト間での大規模な遺伝子の脱落や染色体間での組換えといった不都合な改変が起こり難く、また脱落可能ベクターはマーカーの再利用が可能になるため、本システムは、細胞内の多数の遺伝子を改変する際に非常に有効であると考えられます。本研究で確立した外来遺伝子フリー塩基編集システムは藻類バイオディーゼル*7の実用化に必須の基盤技術と考えられます。 用語解説 *1ナンノクロロプシス 直径 2〜5μmほどの小さな海の植物プランクトンです。培養環境に応じてバイオディーゼルに変換できる油脂を大量に蓄積すること、オメガ3脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)を豊富に含有することなど多くの特長を持つことから、さまざまな分野で活用されています。 *2塩基編集 Clustered regularly interspaced short palindromic repeats (CRISPR)–CRISPR-associated protein 9 (Cas9)には2つのヌクレアーゼドメインがあり、標的部位にDNA二本鎖切断を導入します。このヌクレアーゼの片方を失活したnCas9はDNAの2本鎖の片方のみを切断する酵素でCas9ニッカーゼと言います。このnCas9に塩基の脱アミノ化を行うデアミナーゼを融合して、標的部位の塩基を別の塩基に置換するのが塩基編集です。本研究では、nCas9にヤツメウナギのデアミナーゼであるPmCDA1とウラシルDNAグリコシレーション阻害タンパク質を結合した融合タンパク質を使用しています。PmCDA1は標的配列のシトシンのアミノ基を脱離させてウラシルに置換します。ウラシルはチミンと同様にアデニンと塩基対を形成するため、最終的にシトシンをチミンに変換できます。このような塩基編集システムをシトシンベースエディター(cytosine base editors, CBE)と言います。ウラシルDNAグリコシレーション阻害タンパク質はPmCDA1により変換されたウラシルが細胞内の塩基除去修復機構により取り除かれ、別の塩基に変換されるのを防ぐ役割があります。 *3DNA二本鎖切断(DNA Double-strand Breaks, DSBs) 生命の設計図であるゲノムDNAは二本のDNA鎖が二重螺旋構造を形成していますが、この二本の鎖の両方を切断するのがDSBsです。DSBsが導入されると細胞内のDSB修復系が機能し基本的には元通り修復されます。しかし一定の割合で修復システムのエラーによりゲノムDNAに変異が導入されます。この現象を利用してDSBsを介したゲノム編集ツールは特定部位に結合してDSBsを導入、標的遺伝子に変異を導入しますが、この時に稀に標的以外の遺伝子を含む大規模な遺伝子の削除や、染色体間での置換など、宿主細胞にとって有害で不都合な反応が起こることがあります。このような反応は特に特にゲノムDNAの複数の場所でDSBsを同時に導入した場合に起こることがあるため、複数の遺伝子を同時に改変する場合には特にDSBフリーのシステムが重要になります。 *4外来遺伝子フリーシステム 異種生物由来や合成された配列など、外来のDNA配列を含む生物を遺伝子組換え生物(Gene Modified Organisms, GMOs)と言います。GMOsはカルタヘナ法に基づく生物学的封じ込めの規定があるため、屋外培養などには非常に強い使用制限があります。CEN/ARSを持つベクターは細胞内でゲノムDNAの外で維持されるエピソーマルベクターとして振舞い、抗生物質による選択圧が無い培養条件では自然に脱落します。このように最終的に外来遺伝子が残らないシステムを外来遺伝子フリーシステムと言います。 *5カルタヘナ法 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律。日本国内において、遺伝子組換え生物の使用等について規制をし、生物多様性条約カルタヘナ議定書を適切に運用するための法律で、遺伝子組換え生物が生物多様性へ影響を及ぼさないかどうか事前に審査することや、適切な使用方法について定められています。 *6CEN/ARS 出芽酵母の染色体の安定性に関わる配列であり、CEN/ARSはCentromere and autonomous replication sequenceの略で、出芽酵母の汎用low copyベクターに使用されています。最近このCEN/ARSを持つベクターが珪藻やナンノクロロプシスにおいても細胞内でゲノムDNAの外でエピソーマルベクターとして安定に維持されることが報告されていました。 *7藻類バイオディーゼル 微細藻類は環境ストレスなどに応じて細胞内に多量の油脂を蓄積します。この油脂に含まれる脂肪酸を脂肪酸メチルエステルに変換して使用する燃料です。藻類による油脂の生産は光合成によりCO2を吸収するため、大気中のCO2を増加させない次世代の再生可能エネルギーとして期待されています。   報道発表資料(733.68 KB) 掲載ジャーナル:Scientific Reports 研究者ガイドブック(栗田 朋和 特任准教授)   【お問い合わせ先】 広島大学ゲノム編集イノベーションセンター 特任准教授 栗田 朋和 Tel:082-424-4008 E-mail:kuri616*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)

