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研究成果紹介

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    2022.12.27
    • 環境エネルギー
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    大気圧プラズマCVD法による分子ふるいシリカ膜の常温常圧製膜法

    背景・狙い 膜分離法は省エネルギーな分離技術であり、化学プロセスにおける高純度製品の生産や水処理、CO2分離などの環境分野におけるキーテクノロジーである。 シリカ膜は耐熱性や耐薬品性に優れ、従来の高分子膜が適用困難なプロセスにも適用可能な革新的な分離技術である。 従来のシリカ膜製膜プロセスは高温を必要とするため、材料が限定されて高コストであることやスループットが低いことが課題である。 製膜プロセスの常温常圧化は、製膜プロセスの連続化や大面積化に有利であるとともに、多様な材料とのハイブリッドによる分離機能の強化が期待できる。     研究の詳細 多孔性シリカ膜について 多孔性シリカ膜とは -シリカネットワークが造る微細孔構造によって分子をサイズの違いで分離する機能(分子ふるい)を有する。 -微細孔構造(細孔径や親和性)を制御することで多様な分離系に好適な分離性能を有する膜を作製することができる。 -耐熱性、耐酸化性、耐薬品性に優れる。   多孔性シリカ分離膜の一般的な構造 機械的強度を与える多孔質の支持体上に形成した中間層の上に分離膜を形成した非対称構造を有する。   多孔性シリカ分離膜の製造法 【従来法】化学気相蒸着(CVD)法 ・ ゾル-ゲル法 ➢ 機械的強度と高透過分離性を両立するために、一般的にシリカ膜は、多孔質の支持体の上に中間層を形成し、その上に分離機能を有するシリカ薄膜層を重ねた非対称構造となっている。 ➢ このシリカ薄膜層を形成する主要な方法として、CVD法やゾル-ゲル法が用いられてきたが、これらの製造プロセスは500~600℃程度の高温処理を伴うため、長時間の反応を必要とし、耐熱性の観点から使用できる支持体が高価なセラミック材料に限定されていた。 ➢ 低圧プラズマを用いるプラズマCVD法による製膜も提案されているが、真空排気系が必要で、連続化や大面積化に限界があった。   【新技術】大気圧プラズマCVD法(Atmospheric-Pressure Plasma-Enhanced CVD) ➢新たに非平衡大気圧プラズマを利用したCVD法を開発し、大気圧プラズマがつくる反応場を利用することで、バルク温度を室温近傍の低温に抑えたうえで、高い分離性を有するシリカ膜の製膜が可能となった。 ➢大気圧プラズマを用いることで、一般的な低圧プラズマとは異なり真空排気系を必要としない常温常圧での製膜が可能となり、連続処理や複雑形状への製膜が容易になった。 ➢大気圧プラズマ中の豊富な反応活性種を利用することで、従来法では長時間(数時間)を要したシリカ膜の製膜を数分レベルの超高速で行うことが可能となった。 大気圧プラズマCVDによるシリカ膜の製膜 (a) 製膜の様子,(b) 膜形成メカニズム,(c) 気体透過特性のCVD時間依存性     応用例  CO2分離膜 二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)あるいはメタン(CH4)との膜透過性(permeance)の違いを利用したガス分離が可能である。 300℃程度の熱処理により、ガス選択性のさらなる向上が可能になる。   本研究の優位性 シリカ膜の製膜に高温工程(500~600℃)を伴う従来のゾル-ゲル法や熱CVD法と比較して – 非平衡大気圧プラズマを用いることにより製膜温度の低温化が達成された。 – 低温化により有機材料とのハイブリッド膜など、更なる高機能膜の製造が可能になる。 – 大気圧プラズマCVD法では、常温常圧かつワンステップのドライプロセスでの製膜が可能になった結果、製膜工程が大幅に簡素化され、分子ふるいシリカ膜の製膜コストの大幅低減が可能になる。     期待される用途 水素分離や二酸化炭素分離をはじめとする各種ガス分離 チタニア等の各種セラミック膜の製膜への応用     実用化に向けての課題 現在、水素分離や二酸化炭素分離について実用レベルの透過選択性を達成可能な段階まで開発済であるが、実験室レベルの製膜のため、大面積化やモジュール化の点で検討が必要である。 今後、気体分離のみならず、浸透気化・蒸気透過や水系・非水系ろ過など、様々な分離系への応用に向けた試験を行う必要がある。 様々な分離系への応用に向けては、分離系に応じた細孔径の制御技術の確立も必要と思われる。     企業への期待 膜の大面積化やモジュール化に共同で取り組んでいただける企業、分離膜に限らずセラミック薄膜の常温常圧ドライ製膜に関心のある企業との共同研究を希望。 気体分離をはじめとする分子分離への展開を考えている企業には本技術の導入が有効と思われる。     本技術に関する知的財産権 発明の名称: 気体分離フィルタの製造方法 出願番号: 特願2016-14990 公開番号: 特開2017-131849 特許番号:特許6683365 出願人: 広島大学 発明者: 都留稔了,長澤寛規,金指正言     論文 Nagasawa, Y. Yamamoto, N. Tsuda, M. Kanezashi, T. Yoshioka, T. Tsuru, Atmospheric-pressure plasma-enhanced chemical vapor deposition of microporous silica membranes for gas separation, J. Membr. Sci., 524 (2017) 644-651. Nagasawa, T. Kagawa, T. Noborio, M. Kanezashi, A. Ogata, T. Tsuru, Ultrafast synthesis of silica-based molecular sieve membranes in dielectric barrier discharge at low temperature and atmospheric pressure, J. Am. Chem. Soc., 143 (2021) 35-40. Nagasawa, R. Yasunari, M. Kawasaki, M. Kanezashi, T. Tsuru, Facile low-temperature route toward the development of polymer-supported silica-based membranes for gas separation via atmospheric-pressure plasma-enhanced chemical vapor deposition, J. Membr. Sci., 638 (2021) 119709.   研究者からのメッセージ 大気圧プラズマCVD法は、種々の機能性薄膜を低温・高速かつ大面積に作製可能な技術であり、今後は、シリカ系分離膜に限らず、様々な分野の薄膜への応用を進めていきたいと考えています。   研究者 長澤寛規(NAGASAWA HIROKI) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 准教授

    • 環境エネルギー
    • 気候変動/エネルギー/GX
    • 素材
    2022.12.26
    • 環境エネルギー
    • 気候変動/エネルギー/GX
    • 素材
    シリカ系多孔質膜の開発と各種膜分離プロセスへの応用