    • 環境エネルギー
    • 気候変動/エネルギー/GX
    2025.12.15
    • 環境エネルギー
    • 気候変動/エネルギー/GX
    トドの赤ちゃんが動作とサインのつながりを学習し、見分けられることが世界で初めて明らかに!

    本研究成果のポイント トドは0歳の仔獣期から、成獣と同じように動作とサインのつながりを学習し、弁別できる能⼒をもつことが、世界で初めて明らかになりました。   概要 城崎マリンワールドで生まれたトドのカナタは⽣後半年までに9種類の動作とそれに対応するサインを学習し、トレーナーの性別や親密度(接した時間)によらず⾼い精度でサインを識別することができました。 ハンドサインとボイスサインを同時に与えた場合、およびハンドサインのみを与えた場合の正解率は、9種類の動作全てで基準となる正解率を上回りました。 ボイスサインだけを与えた場合の正解率は、3種類の動作を除き基準となる正解率を下回りました。 本研究は、城崎マリンワールドの佐々木雅大氏、広島大学大学院人間社会科学研究科の神原利宗准教授らが執筆したもので、10月8日に「International Journal of Comparative Psychology」に掲載されました。城崎マリンワールドのトドの研究に関する国際論文では4本目、城崎マリンワールドで生まれたトドの「カナタ」に関する研究では初めてとなります。   研究成果の内容 トドは0歳の仔獣期から、成獣と同じように動作とサインのつながりを学習し、弁別できる能力をもつことが、世界で初めて明らかになりました。 トドの「カナタ」は生後半年までに9種類の動作とそれに対応するサインを学習し、トレーナーの性別や親密度(接した時間)によらず高い精度でサインを識別することができました。 ハンドサインとボイスサインを同時に与えた場合、およびハンドサインのみを与えた場合の正解率は、9種類の動作全てで基準となる正解率を上回りました。 ボイスサインだけを与えた場合の正解率は、3種類の動作を除き基準となる正解率を下回りました。   研究の背景 トドをはじめとするアシカの仲間は、長い授乳期間をもち、赤ちゃんのころにトレーナーが介入してトレーニングを行うことが難しい特徴があります。そのため、赤ちゃんのトドの学習能力については、野生下での観察を除いて知られていませんでした。 城崎マリンワールドで生まれたトドの「カナタ」は、母親が母乳で育てることが困難であったため、飼育員による人工哺育で育てられました。授乳期からトレーニングを行える特殊な環境から、貴重なデータを得られる可能性がありました。 本研究はこれまで前例がなかった、赤ちゃんのトドの学習能力について調べたものです。   研究方法 ハンドサインとボイスサインを同時に与えて9種類の動作でトレーニングを行いました。その後の実験で以下の3つの条件で「カナタ」にサインを与え、正解率を調べました。 ①ハンドサインとボイスサイン同時 ②ハンドサインだけ ③ボイスサインだけ 目で見た情報と、耳で聞いた情報、どちらが学習において重要なのかを調べました。実験は男女3人ずつ、合計6人で行い、親密度や性別による影響を考慮しました。 資料映像: 最初はホースの水を使うなど遊びの中で動作を引き出し、ミルクを使って教えていきました。その後は、目印となる道具や手を使ったトレーニングも行い、生後半年までに9種類の動作ができるようになりました。 各動作ができるようになった後は、決められた手の動き(ハンドサイン)と声(ボイスサイン)を同時に与えながら動作とむすびつけ、サインに合わせて動作を行うことをトレーニングしました。   資料映像:ホースの水で遊ぶカナタ 資料映像:はじめてトレーニングした”バイバイ” 資料映像:”あーん”のトレーニング 参考資料 図1.カナタ(授乳期) 図2.カナタ(現在)   論文情報 掲載雑誌名:International Journal of Comparative Psychology DOI:https://doi.org/10.46867/ijcp.41525 タイトル:“A Case Study of Associations Between Human Visual-Vocal Commands and Behaviors in a Lactating Steller Sea Lion Pup (Eumetopias jubatus)”   著者:佐々木雅大氏1,堤和樹氏1,木下日奈乃氏1,西島昌宏氏1,松村千織氏1,豊田彩加氏1, 神原利宗2 所属:1城崎マリンワールドシーズー,2広島大学   掲載雑誌:International Journal of Comparative Psychology 研究者ガイドブック(神原利宗 准教授)   【お問い合わせ先】 城崎マリンワールドシーズー 飼育員佐々木雅大 氏 TEL:0796-28-2300 FAX:0796-28-3675 Email:seazoo*hiyoriyama.co.jp (*は半角@に置き換えてください)   広島大学大学院人間社会科学研究科 心理学プログラム 准教授神原利宗 TEL:082-424-6280 FAX:082-424-3481 E-mail:tkambara*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)

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    2021.07.21
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    メタンハイドレート(*1)資源開発支援を目的とした新コンセプト技術を開発~深海底の生物資源を活用した固化技術~

    本研究成果のポイント 国産資源としての期待が高まるメタンハイドレート商業化において技術的課題とされている出砂トラブルに対処する新しい技術開発を進めている。 天然にすでに存在する微生物の機能を活用し、抗井周辺の地層を固めることで出砂を抑制し、長期生産を可能とする効果が期待できる。   概要 日本周辺海域を対象としてJOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が主体となり、2013年に世界初のメタンハイドレート海洋産出試験を、2017年には第2回の同試験を実施するなど商業化に向けた取り組みが進められている。過去2回の海洋産出試験では、一部の生産井 (注2) においてメタンハイドレート層から砂が流入し坑井を詰まらせる出砂という現象により試験が中断されるなどの課題が指摘されている。   この課題を解決する手法として天然に存在する微生物の作用に着目し、広島大学大学院先進理工系科学研究科社会基盤環境工学プログラムの畠俊郎教授(2021年3月まで富山県立大学教授)は、JOGMECと共同で抗井周辺の地層を広範囲に固化させることで坑井への出砂を抑制する技術の開発を進め、日本と米国で特許を取得した。 図1 地層固化のイメージ(左側イラスト)と高圧環境下で微生物が作り出す結晶鉱物(右側画像) 日本近海のメタンハイドレート胚胎層を再現した圧力条件(13MPa)で温度条件を変えて結晶析出試験を行った結果、30℃ではほぼカルサイト、13℃ではカルサイト80%、アラゴナイト20%と異なる炭酸カルシウム種が析出することを確認した。   用語解説 (注1)メタンハイドレート 天然ガス資源の一種であるメタンハイドレートは、水分子が水素結合により形成する籠(かご)状の格子の中にメタン分子を取り込んだ固体結晶で燃える氷とも呼ばれる。 メタンハイドレート1m3から約165m3生成されるメタンは都市ガスの主成分として使われる無色・無臭のガスである。このメタンを主成分とする「天然ガス」は燃焼時の二酸化炭素の排出量が石油や石炭を燃焼させた時より少ないため環境に優しいクリーンなエネルギーと言われており、メタンハイドレートは次世代エネルギーとして期待されている。 https://oilgas-info.jogmec.go.jp/termlist/1001711/1001759.html(外部リンクに移動します) (注2)生産井 坑井の使用目的に基づいた分類の一つで、資源を汲み上げて採取する役割を持ったものを意味する語。本件では、メタンハイドレートの生産を目的に掘る坑井のことを示す。   論文情報 掲載誌: Journal of Natural Gas Science and Engineering 論文タイトル: Microbial-induced carbonate precipitation applicability with the methane hydrate-bearing layer microbe 著者名: Toshiro Hata、Alexandra Clarà Saracho、Stuart K. Haigh、Jun Yoneda、Koji Yamamoto DOI: https://doi.org/10.1016/j.jngse.2020.103490   特許情報 特許(日本):特許第6842765号(2021年3月取得) 特許(米国):Patent No.10914151(2021年2月取得) 報道発表資料(462.47 KB) 論文掲載ページ (Journal of Natural Gas Science and Engineeringに移動します) 広島大学研究者総覧 (畠 俊郎 教授)   【お問い合わせ先】 大学院先進理工系科学研究科 教授 畠 俊郎 Tel、Fax:082-424-7784 E-mail:thata*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)