    背景・狙い 高純度製品の生産、環境有害物質の除去といった分離操作は、化学工業において重要なプロセスである。 シリカ、ジルコニアなどの無機材料、および有機・無機ハイブリッド材料に着目し、製膜・評価技術の確立、透過・分離特性の検討を通じてあらゆる膜分離プロセスについて基礎から実用レベルの研究を行っている。 研究の詳細 膜分離法の種類 膜分離法の種類   シリカ系多孔質膜とは – 膜材料 シリカ、シリカ-ジルコニアなどの複合酸化物無機材料 有機材料と無機材料のハイブリッド – 特徴 100 nm程度の薄膜製膜が可能 製膜が容易、優れた耐熱性、耐溶媒性 細孔径のナノチューニングが可能 シリカ系多孔膜の特徴、想定される分離対象   シリカ系多孔膜の作製法ゾル-ゲル法 アルコキシシランを加水分解および架橋反応させて調製したゾルをナノレベルで制御し、多孔質の基材にコーティングして薄膜を形成する製膜法である。 薄膜製膜により高透過を図り、分離系に応じて精密に制御した細孔径により分離性をコントロールする。 ゾルゲル法による多孔質シリカ膜の作製法   ゾル-ゲル法によるネットワーク構造制御技術(分子ふるい制御) Si前駆体の選定、製膜条件(焼成温度、雰囲気) カチオン、アニオンドープ セラミック複合酸化物(Y-SiO2-ZrO2、carbon-SiO2-ZrO2) ゾル-ゲル法によるネットワーク構造制御技術(分子ふるい制御)   ゾル-ゲル法によるネットワーク構造制御技術(吸着性制御) ゾルーゲル法によるネットワーク構造制御技術(吸着性制御)   応用例 1.メタン水蒸気改質への水素分離膜の応用 ● 水蒸気改質の反応場に型反応器を組み込み、生成ガスから水素のみを分離して系外に抽出した。 ● 系外への水素の選択的分離により平衡反応率を超える反応率となった。 メタン水蒸気改質への水素分離膜の応用   2. オルガノシリカ膜による水素/有機ハイドライド分離 ● Si-R-Siを有する前駆体を用いることで、従来のシリカ膜よりもルースな細孔構造を有する分離膜を開発。有機ハイドライド脱水素反応における水素分離への応用が可能。 オルガノシリカ膜のH2の透過特性 3.プロピレン/プロパン分離へのFドープシリカ(F-SiO2)膜の応用 ●Fドープによりプロピレンが透過可能なルースな構造に変化し,細孔構造が均一化することで,近接混合物のプロピレンとプロパン分離で選択性が大きく向上した。   4.地球温暖化ガス(二酸化炭素)分離回収 ●CO2と親和性を有する有機官能基をハイブリッドすることで、CO2分離(燃焼排ガス、バイオガス)に応用可能な分離膜を開発した。 アミン系Si前駆体とのハイブリッドによるCO2透過性制御 6.Carbon-SiO2-ZrO2膜によるアルコール脱水(浸透気化法) ●セラミック複合酸化物であるSiO2-ZrO2を形成する際の有機キレートを所定の条件で炭化されることで,耐水性に優れた高い分離性能を有するアルコール脱水膜を開発した。 Carbon-SiO2-ZO2膜によるアルコール脱水(浸透気化) 6.Carbon-SiO2-ZrO2膜によるメタノール分離(浸透気化法) ●セラミック複合酸化物であるSiO2-ZrO2を形成する際の有機キレートの種類を制御することで、細孔径を脱水膜よりもルースに制御可能で、様々なメタノール分離系への応用が可能であることを明らかにした。 Carcon-SiO2-ZrO2膜によるメタノール分離(浸透気化)   7.有機溶媒逆浸透による超省エネ分離 ●従来型蒸留法は最小仕事の1000倍以上のエネルギーが必要である。逆浸透法を用いることにより従来型と比較して1/10~1/100のエネルギーで分離が可能となるが、高圧に耐えられる膜が必要となる。 ●オルガノシリカによる逆浸透膜を開発し、無機膜のため超高圧操作で省エネルギーな有機溶媒分離を達成した。 ●蒸留代替による省エネルギーの実現により、持続可能な化学プロセスに貢献可能である。 有機溶媒逆浸透による超省エネ分離   本研究の優位性 金属性の水素分離膜と比べて - 酸性ガスによる劣化やコーキングがない - 高い透過流束が得られる - 細孔径のチューニングが可能である   高分子膜と比べて - 耐熱性や耐有機溶剤性に優れる   期待される用途 ガス分離:希ガス、水素、アンモニア、酸素、二酸化炭素、炭化水素(エチレン/エタン、プロパン/プロピレン、ブタン/ブテン)など 浸透気化分離:各種アルコール水溶液の脱水、有機酸(酢酸など)の脱水、有機物/有機混合物(アルカン/芳香族) 逆浸透・ナノ濾過:有機溶媒系濾過、高温・高圧での濾過、非水溶液有機溶媒RO(メタノール/トルエンなど)   実用化に向けての課題 実ガスや実液を用いた分離性評価、長期安定性評価など 実用化に向けて、水素モジュール化の技術も既に確立(1mの長尺モジュールも製造可能)   企業への期待 セラミック製造技術を持つ企業との共同研究 燃料電池メーカーやガス製造等各種化学プロセス・環境プロセス関連企業との分離膜応用に向けた共同研究     本技術に関する知的財産権 発明の名称: 逆浸透膜フィルタ 出願番号: 特願2012-112239 公開番号: 特開2012-254449 特許番号: 特許第5900959号 出願人: 広島大学 発明者:都留稔了,吉岡朋久,金指正言     発明の名称: 分離フィルタの製造方法 出願番号: 特願2014-220030 公開番号: 特開2015-110218 特許番号: 特許第6474583号 出願人: 広島大学 発明者: 都留稔了,王金輝,金指正言,吉岡朋久     発明の名称: 分離膜及びその製造方法 出願番号: 特願2015-090801 公開番号: 特開2016-203125 特許番号: 特許第6548215号 出願人: 広島大学 発明者: 金指正言,都留稔了     発明の名称: 水蒸気を含有する混合ガス用気体分離フィルタ及びその製造方法 出願番号: 特願2015-109949 公開番号: 特開2016-221453 特許番号: 特許第671169号 出願人: 広島大学 発明者: 任秀秀,金指正言,都留稔了     発明の名称: 物質量測定方法、細孔径分布導出方法、物質量測定装置及び細孔径分布導出装置 出願番号: 特願2016-014990 公開番号: 特開2017-191073 特許番号: 特許第6842686号 出願人: 広島大学 発明者: 都留稔了,長澤寛規,金指正言     論文 1.M. Kanezashi, Y. Yoneda, H. Nagasawa, K. Yamamoto, J. Ohshita, T. Tsuru: Gas permeation properties for organosilica membranes with different Si/C ratios and evaluation of microporous structures. AIChE J. 63: 4491-4498, 2017.   2.M. Kanezashi, T. Matsutani, H. Nagasawa, T. Tsuru: Fluorine-induced microporous silica membranes: Dramatic improvement in hydrothermal stability and pore size controllability for highly permeable propylene/propane separation. J. Membr. Sci., 549: 111-119, 2018.   3.M. Guo, M. Kanezashi, H. Nagasawa, L. Yu, J. Ohshita, T. Tsuru: Amino-decorated organosilica membranes for highly permeable CO2 capture. J. Membr. Sci., 611: 118328 (p.1-10), 2020.   4.M. Kanezashi, N. Hataoka, R. Ikram, H. Nagasawa, T. Tsuru: Hydrothermal stability of fluorine-induced microporous silica membranes: effect of steam treatment conditions. AIChE J., 67: e17292 (p.1-11), 2021.   5.M. Takenaka, H. Nagasawa, T. Tsuru, M. Kanezashi: Hydrocarbon permeation properties through microporous fluorine-doped organosilica membranes with controlled pore sizes. J. Membr. Sci., 619: 118787 (p.1-10), 2021.   6.S. Lawal, M. Kanezashi: A brief overview of the microstructural engineering of inorganic–organic composite membranes derived from organic chelating ligands. Membranes, 13: 390 (p.1-34), 2023.   7. X. Niu, N. Moriyama, H. Nagasawa, T. Tsuru, M. Kanezashi: Hydrothermally robust carbon-silica-zirconia ceramic membranes for efficient pervaporation dehydration. J. Membr. Sci., 730: 124197 (p.1-13), 2025.   8. X. Niu, M. Kanezashi: Microstructure engineering of silica-derived membranes and their applications in molecular separation. Bull. Chem. Soc. Jpn, 98: uoaf030 (p.1-24), 2025.   研究者からのメッセージ 地球レベルでの環境負荷が問題となる現在では、持続可能な社会を構築するためにどのような貢献ができるかが重要です。膜分離工学は、化学や医薬などすべての工業プロセスで重要な役割を果たし、水処理、H2、CO2分離のような環境問題の解決においてもキーテクノロジーとなるため、Sustainable Development Goals(SDGs)への貢献が大きい技術です。当研究室では、シリカ、ジルコニアなどの無機材料、および有機・無機ハイブリッド材料に着目し、製膜・評価技術の確立、透過・分離特性の検討を通じてあらゆる膜分離プロセスについて基礎から実用レベルの研究を行っています。