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    2025.07.15
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    ナトリウムを利用したアンモニア合成法を開発 -プラチナなどの貴金属触媒を使用せず、安価なナトリウムのみで実現-

    本研究成果のポイント ナトリウムを利用した触媒およびケミカルルーピングプロセス(*1)によるアンモニア(*2)合成法を創出 常圧-1.0MPa(10気圧)程度の水素、窒素からアンモニアを合成可能 圧倒的な資源的優位性を有するナトリウムのみで構成される貴金属触媒(*3)フリーの技術を確立   概要 広島大学自然科学研究支援開発センター:宮岡裕樹教授、同大学スマートソサイエティ実践科学研究院:恒松紘喜(D2)、同大学大学院先進理工系科学研究科:市川貴之教授らの研究グループは、ナトリウムを触媒、あるいはケミカルルーピングプロセスの反応体として利用したアンモニア合成技術を開発した。この手法は、常圧-1.0 MPa(10気圧)程度の圧力下で水素と窒素からアンモニアを合成可能であり、かつ貴金属等の触媒を必要としないため、再生可能エネルギーの利用を目的とした元素戦略(*4)的に優位な小規模分散型のアンモニア合成手法(*5)としての展開が期待される。本研究成果は、Q1ジャーナルである国際科学誌「International Journal of Hydrogen Energy」に掲載されました。   背景 現在、脱炭素化、カーボンニュートラルに向けたさまざまな取り組みが世界的に進められている。太陽光や風力等の自然エネルギーをはじめとした再生可能エネルギーの利用拡大は重要な課題の一つである。これら変動的かつ偏在的なエネルギーを効率的に利用するための媒体(二次エネルギー)として水素が注目されているが、貯蔵や輸送時のコストが課題となっている。近年、化成品や肥料の原料として知られるアンモニア(NH3)は、上述した再生可能エネルギーを効率的かつ低コストに貯蔵・輸送するためのキャリア、或いはCO2フリーの燃料として注目を集めている。現在、NH3の合成には、約500 ℃、250気圧以上という高温高圧条件で行われるハーバー・ボッシュ法(*6)が用いられているが、連続運転により大量合成を行うことでメリットが得られる技術として確立されている。従って、偏在する自然エネルギーの利用を考えた場合、より低温低圧条件で制御可能な小規模分散型のNH3合成技術が望ましく、このような技術が確立されれば、再生可能エネルギーの変動吸収や需要に対する供給の調整といったことが可能となる(図1)。   NH3合成においては、安定な三重結合(*7)を有する窒素分子(N2)を原子状(N)に分離する窒素解離プロセスが重要であり、この窒素解離のために、1000 °C近い高温条件やプラズマ、遷移元素や希土類元素等の金属触媒を利用するのが一般的である。一方、我々の研究グループでは、リチウム(Li)やナトリウム(Na)に代表されるアルカリ金属の窒素解離能に注目し、それらの触媒能の評価や既存の触媒プロセスとは異なる多段階の化学反応でNH3合成を行うケミカルルーピングプロセスの研究開発を進めてきた。   研究成果の内容 本研究グループでは、LiH、Li合金、Na合金を用いたアンモニア合成技術を提案し、それらの研究開発を進めてきた。本研究では、水素化ナトリウム(NaH)(*8)を用いたNH3合成技術の検討を行った。 まず、水素(H2)と窒素(N2)の混合ガス気流中でNaHを400 ℃まで加熱しNH3合成特性を評価した。図2(右)に結果を示す。 375 ℃で最も高い反応率:約550 mmol/g hが得られ、この値は、先行研究におけるLiあるいはNa合金触媒のNH3合成速度:

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    2021.02.21
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    環境に優しい新規無機系構造色コーティング材