    • デジタル/AI
    2022.11.11
    • デジタル/AI
    メカトロニクス制御技術と動力学シミュレーション技術

    研究の概要 【研究者によるシーズ紹介動画】   1.人間と協働するロボット制御技術 【事例】 応答が穏やかな目標値追従制御技術「プロクシベースト・スライディングモード制御(PSMC)」 ロボットの位置決め制御などに利用できる安全な目標追従制御技術です。 通常動作時の正確な位置制御性能は損なわずに、異常発生時に滑らかでオーバーシュートを起こさない緩やかな動作を実現します。 ロボットの位置制御だけでなく、他の様々な制御(接触力、空気圧、液圧、電圧、電流など)にも使える可能性があります。   2.リアルタイム/インタラクティブシミュレーション技術 【事例】極端な変形下でも計算を続行できる変形シミュレーション技術 通常のシミュレーション技術では、極端な変形が起こると、ソフトウェアのエラーが起こったり、計算が発散してあり得ない挙動が起こったりしてしまうことが多々あります。 この変形シミュレーション技術では、要素がつぶれて裏返るような極端な変形下においても計算を続行できます。 ゴム・スポンジ・生体組成など変形が激しい部材のシミュレーションに応用できる可能性があります。   想定される市場・製品・産業分野 産業用ロボット・メカトロニクス制御 CAE ゲーム・動画作成   特許 特開2020-113214:制御装置 特許第6934173号:力制御装置、力制御方法及び力制御プログラム 特許第6032811号:アドミッタンス制御を用いた力制御装置および位置制御装置   論文 Kikuuwe: “Dynamics Modeling of Gear Transmissions with Asymmetric Load-Dependent Friction,” Mechanism and Machine Theory, vol.179, p.105116, 2023. Kikuuwe, T. Okada, H. Yoshihara, T. Doi, T. Nanjo and K. Yamashita: “A Nonsmooth Quasi-Static Modeling Approach for Hydraulic Actuators,” Transactions of ASME: Journal of Dynamic Systems, Measurement, and Control, vol.143, no.12, p.121002, 2021. Kikuuwe: “A Brush-Type Tire Model with Nonsmooth Representation,” Mathematical Problems in Engineering, Vol.2019, Article 9747605, 2019 Kikuuwe: “Torque-Bounded Admittance Control Realized by a Set-Valued Algebraic Feedback,” IEEE Transactions on Robotics, Vol.35, No.5, pp.1136-1149, 2019. Kikuuwe: “A Time-Integration Method for Stable Simulation of Extremely Deformable Hyperelastic Objects,” The Visual Computer, Vol.33, No.10, pp.1335-1346, 2017. Kikuuwe, K. Kanaoka, T. Kumon and M. Yamamoto: “Phase-Lead Stabilization of Force-Projecting Master-Slave Systems with a New Sliding Mode Filter,” IEEE Transactions on Control Systems Technology, Vol.23, No.6, pp.2182-2194, 2015.   研究者からのメッセージ 産業界での困りごとの情報は、我々の研究によって貴重なヒントになります。メカトロニクス制御、シミュレーション等で困りごとがありましたら、まずはご相談ください。 共同研究、共同開発、コンサルティングなど、様々な形態での協業が可能です。 下記の情報もご覧ください。 ホームページ:https://home.hiroshima-u.ac.jp/kikuuwe/index_j.html YouTubeチャンネル: https://www.youtube.com/kikuuwe/ 研究成果に関するスライド:https://speakerdeck.com/kikuuwe/   研究者 菊植亮(KIKUUWE RYO) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授

    • 環境エネルギー
    2022.10.13
    • 環境エネルギー
    バイオマス燃焼灰有効活用のための分級プロセスの開発

    背景 FIT制度導入により、木質バイオマスの発電量は増加する一方、発電の際に生じる燃焼灰の処分費は発電売上に対して約8%課せられており、採算性が非常に悪い。 木質燃料(建築廃材は含まない)を使用しているボイラー発電施設から排出された燃焼灰の中で、有効利用可能なものは産業廃棄物とみなされないため、燃焼灰の有効利用は循環型社会の構築のために必要不可欠である。   研究内容 1.  燃焼灰の結晶構造を分析 ボイラー灰、サイクロン灰、バグフィルター灰のマスバランスとカリウム割合を分析。その結果、粒子径の小さいバグフィルター灰のカリウム濃度が高く、燃焼灰のカリウム濃度は粒子径に依存していた。 燃焼灰の結晶構造を解析した結果、燃焼灰は肥料として有効なKCl、CaCO3、K2CO3を含んでいた。   2.燃焼灰の肥料としての有効性検討 カリウム濃度の高い燃焼灰を採取するため、非常に粒子径の小さい燃焼灰が得られる分級システムを設計。実証試験において、カリウム濃度35~40%の燃焼灰を回収することに成功した。 分級技術により、選択的に微細な燃焼灰を得ることで、燃焼灰のカリウム成分を濃縮可能とした。   燃焼灰は重金属(Pb、Cr、Hg)を含んでおり、Pb、Hgは分級することで一緒に濃縮されてしまう可能性があるが、化成肥料の公定規格に対して十分低いため、肥料として使用可能である。 採取した燃焼灰の成分を溶出試験したところ、燃焼灰のカリウムは水溶性とク溶性の両方を示しており、肥料として有効である。   3.アドオン型プラントによるカリウム濃縮実証 従来の設備を活用したアドオン型プラントを作成して実証実験を行った。   その結果、燃焼灰のカリウム成分の濃縮を連続的に実現することに成功した。   本研究の優位性 従来のプラントに分級プロセスを追設することにより、カリウム成分を濃縮した燃焼灰を採取することが可能である。 燃料となる木質バイオマスや、採集した燃焼灰に、特別な処置を施す必要がない。 1/4を輸入に頼っているKCl肥料の国内供給化へ繋がる。   想定される市場・産業分野 バイオマスを燃焼、ガス化して発電や化学製品を生産している企業 バイオマスを利用したボイラーや設備を扱っている企業 肥料業界   企業への期待 工場規模での実効性が確認できており、様々なバイオマス発電設備に適用できる可能性があります。 燃焼灰処分費用の削減とSDGsへの貢献を同時に達成できる本技術を検討頂けると光栄です。   論文 – Utilization of woody biomass combustion fly ash as a filler in the glue used for  (2018) – plywood production, ADVANCED POWDER TECHNOLOGY, 31巻, 11号, pp. 4482-4490 (2020) – Existence Form of Potassium Components in Woody Biomass Combustion Ashes and Estimation Method of Its Enrichment Degree, ENERGY & FUELS, 32巻, 1号, pp. 517-524 (2018) – Utilization of incineration fly ash from biomass power plants for zeolite synthesis from coal fly ash by microwave hydrothermal treatment, ADVANCED POWDER TECHNOLOGY, 29巻, 3号, pp. 450-456 (2018) – Morphology of woody biomass combustion ash and enrichment of potassium components by particle size classification, FUEL PROCESSING TECHNOLOGY, 156巻, pp. 1-8 (2017)     研究者からのメッセージ 紹介した肥料への再資源化以外にも、合板製造用充填材、土壌改良用ゼオライトへの再資源化法についても研究しています。   研究者 福井国博(Fukui Kunihiro) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授

    • 半導体
    • 素材
    2022.08.09
    • 半導体
    • 素材
    究極の微小不揮発性メモリ素子

    背景 不揮発性メモリには微細化・高密度化の物理的限界値(約1Tbit/inchi2)が存在するとされている。 各国の国家プロジェクトが、熱アシスト法など新たな技術によりその限界突破を図り、目標記録密度約5~10Tbit/inchi2を目指している。   本研究の優位性 単一分子で分極ヒステリシス(メモリ効果)を示す究極の微小誘電材料の開発に世界で初めて成功。 メモリ材料として用いればHDDの記録密度を1000倍向上させる新たな強誘電メモリ素子の開発に成功。   概要 籠型形状分子のプレイスラー型ポリオキソメタレートに着目した。分子内部の中心から外れた上下2箇所にイオン安定サイトを有しており、そのどちらか1箇所に1つの陽イオンが包接されている(占有率は上下ともに50%)。 イオン(Mn+)がどちらかの安定サイトに停止すると、分子分極が生じる。エネルギー障壁”U”に対して十分に低い温度域では   イオンが移動できず、電場を印加することでイオンの移動を強制的に誘起できる。 籠型分子は一分子であり、室温下で分極ヒステリシスや自発分極を示す。この分子を「単分子誘電体」と名付けた。 上記性質により、イオン(Mn+)の位置によって1と0の情報を表現する仕組みである。 室温以上(<350K)で分極ヒステリシスを示すことから、早い段階での実用化が期待できる。 本系は単一分子で分極の履歴現象を示すことから, 新たな形態でのメモリ材料開発が可能となる。(例・ポリマーに分散させた状態など)     期待される用途 超高密度不揮発性メモリ(記録密度理論値:1Pbit/inchi2) 焦電性を利用した熱センサーや単分子アクチュエータなど   企業への期待 半導体・電子部品メーカー 電気機器メーカー 材料メーカー   本技術に関する知的財産権 発明の名称 :分子性金属酸化物クラスター、分子性金属酸化物クラスター結晶、分子性金属酸化物クラスター結晶凝集体、分子メモリ、結晶メモリ及び分子性金属酸化物クラスターへの分子分極形成方法 – 特許番号 : 第6650138号 – 出願人 : 広島大学 – 発明者 : 西原禎文、加藤智佐都、井上克也   発明の名称 :マルチフェロイック材料及びそれを用いたメモリ – 特許番号 : 第6723602号 – 出願人 : 広島大学 – 発明者 : 西原禎文、丸山莉央、加藤智佐都、井上克也   発明の名称 : 電界効果トランジスタ及びメモリ装置 – 出願番号 : 2019-118917 – 出願人 : 広島大学 – 発明者 : 西原禎文、早瀬友葉、藤林将、井上克也     論文 “Giant Hysteretic Single-Molecule Electric Polarisation Switching Above Room Temperature”, C. Kato, R. Machida, R. Maruyama, R. Tsunashima, X. –M. Ren, M. Kurmoo, K. Inoue, S. Nishihara, Angew. Chem. Int. Ed., 57(41), 13429-13432 (2018). Angew. Chem., 57(41), 13429-13432 (2018) “Welcome to the single-molecule electret device”, S. Nishihara, Nature Nanotechnol., 15, 966-967 (2020).   外部資金の獲得状況 科研費(基盤研究(B)) ・科研費(挑戦的研究(開拓)) ・JST, さきがけ ・JST,START ・JST,A-STEP   研究者からのメッセージ 「単分子誘電体」は、基礎研究から生まれた真に新しい物性材料であり、現在、社会実装に向けて取り組んでいます。この次世代単分子誘電体メモリにご興味があれば、ぜひご連絡ください。   研究者 西原禎文(NISHIHARA SADAFUMI) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授