      目標・狙い 我々の暮らしを豊かにする様々なモノには多彩な着色がなされている。一般的にその着色に使われている塗料は有機色素を中心とした染料、あるいは無機顔料が用いられている。 しかし、有機染料は、熱や光エネルギーなどによって分解してしまうため、時間がたつと色褪せが起こり長期使用には耐えられない。また、無機顔料は、有機染料に比べて優れた耐候性を有している一方で、環境や人体に対し有害な元素を含むものが多いため毒性への懸念が高まっており、万能ではない。 また、今後、従来型の染料や顔料に含まれる物質への規制がますます強化されると考えられ、安全かつ退色しない色材の開発が急務となっている。 このような背景から、安全・サスティナブルな材料とプロセスで創る新規無機系色材の開発を目指す。   想定される市場・製品・産業分野 塗装が必要な製品を扱う企業   概要 アプローチ①アンモニアを用いない金属酸窒化物合成とその色材制御 金属産窒化物顔料は、毒性が懸念される重金属ではなく、チタンやタンタルなどの金属を用いることができるため、安心・安全な材料の一つとして注目されている。 しかし、その合成には毒性が非常に高いアンモニアガスを使うことが一般的であり、合成のスケールアップは容易ではなく、工業化の障壁となっている。 本アプローチでは、この従来のアンモニアガスを用いる手法に代わる安全な方法として、窒素源に尿素を用いる合成法を開発。尿素は毒性の懸念が低く、安価であることに加え、固体であるため、取り扱いが容易であり、汎用の電気炉での酸窒化物合成が可能となる。また、尿素の量を変えて酸窒化物中の酸素/窒素比を変化させることなどで、色度を調整することが可能である。 本研究の優位性 アンモニアの代わりに安全・安価な尿素を使用することで、汎用の電気炉での酸窒化物合成が可能 用いる尿素の量で酸窒化物の色調の制御が可能   アプローチ②電気泳動堆積法による構造色コーティング 構造発色性材料は染料や顔料とは全く異なるメカニズムで呈色するため、構造が壊れない限り、色褪せせず、汎用の安価かつ安全性の高い物質を用いて発色させることができる。 用いる材料は、主にガラスの主成分であるSiO2の球状粒子と炭素や四酸化三鉄などの黒色物質。粒子の集積構造で構造色が発現し、用いる粒子のサイズを変えることで容易に様々な色を生み出すことができる。 一方で、構造発色性材料のコーティング膜を形成する際、1)大面積や曲線の表面に均一なコーティングが困難であること、また2)耐久性が低い(すぐコーティングが落ちる)、といった問題があった。 これらの問題に対し、 1)自動車の塗装などに使われる電気泳動堆積法(図2)を用いる。この手法を用いることで、迅速に様々な基材にコーティング膜を形成することができる。また、フォークのような複雑な形状の表面にも均一にかつ簡単にコーティングすることができる(図3)。 2)電着法に工夫をし、粒子を泳動させて基材表面に堆積させるだけでなく、同時に接着剤の役割を果たす物質を電気化学的に析出させ、これで粒子同士や粒子と基材表面を接着させる方法を用いることで(図4)、その耐久性は飛躍的に改善。フォークにコーティングしたものを消しゴムに突き刺す試験でも、従来のものは膜が剥離し金属表面が露出してしまうのに対し、今回のものは剥離せず色を保つことができる。(図5)また、pHなどの電着条件を適切に調整することで、粒子の並び方を規則的な状態のものと、乱れた状態のものに作り分けることができます。つまり、オパールのように見る角度で色が変化するタイプのものと、見る角度で色が変わらないマットな印象のものに作り分けることができる(図6)。 本研究の優位性 粒子のサイズを変えるだけで様々な色を生み出せ、また、電着条件を適切に調整することで、構造色の角度依存性のありなしの作り分けが可能であるため、多様なカラーリングが実現できる。 複雑な形状の表面にも均一にかつ簡単にコーティングすることができる 耐久性の高い構造発色性材料のコーティングが可能である   論文 Inorg. Chem., DOI: 10.1021/acs.inorgchem.0c03758 (2021). ACS Appl. Mater. Interfaces, 12, 40768 (2020). Eur. J. Inorg. Chem., 2019, 1257 (2019). RSC Adv., 18, 10776 (2018). Inorg. Chem., 57, 13953 (2018). NPG Asia Mater., 9, e355 (2017). ほか   外部資金の獲得状況 科学研究費助成事業 基盤研究(B) (2020-2022). 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) (2019-2020) 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) (2018-2021) ほか   研究者からのメッセージ 構造発色性材料、複合アニオン化合物、有機-無機ハイブリッド材料などにご興味があれば、ぜひご連絡ください。   研究者 片桐清文(KATAGIRI KIYOFUMI) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授

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    2021.02.15
    • 環境エネルギー
    • 気候変動/エネルギー/GX
    塗布型有機薄膜太陽電池の材料開発