    • 医療/ヘルスケア
    2022.07.13
    • 医療/ヘルスケア
    目的の遺伝子を自在に改変するゲノム編集技術

    概要 発生生物学が専門の山本教授は、ウニの研究を行う際、胚の中の遺伝子の働きを光の強さで見ることができれば、正確にその遺伝子の働きが分かると考えた。そうした融合的な研究を進めるためには、光る遺伝子を狙ったところに入れる必要があり、ゲノム編集が必要不可欠であった。 山本教授の研究室では、いち早くゲノム編集技術を導入。他の研究グループは企業から購入する形での導入であったのに対し、2008年から人工DNA切断酵素 第一世代と呼ばれる「ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)」の作製システムを立ち上げ、2010年には最初の論文を発表。 以来、同研究グループでは、ウニの研究を続ける一方で、ゲノム編集技術そのものの研究にも挑み続け、さまざまな独自技術の開発に成功。発表された研究成果は主に次のようなものである(以下はごく一部。カッコ内は発表時期)。 高効率なゲノム編集ツール「プラチナTALEN」の開発とその作成システムの開発に成功(2013年11月) ゲノム編集技術を用いた簡便な遺伝子挿入法「PITCh法」を開発(2015年12月) ゲノム編集技術を改良し、狙い通りの改変結果が得られる確率を高める新技術「LoADシステム」を開発(2018年8月) ゲノム編集技術を応用し、遺伝子を高度に活性化する新技術「TREEシステム」を開発(2018年10月)   詳しい研究内容は、下記リンクをご覧ください。 広島大学大学院 統合生命科学研究科 教員インタビューのページへ進みます。 研究を語る | 分子遺伝学研究室山本卓教授 (hiroshima-u.ac.jp)   本研究に興味のある方は、お問い合わせください。   研究者 山本卓(Yamamoto Takashi) 広島大学 ゲノム編集イノベーションセンター 教授

    • 環境エネルギー
    • 自然共生/ネイチャーポジティブ
    • バイオエコノミー
    2022.06.27
    • 環境エネルギー
    • 自然共生/ネイチャーポジティブ
    • バイオエコノミー
    シンプル酵素触媒による効率的な有用物質変換

    背景 従来の微生物細胞による物質生産は、宿主とする微生物を生かしながら行うため、基質・原料が宿主細胞の代謝にも使われ、様々な代謝物質が副産物として生成される。 原料が副産物の生成にも使用されるため、目的の物質が低収率となる。 不要な副産物生成抑制のために、細胞代謝を改変して最適化する手法がとられるが、これには多大な時間と手間を要す。     概要 10~20℃で生育可能な低温菌を宿主として、中温菌の酵素を発現させ、化学品生成経路を構築する。この細胞を中温(40~50℃)で熱処理し、低温菌の代謝酵素を失活させる。これにより、中温菌由来の酵素のみによる物質生産が可能になる。 また、熱処理により低温菌細胞が部分的に壊れるため、膜透過性が向上し、原料・基質が細胞内に自由に入ることができ、界面活性剤等の薬品処理が不要になる。   本研究の優位性 既に実用化されているAspergillus属細菌や、大腸菌を用いた微生物変換法に比べて、不要な副産物の生成がなく、収率が高い。 副産物生成抑制のため、従来必要であった細胞代謝の改変が不要となり、多大な時間と手間を省くことができる。 基質の膜透過性向上のため、従来必要であった界面活性剤等の薬剤処理が不要となる。 中温加熱処理のみで高い生産性と収率が得られる「シンプル酵素触媒」であり、有用物質生産のコスト削減が期待される。     期待される用途 ➢応用例1:3-HPA(ヒドロキシプロピオンアルデヒド)の生成 3-HPAはグリセロールから変換されるアルデヒドであり、アクリル酸の原料として利用される有用化学品である。 廃グリセロールは有用な資源であるにも関わらず活用されていないため、グリセロールを使用して物質変換の検討を行った。 細胞を培養・回収・洗浄、熱処理後(45℃・15min)、3-HPAの収率を調査。ほぼ100%の割合で3-HPAに変換できた。 ➢応用例2:1,3-PD(プロパンジオール)の生成 1,3-PDは抗菌性を併せ持つ保湿剤として効果があり、化粧品等に利用されている有用化学品である。 応用例1の3-HPA生成系後半にDhaTを導入することにより1,3-PDを生成。 DhaTは還元力を必要とするため、補酵素NADHの添加が必要となるが、FDH(ギ酸デヒドロゲナーゼ)も発現させた細胞を構築することにより、NADH無添加で1,3-PDの生成が可能となり、収率5%で生成した。   ➢応用例3:アスパラギン酸の生成 アスパルテームの原料でC4基幹化学品であるアスパラギン酸を、フマル酸から生産した。 宿主の代謝酵素による競合反応を熱処理で抑制することにより、副産物のリンゴ酸生成が低下し、収率が向上した。 細胞をアルギン酸ナトリウムで固定化することにより、繰り返し利用が可能になり、95%以上の変換効率を9回維持できた。   ➢応用例4:イタコン酸の効率的生産 C5基幹物質のイタコン酸は、コンタクトレンズやニトリル製品などのポリマー素材として有用な化合物である。 従来のAspergillus terrusによる生成方法は、合成経路が代謝系と競合すること、合成酵素が異なるオルガネラに分かれていることが課題となっていた。 Shewanella属細菌にアコニターゼ(coli)、cis-アコニット酸脱炭素酵素(Aspergillus terrus)を発現させて培養、回収、洗浄、熱処理後(45℃、15min)、クエン酸を導入、高収率でイタコン酸を生成できた。 高収率でイタコン酸を生成し(左のグラフ)、(洗浄操作)を与えなければ、触媒を繰り返し利用して、5回の変換が可能(右のグラフ)である。 実用化に向けての課題 今後、触媒の安定的利用に関する検討を進めたい。     企業への期待 酵素機能を最大限発揮可能な本触媒による、物質変換プロセスの実用化を目指す企業との共同研究を希望する。     本技術に関する知的財産権 発明の名称 :低温菌を用いたイタコン酸の製造方法 出願番号 :特願2018-124796 出願人 :国立大学法人広島大学 発明者 :田島誉久、加藤純一、羅宮臨風     論文 田島 誉久,緋田 安希子,加藤 純一:低温菌シンプル酵素触媒による効率的な物質変換,Journal of Environmental Biotechnology, 21(1), 9-16, 2021(環境バイオテクノロジー学会誌21巻1号)doi: 10.50963/jenvbio.21.1_9 Mojarrad, T. Tajima, A. Hida, J. Kato: Psychrophile-based simple biocatalysts for effective coproduction of 3-hydroxypropionic acid and 1,3-propanediol, Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 85(3), 728-738 (2021) doi: 10.1093/bbb/zbaa081 Mojarrad, K. Hirai, K. Fuki, T. Tajima, A. Hida, J. Kato: Efficient production of 1,3-propanediol by psychrophile-based simple biocatalysts in Shewanella livingstonensis Ac10 and Shewanella frigidimarina DSM 12253, Journal of Biotechnology, 323, 293-301 (2020) doi: 10.1016/j.jbiotec.2020.09.007 Luo, M. Fujino, S. Nakano, A. Hida, T. Tajima, J. Kato: Accelerating itaconic acid production by increasing membrane permeability of whole-cell biocatalyst based on a psychrophilic bacterium Shewanella livingstonensis Ac10, Journal of Biotechnology, 312, 56-62 (2020) doi:10.1016/j.jbiotec.2020.03.003 Tajima, K. Tomita, H. Miyahara, K. Watanabe, T. Aki, Y. Okamura, Y. Matsumura, Y. Nakashimada, J. Kato: Efficient conversion of mannitol derived from brown seaweed to fructose for fermentation with a thraustochytrid, Journal of Bioscience and Bioengineering, 125(2), 180-184 (2018) doi:10.1016/j.jbiosc.2017.09.002 Tajima, M. Hamada, Y. Nakashimada, J. Kato: Efficient aspartic acid production by a psychrophile-based simple biocatalyst, Journal of Industrial Microbiology & Biotechnology, 42(10) 1319-1324, (2015) doi:10.1007/s10295-015-1669-7 Tajima, K. Fuki, N. Kataoka, D. Kudou, Y. Nakashimada, J. Kato: Construction of a simple biocatalyst using psychrophilic bacterial cells and its application for efficient 3-hydroxypropionaldehyde production from glycerol, AMB Express, 3(1), 69 (2013) doi: 10.1186/2191-0855-3-69     研究者からのメッセージ 本技術は多種多様な酵素の効率的変換を細胞から酵素を抽出せずに容易に実現できるものであり、バイオ変換の生産性向上に有望と考えています。本触媒にご興味がございましたら是非ご連絡ください。     研究者 田島誉久(TAJIMA TAKAHISA) 広島大学 大学院統合生命科学研究科 准教授

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    2022.02.08
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    亜リン酸を用いる遺伝子組換え体の実用的封じ込め

    亜リン酸を用いて遺伝子組換え体を封じ込める実用的手法​ ​ 技術の説明​ 生物の必須栄養素であるリンの代謝系を遺伝的に改変し、亜リン酸という天然には存在しない化合物がないと生存できなくなる性質を創り出す技術を開発した。​ これにより、遺伝子組換え微生物利用の安全性を大きく高め、培養プロセスの経済性向上、開放系利用など新たな可能性を切り拓く有用微生物株の実用化に貢献できる。​   優位性​ 従来の生物学的封じ込め手法は、効果が弱いか、あるいは高い効果を得るためには非常に複雑な手法や高価な化合物が必要であった。​ 本手法はシンプルであり、大腸菌をはじめとするバクテリアに広く適用可能である。また、培養のコストもかからず、実用向きである。​   亜リン酸​ 3価のリンを有する​ 通常の生物は利用できない​ 環境中には有効な濃度で存在しない​   封じ込め株は亜リン酸がないと死滅​   想定される用途​ 1、微生物を用いたバイオプロセス全般。​ 2、遺伝子組換えによる新たな有用菌株に対して、本手法適用によりGILSP(特殊な培養条件下以外では増殖が制限されること、病原性がないこと等のため、最小限の拡散防止措置を執ることにより使用できる遺伝子組換え微生物)の認定取得。​ 3、さらに封じ込め効果を高めることで、将来的には開放系での利用に展開できる可能性がある。​ ➢微細藻類のオープンポンド培養​ ➢プロバイオティクス・医療用途​ ➢生物を用いた土壌や地下水等の汚染の修復等​   本技術に関する知的財産権 発明の名称: 形質転換体、形質転換体の製造方法、および、 当該形質転換体を用いた還元型リン化合物の有無の検出方法 出願番号:特願2016-170317 出願人:広島大学 発明者:廣田隆一、黒田章夫   発明の名称: 亜リン酸デヒドロゲナーゼタンパク質の製造方法及びその利用 出願番号:特許5892621 出願人:広島大学 発明者:黒田章夫、廣田隆一   発明の名称: 亜リン酸デヒドロゲナーゼタンパク質の製造方法及びその利用 出願番号:US特許9273290B2 出願人:広島大学 発明者:黒田章夫、廣田隆一   実用化に向けた課題​ 株の作製について 現在のところ大腸菌のみで実証済。シアノバクテリアにおける実証を進めている。​ 亜リン酸輸送体の機能的発現が重要。Htx輸送体は、グラム陰性のバクテリア以外では、機能しない可能性がある。多くの生物に適合性を高める必要がある。​ 遺伝子破壊系が確立している必要がある。簡便な作製原理を検討中。​   株の利用について 現時点では「遺伝子組換え生物等の第二種使用等」の拡散防止措置が必要。​ 安全評価試験をクリアし、安全性の高さが認められれば、確認申請や拡散防止措置の緩和などが適用される可能性がある。→装置、廃棄プロセスの簡素化が可能になる。​ 人為起源の亜リン酸(農業資材、工業廃棄物)に留意する必要がある。​ ​ ​   企業への期待​ 実用スケールにおける有効性の実証(微細藻類を希望)​ 封じ込め株の安全性評価の共同試験(大腸菌、微細藻類)​   研究者 廣田 隆一​(RYUICHI HIROTA) 広島大学​ 大学院統合生命科学研究科​ 教授 ​

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    2022.01.20
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    難溶性リン可溶化細菌の植物種子・根圏定着能の改良

    研究の背景 肥料の三要素の一つであるリン肥料資源は、全量輸入に依存する戦略資源のため、肥料価格の高騰を招く。 リン肥料は、土壌中でリン酸カルシウムのような難溶性リン等になる。多くの植物はリン酸カルシウムを上手に利用できず、リン利用効率は低くなるため、難溶性リンの利用性を高めることが出来れば、リン減肥栽培やリン肥料資源の節約に繋がる。 リン酸カルシウムを可溶化する難溶性リン可溶化細菌や、病害を防除する拮抗細菌といった植物の生育に有益な細菌「植物生育促進細菌」が有効だが、植物種子・根圏に定着せず、有効に機能しない。(共生関係を築かない。) 細菌が定着しなければ、その効果は発揮されない。 概要 植物生育促進細菌の実用化のため、植物の種子・根圏での細菌の定着能の向上かつ一定の細菌数を維持すべく、細菌の※バイオフィルム形成に着目した。   ※バイオフィルム 細菌が生産・放出する粘性多糖類に細菌自身が取り込まれた膜状構造物。 例)台所のヌメリ、川底の石など   難溶性リン可溶化細菌の遺伝的改良 1.難溶性リン(リン酸カルシウム)可溶化細菌を単離して検定し、リン酸カルシウム可溶化能が高い細菌X株を特定。 2.細菌X株を遺伝的に改良して、バイオフィルム形成能が高くなった細菌株を選抜。 3.選抜された株によるバイオフィルム形成能を評価した結果、MT-5株のバイオフィルム形成量が最も多かった。   バイオフィルム形成能が高くなった改良型細菌株(MT-5)とイネ種子を24時間共培養して、その後激しく洗浄し、付着細菌数の変化を2度に渡り調査した。 その結果、MT-5株ではイネ種子での定着能が向上した。   本研究の優位性 植物生育促進細菌など有効な細菌を、その細菌の植物との共生能に関わらず、様々な植物種に定着させることができるようになり、持続的な生育促進効果が期待できる。 種子コーティング技術との組み合わせにより、さらなる効果アップが期待される。     想定される用途 土壌に蓄積された難溶性リンの可溶化を促進することが期待されるため、減肥栽培に利用。(肥料コスト削減) 低リン土壌における作物栽培。 植物種子・根圏での定着能の改良技術は、他の非共生型の植物生育促進細菌(拮抗細菌、植物ホルモン産生細菌など)にも応用可能。     実用化に向けての課題 難溶性リン可溶化細菌の植物の種子・根圏での定着能の向上については開発済みだが、定着能のさらなる改良は継続して実施する。 どのような植物種や土壌で最も効果的なのか、使用条件の最適化が必要となる。 種子表面に難溶性リン可溶化細菌をコーティングして普及させたいので、最適なコーティング方法の検討をする。     企業への期待 以下の技術を保有あるいは開発・改良を行う企業との共同研究を希望。 優れた種子コーティング技術 減肥に有効な資材の開発 非共生型の植物生育促進細菌(拮抗細菌など)の植物種子・根圏定着能の改良     本技術に関する知的財産権 発明の名称   :新規微生物及びその作成方法 出願番号  :特願2018-505856(特許第6952349号) 出願人:広島大学 発明者:上田晃弘     論文 植物生育促進細菌の実用化に向けた試み 上田晃弘、大戸貴裕、近藤もも、大村尚 土と微生物 73: 5-9. (2019)   Identification of the genes controlling biofilm formation in the plantcommensal Pseudomonas protegens Pf-5 Ueda A, Ogasawara S, Horiuchi K Archives of Microbiology 202: 2453-2459 (2020)     研究者からのメッセージ 持続的な農作物生産には肥料資源をかしこく使う必要があります。 微生物の力を使って、土壌中に蓄積された未利用の肥料資源を有効に活用するための研究を行っています。     研究者 上田晃弘(UEDA AKIHIRO) 広島大学 大学院統合生命科学研究科 教授