    目標・狙い 塗布型有機薄膜太陽電池は、半導体ポリマーをプラスチック基板に塗って薄膜化することで作製できるため、①製造コスト・輸送コストが低い、➁軽量建造物にも設置が可能、③垂直面・曲面にも張ることが可能である、といった特徴がある。その特徴を生かし、IoTセンサー、モバイル・ウェアラブル電源や窓、ビニールハウス向け電源など、現在普及している無機太陽電池では実現が難しい分野への応用を切り開く次世代太陽電池として注目されている。 しかし、その実用化にはエネルギー変換効率の向上が最重要課題であり、そのためには新しい半導体ポリマーの開発が不可欠である。 本研究では、塗布型有機薄膜太陽電池の効率化に向けた新しい半導体ポリマーの開発を目指す。   想定される市場・製品・産業分野 エネルギー分野 IoTセンサー 自動車 モバイル・ウェアラブル電源 ビニールハウス 建材   概要 ポリマーの結晶状態と分子配向を制御することで電荷輸送性を向上させた。 現在16~17%程度の発電効率を実現。2024年には20%実現を目指す。   本研究の優位性 高効率かつ高耐久性の有機薄膜太陽電池を実現 ➢85℃で1000時間加熱しても性能劣化無し。   特許 特願2017-159899など   論文 Adv. Energy Mater.,2020, 10, 1903278 ACS Appl. Mater. Interfaces, 2018, 10, 32420. J. Am. Chem. Soc.2016, 138, 10265. Nat. Commun.2015, 6, 10085. Nat. Photon.2015, 9, 403.など   研究者からのメッセージ 有機薄膜太陽電池や有機半導体にご興味があれば、ぜひご連絡ください。   研究者 尾坂格(OSAKA ITARU) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授

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    2025.09.04
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    アジアにおける温室効果ガス吸排出、及び気候変動の現状

    アピールポイント 地球温暖化が激化傾向、アジア・日本も例外ではない 化石燃料燃焼による温室効果ガス(GHG)の排出は、日本を含む先進国では減少傾向、だが、世界全体では増加傾向 パリ協定の達成目標に対する現状を知るにはGHGバジェットを推定することが必要 国内で唯一のGHGバジェット推定の専門家 アジア諸国のGHGバジェットを推定し、各国のパリ協定の達成目標に対し助言→有効的なGHGの削減へ   研究者のねらい GHGバジェット推定は、パリ協定批准した各国が独自の目標達成の現状把握ために必要。各国の背景や政情による違い理解した上で、主要なGHG排出のプロセスを把握し、削減策を考察する。特に、アジア圏の発展途上国では、化石燃料燃焼が主要はGHG排出ではない(土地利用変化や火災が主要なGHG排出の国もある)。GHGバジェット推定を精緻化すると共に、国別の推定を確立する。これらの推定を速やかに推し進め、GHG排出の増加に歯止めをかける。この活動を推進するためには、産官民の協力が必要。   研究内容 GHGバジェットとは:GHG(CO2、CH4、N2O)の吸排出に関わる個々のプロセスを足し合わせた収支量 対象地域のGHGバジェットは正味排出か、正味吸収か、またはニュートラルか 何がGHGバジェットの主要構成要素か→国によっては化石燃料燃焼以上に重要な排出源が存在する 主要な排出源を特定することにより、将来的な削減に貢献 科学的根拠にによる、パリ協定を超えた、GHG削減策を提示 図1:GHGバジェットの構成要素。何が重要なプロセスであるかは、国・地域によって異なる。また、現在把握できているプロセス以外にも隠れたプロセスが存在する可能性もあり、更なる推定の精緻化が必要。   関連情報 【論文】 Kondo M., et al. (2023) Autumn cooling paused the increased net CO2 release in central Eurasia, Nature Climate Change, 13, 334–337 Kondo M., et al. (2018) Land use change and El Niño-Southern Oscillation drive decadal carbon balance shifts in Southeast Asia, Nature Communications, 9, 1154   研究者 近藤雅征(KONDOMASAYUKI) 広島大学 IDEC国際連携機構 准教授   本研究シーズは、2025年9月フェニックスセミナーにて発表しました。

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    • 気候変動/エネルギー/GX
    2025.09.04
    • 環境エネルギー
    • 気候変動/エネルギー/GX
    太陽光発電の『価値分離』を通じたCO2フリー水素の低コスト化検討

    アピールポイント 化石燃料の代替として期待されるグリーン水素の製造コストを低減 太陽光発電と蓄電池、系統接続の組合せでエネルギーマネジメントを効率化 再エネ導入による電力系統への負荷を低減、太陽光発電の主力電源化にも有効   研究者のねらい 化石燃料からの燃料転換やカーボンリサイクルの原料として期待されるグリーン水素は、現状、再エネを利用した水電解法で製造されるが、製造コストの高さが課題である。本研究では、太陽光パネルによる発電を「高価値電力(安定かつ予測可能)」と「低価値電力(変動が大きく予測困難)」に分離し、前者を系統に売電、後者を水素製造に回し、さらに蓄電池活用による電解装置の容量低下および利用率向上を通じてグリーン水素の製造コスト低減モデルを提示する。なお、このモデルは、再エネ導入による電力系統への負荷を減らし、過大な投資を行うことなく太陽光発電の出力制限を緩和し、主力電源化も実現できる。   研究内容 1, 水素製造コストと電解装置の利用率との関係   2,『高価値電力』 と『低価値電力』 の分離および蓄電池による『低価値電力』 の平準化   3,水素製造シミュレーション 【前提条件】 (1)エネルギーマネジメント ①カットオフ以下は高価値電力として売電 ②カットオフ以上の電力がある場合、電解装置に優先的に供給、電解装置の容量以上の電力を蓄電池に入れ充電 ③電解装置がフル稼働できない場合には蓄電池から給電 (2)CAPEX容量 PV 1kW/EC 0.083kW/Battery 1.981kWh (3)電力価格とCAPEXコスト・耐用年数 高価値電力 \12/kWh/低価値電力 \7/kWh EC \50000/kW・10年Battery \10000/kWh・20年   関連情報 【論文】Egusa H, Ichikawa T: Value Division of Photovoltaic Power for Economically Reasonable Green Hydrogen Production. International Journal of Hydrogen Energy, 111: 385-392, 2025 【知財】なし   研究者 江種浩文(EGUSA HIROHUMI) 広島大学 A-ESG科学技術研究センター 客員准教授 市川貴之(Ichikawa Takayuki) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授   本研究シーズは、2025年9月フェニックスセミナーにて発表しました。

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    2025.09.04
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    アンモニアメタネーション

    アピールポイント 独自性:アンモニアを利用した,二酸化炭素からのメタン合成 ▶︎反応による発熱が小さく,熱暴走のリスクがない ▶︎アンモニアを水素キャリアとして輸入:国内の二酸化炭素を国内でメタンに変換 実用化に向けて:実燃焼ガスからの回収した二酸化炭素による実証試験が進行中(広島県カーボンリサイクル関連技術開発支援補助金)   研究者のねらい 研究目的:触媒開発,改良を行うことで高メタン収率を得る 研究概要:アンモニア分解触媒(ルテニウムやニッケル触媒)とメタン合成触媒(ニッケル触媒)を組み合わせたハイブリッド触媒の研究 社会実装のイメージ:広島ガスと共同で、同社顧客企業において、二酸化炭素の回収とアンモニアメタネーションを行うことを検討   研究内容 図1 圧力変化に対するアンモニアメタネーション 図2温度変化に対するアンモニアメタネーションRu/Al2O3(1 wt%)+Ni/CeO2(20 wt%) 図3 反応装置 図4 大規模プラントイメージ(多段断熱反応器)   関連情報 【論文】・・・H. Saima et al., J. Chem. Eng. Japan,https://doi.org/10.1080.00219592.2023.2248176 H. Saima et al., J. Japan Petroleum Inst., in Press 【知財】特許・・・(特開2024-147616)   研究者 砂本礼志 先進理工系科学研究科 エネルギー変換材料工学研究室D2(当時)   主指導教員宮岡 裕樹 教授   本研究シーズは、2025年9月フェニックスセミナーで発表されました。

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    • 半導体
    2025.09.04
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    有機半導体を用いた光触媒による太陽光水素製造に関する研究