    • デジタル/AI
    2022.01.12
    • デジタル/AI
    工作機械やロボットの㎛オーダーでの精度測定・制御技術

    狙い 機械加工の精度がだんだん変化していき、あるとき許容値を満たさなくなる、といったことはないでしょうか?工作機械の精度は、熱変形や、経年変化が原因で、変わっていきます。精度を長い期間にわたって保証するための精度の計測法・制御法について研究しています。 また、産業用ロボットの「絶対的」位置決め精度は、工作機械に比べ数10~数100倍悪いというのが一般的です。これまで産業用ロボットは、人間が手動でロボットを動かし、その動作を覚えさせる「ティーチング」でプログラムされるのが一般的でした。しかし、ロボットの用途をさらに広げるには、ロボットの動作をコンピュータでプログラムすることが必要不可欠です。このとき、ロボットの作業の成否は、ロボット自身の精度が決めることになり、近い将来に、ロボットにも高い精度が求められるようになるのは、確実と考えます。 我々の新しい誤差補正技術により、ロボットの精度を可動領域全体で保証することで、ロボットの応用をさらに広げられると考えています。 研究内容 金属等を加工して機械部品などを生み出す「工作機械」は、三次元空間を自由に動きます。この軌跡の精度が,加工精度を決定しますが,運動軌跡を直接にマイクロメーター オーダーの精度で3次元計測する技術は,今のところありません。そのための新しい計測技術を研究しています。 産業用ロボットについては、我々の新しい誤差補正技術により、ロボットの精度を可動領域全体で保証することで、ロボットで行うことがこれまで難しかった、新しいアプリケーションを広げるための研究を、産学連携で進めています。その代表例は、ロボットを使った切削と、タッチプローブやレーザスキャナを使った計測です。   <事例> 1.工作機械の誤差原因を診断するための加工試験法 2.工作機械の運動精度の測定と誤差原因の診断 3.産業用ロボットの位置決め精度と補正方法 4.ロボットを使った切削・計測   各技術の詳細は以下の動画をご参照ください。             アピールポイント 工作機械の精度を何年にもわたって保証する技術 機械の運動をマイクロメートルオーダーの精度で測定、制御する独自技術 産業用ロボットの「絶対的」位置決め精度を保証する技術     想定される市場・製品・産業分野 工作機械やロボットのメーカー 工作機械やロボットのユーザー     特許 特許第6147022号,工作機械の空間精度測定方法および空間精度測定装置 特許第6803043号,工作機械の幾何誤差測定方法 特許第7161753号,ロボットの運動精度測定方法及び位置補正方法 特許第7641000号,ロボットの制御装置及び制御方法     論文 Tianhao Cui, Soichi Ibaraki, “Calibration of rotary axis angular positioning deviations in a six-axis robotic manipulator by using the R-Test,” International Journal of Advanced Manufacturing Technology, 134(7-8), pg. 3845-3862, Oct. 2024. S. Ibaraki, K. Masamine, M. Hamamura, O. Takahara, “Influence of rotary axis angular positioning error motions on robotic probing,” CIRP Annals, July 2024. Shota Onishi, Soichi Ibaraki, Masashi Yamaguchi, Takao Sugimoto, “A self-calibration scheme for two-dimensional free-form probing measurement under the assumption of rigid-body machine kinematic model,” Measurement, 222, 113586, Nov. 2023 Soichi Ibaraki, Nikolas Alexander Theissen, Andreas Archenti, Md. Moktadir Alam, “Evaluation of Kinematic and Compliance Calibration of Serial Articulated Industrial Manipulators,” International Journal of Automation Technology, 15(5), pp. 567-580, Sep. 2021 Md. Moktadir Alam, Soichi Ibaraki, Koki Fukuda, “Kinematic Modeling of Six-Axis Industrial Robot and its Parameter Identification: A Tutorial,” International Journal of Automation Technology, 15(5), pp. 599-610, Sep. 2021   その他の論文は、研究室ホームページをご参照ください。   研究者からのメッセージ 3次元空間を自由に動く機械の運動を、3次元測定するための技術と、数学モデルと数値最適化の手法を使って誤差原因診断や制御を行うことを得意としています。 工作機械やロボットのメーカと共に、ユーザとも多くの共同研究の実績があります。機械の精度に関して課題があれば、ぜひ情報交換させてください。       研究者HP https://mecdes.hiroshima-u.ac.jp/ https://mecdes.hiroshima-u.ac.jp/~ibaraki.h0523/   研究者 茨木創一(IBARAKI SOICHI) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授

    • 食料/農林水産業
    • 自然共生/ネイチャーポジティブ
    2022.01.05
    • 食料/農林水産業
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    環境に優しいうどん粉病の防除薬