    アピールポイント 有機薄膜太陽電池において高効率を示す独自開発の有機半導体材料をナノ粒子光触媒として応用し、太陽光による水素製造を可能にした。 本研究で開発した有機光触媒は、可視光全域を利用できるため、従来の無機系光触媒に比べて2倍以上の太陽光エネルギーを活用できる。   研究者のねらい 従来の無機光触媒は波長が600 nmまでの可視光領域しか利用できなかったが、本研究で開発する有機光触媒は可視光全域を利用できる。これにより、従来の光触媒よりも2倍以上の太陽光エネルギーを活用できるようになり、水素製造の高効率化に向けて大きなアドバンテージとなる。また、有機半導体は無機半導体に比べてはるかに高い吸光能を持つため、少量でも十分に太陽光を吸収できる。すなわち、有機光触媒による高効率水素生成技術は、材料削減による低コスト化にも優位性があり、総環境負荷の低減が期待できる。   研究内容   電流ー電圧特性   分光感度特性   モジュールへ展開(2 cm角 → 20 cm角)   有機光触媒へ展開(ナノ粒子化)   Cryo-TEM   反応機構   水素発生量   外部量子効率   関連情報 【論文】 Tsubasa Mikie, Tomokazu, Morioku, Shota Suruga, Momoka Hada, Yuki Sato, Hideo Ohkita, Itaru Osaka, Dithienonaphthobisthiadiazole synthesized by thienannulation of electron-deficient rings: an acceptor building unit for high-performance π-conjugated polymers, Chemical Science, 15: 19991–20001, 2024. 【知財】特願2019-159031、特願2021-132762、特願2022-34404 、特願2024-095535   研究者 三木江翼(MIKIE TSUBASA) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 助教

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    2025.09.04
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    グリーン懐疑主義が消費者のグリーン購買意図に与える影響:情報探索および罪悪感の役割

    アピールポイント グリーン懐疑主義は、消費者に自身の懐疑心を確かめるための情報探索を促し、購買意思決定を支える。 環境意識に反する消費行動への不安は罪悪感を招きやすく、その軽減策としてグリーン製品が選ばれることもある。 消費者の環境意識の高まりに対応し、持続可能な戦略の推進と明確な情報提供に努める必要がある。   研究者のねらい グリーン懐疑主義は、環境問題への関心と消費行動のギャップを説明しうる要因とされており、持続可能な消費への影響が探求されている。 本研究では、消費者の情報探索行動と予期される罪悪感に着目し、懐疑的態度が購買意欲を促進しうる可能性を実証的に検討する。 製品情報の発信がグリーン製品の販売促進に寄与し、企業の持続可能な発展に資することを示唆する。   研究内容 1,モデル 注記:グリーンウォッシングとは、企業が誇張的または曖昧な表現により、消費者に誤認を与える行為を指す。   グリーン懐疑主義・消費者の情報探索行動・予期される罪悪感   2,仮説検証 ① 情報探索行動は、懐疑的態度を裏付けたり打ち消したりすることで、購買判断の根拠となり得る。   ② 懐疑心と環境意識の対立は、罪悪感を引き起こし、グリーン製品の購入がその感情の緩和につながる可能性がある。   3,示唆   関連情報 【論文】The Influence of Green Skepticism on Consumers’ Green Purchase Intentions: The Roles of Information Seeking and Anticipated Guilt. To be presented at the APMAA 2025 Annual Conference, Shah Alam, Malaysia. 【知財】なし   研究者 周聖逸 大学院人間社会科学研究科 博士後期課程2年(当時)   指導教員徐恩之(ソウンジ)准教授

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    2025.09.04
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    グリーンウォッシング 尺度開発に関する研究

    グリーンウォッシング(greenwashing)発生 ▶︎環境配慮に関連した企業の宣言と実態が一致せず、消費者の誤解を招く現象 企業のサステナブル(SDGs)宣言→製品・サービスに予期しなかった事態が発生→Washだと非難され、企業ブランド価値低下発生   研究内容 【企業のグリーンウォッシングを数値化する】   greenwashing 語のテキストマイニング   質問票調査実施 尺度開発を通じて期待していること ①Greenwashingの診断表・保険開発   ②Greenwashing ガイドブック作成   研究計画 企業のグリーンウォッシングを抑制するための取り組み 社会に対する波及効果 ブランド成果と消費者・顧客への反応 環境経営への社員の知識レベルをアップする教育プログラムの開発   実用化に向けた課題 green経営に関する持続的な関心と投資が必要 多様な企業からのデータ収集が必要→尺度の信頼性アップ   最後に 協力依頼事項 greenwashing尺度の活用:保険開発以外にも、多様な製品・サービスへの活用可能性がある(例:クラウドファンディング) 環境経営に関わる社員の知識レベルをアップする教育プログラムの開発   研究者 徐恩之(SEO EUNJI) 広島大学 大学院人間社会科学研究科 准教授

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