    目標・狙い カビ菌により引き起こされるうどん粉病は、ほとんどの植物に発生する可能性があり、予防と対策が必要となる。 従来の化学農薬は農作物の病原菌への防除には有効であるが、環境中での残留性、生態系への影響、農薬耐性等が懸念されている。 そこで、光フェントン反応や光増感反応により、OHラジカル、一重項酸素、スーパーオキシドなどの活性酸素を発生させ、その高い酸化力を利用して、病害治療や防除に役立てることを目的とする。     概要 過酸化水素水に鉄を添加した光フェントン試薬は、数ppmの低濃度でも太陽光のもとで活性酸素のOHラジカルを持続的に生成する能力があることが解っている。活性酸素の強力な酸化力によりうどん粉病を防除する方法を考案した。 過酸化水素水(H2O2)が一定の濃度以上でOHラジカルが発生するサイクルが生まれる。   OHラジカルの他に、ローズベンガルなどの色素や、カテキンなどのポリフェノールといった光増感剤から、一重項酸素(¹O2)やスーパーオキシド(O2-)などの活性酸素を光化学的に発生可能なことが解っており、これらについても同等の効果が期待され、その利用について同様な検討を行っている。     研究事例 実際にイチゴおよびキュウリうどん粉病を対象に、自然太陽光下での光フェントン試薬の最適な処理条件や、効率的施用法等を見出し、うどん粉病の防除に有効であることを検証した。   イチゴうどん粉病への光フェントン反応の適用 試薬1と2の発病率に関しては統計的に有意な差は認められなかったが、試薬3と対照区との間には有意差が認められたため、OH生成速度が高い試薬では発病率低下が確認された。     きゅうりうどん粉病への光フェントン反応の適用   シュウ酸鉄錯体を用いた試薬(光フェントン試薬MIX3)は薬害がほとんど確認されず、うどん粉病の予防および治癒・抑制効果も高かった。     本研究の優位性 OHラジカル、一重項酸素(¹O2)、スーパーオキシド(O2-)などの活性酸素は病原菌防除に従来の化学農薬並みの効果が期待される。 光フェントン試薬は溶液反応のため植物表面に過酸化水素水や鉄が付着してしまうが、一定濃度以下であれば安全である。 ローズベンガルやカテキンなどの試薬は化学農薬に比べ安価であり、気層中で発生するため、発生した活性酸素のみを直接植物表面に暴露でき、より安全である。 太陽光や微生物により容易に分解されるので環境中での残留性が低く、安全性が高い。     期待される用途 イチゴやキュウリうどん粉病などの植物病害防除。 光フェントン試薬への光照射により発生する活性酸素を用い、空気中の悪臭物質の分解やウイルスなどの殺菌が可能であり、無臭化や滅菌などの空気清浄化技術への応用。 微量のスーパーオキシドは生体のSOD活性を高めるため、スーパーオキシドを付加した酸素ガス吸入装置など医療分野への応用。     企業への期待 農薬の研究開発の技術を持つ、企業との共同研究を希望。 ¹O2 、O2-によるうどん粉病防除技術については試験段階であり、企業との共同研究により実用化が達成可能。 空気清浄化技術を開発中の企業、農業や医療分野への展開を考えている企業には、本技術の導入が有効と思われる。     本技術に関する知的財産権 発明の名称:きゅうりうどん粉病の防除薬及び防除方法 特許番号:特許第5963143号 出願番号:特願2012-245366 出願人:国立大学法人広島大学 発明者:佐久川  弘、ナヒド  ハサン     論文 Protective and curative effects of foliar-spray Fenton solutions against cucumber (Cucumis sativus, L.) powdery mildew. Sakugawa, H., Hasan, N., Oguntimehin, I., Belal, E., J. Environ. Sci. Health, Part A, 47, 1909–1918 (2012)     研究者からのメッセージ OHラジカルがカビに有効なのに対して、一重項酸素はウイルスを撃退するのに有効です。そのため新型コロナウイルスの流行を受けて、広島県内の企業と共同で一重項酸素を発生させる空気清浄機の開発を進めています。将来的には農業用に転用して、活性酸素噴霧器としてウイルス性の病害の防除に利用できると期待しています。   研究者 佐久川弘(SAKUGWAWHIROSHI) 広島大学 大学院統合生命科学研究科 客員教授

    • 素材
    2022.01.04
    • 素材
    蛍光フィルムによる芳香族ニトロ化合物の簡単・リアルタイムセンシング

    研究の背景 有害性・危険性の高いケースが多いニトロ芳香族化合物を検知することは、安全衛生面での需要が大きく、重要な課題である。例えば、工業的に重要なアニリンは、ニトロベンゼンの還元によって製造されるが、製造環境大気中のニトロベンゼンを大量のアニリン存在下で検知することが求められている。 一般に、検出には、ガスクロマトグラフや質量分析計の利用が主流だが、正確で再現性が高い反面、高価な分析装置やガス採取も含め分析に時間と専門技術が必要で断続的な測定しかできないという課題があった。   本技術の優位性 特殊な装置を必要とせず簡便な「その場観察」が可能 固体状態で高い蛍光量子収率を示すのでコントラストが大きく、微量検出が可能 可逆的な反応のため、繰り返して連続的な検出が可能 溶液、気相のいずれにも対応可能 高温でも安定な材料   技術概要 固体状態でも良好な発光特性を示す元素ブロックであるゲルマニウム架橋したビチオフェン(DTG)に関する研究を実施したところ、その過程で、DTGの環状ゲルモキサン誘導体(cDTGOSi)のニトロ芳香族化合物のセンシング特性を確認した(Organometallics 2015, 34, 5609)。   多孔性材料BTESEゲルにDTGO基本骨格をハイブリッドしたフィルムを作成することで、1分程度で蛍光発光性を顕著に低下させることに成功した。   この反応は可逆的で、繰り返し安定性を確認。継続的な検出が可能である。   また、ニトロベンゼン以外のニトロ芳香族化合物にも広く適用可能である。さらに、各ニトロ芳香化合物の蛍光の消化率が異なることから、種々のニトロ芳香族化合物を同時に検知することも可能である。   このセンシング技術は特殊な機器が不要で簡便なセンシングが可能。   想定される用途 アニリン製造工程における、大過剰のアニリン存在下でのニトロベンゼンの検知 作業環境の維持や爆発性物質の検知   特許 発明の名称:ニトロ化合物検出用化合物、ニトロ化合物検出用化合物の製造方法及びニトロ化合物の検出方法 出願番号:特願2016-099730 出願人:国立大学法人広島大学 発明者:大下浄治、ほか2名     論文 M. Nakamura, K. Shigeoka, Y. Adachi, Y. Ooyama, S. Watase, J. Ohshita; Preparation of Dithienogermole-containing Polysilsesquioxane Films for Sensing Nitroaromatics; Chem. Lett., 2017, 46, 438-441. doi: 10.1246/cl.161119     企業への期待 実用化に向けた試験(選択性向上、低濃度領域での機能評価)や実証試験の場を提供いただける企業との共同研究を希望。     研究者からのメッセージ この技術は、有機―無機ハイブリッド材料であるポリシルセスキオキサンに独自の蛍光性ユニットを導入したものです。ポリシルセスキオキサンは、耐熱性と機械的特性に優れたロバストな材料の基本骨格としてとして期待されています。     研究者 大下浄治(Ohshita Joji) 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 教授

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