アジアにおける温室効果ガス吸排出、及び気候変動の現状

Current Status of Greenhouse Gas Sources and Sinks and Climate Change in Asia

アピールポイント

  • 地球温暖化が激化傾向、アジア・日本も例外ではない
  • 化石燃料燃焼による温室効果ガス(GHG)の排出は、日本を含む先進国では減少傾向、だが、世界全体では増加傾向
  • パリ協定の達成目標に対する現状を知るにはGHGバジェットを推定することが必要
  • 国内で唯一のGHGバジェット推定の専門家
  • アジア諸国のGHGバジェットを推定し、各国のパリ協定の達成目標に対し助言→有効的なGHGの削減へ

 
研究者のねらい
GHGバジェット推定は、パリ協定批准した各国が独自の目標達成の現状把握ために必要。各国の背景や政情による違い理解した上で、主要なGHG排出のプロセスを把握し、削減策を考察する。特に、アジア圏の発展途上国では、化石燃料燃焼が主要はGHG排出ではない(土地利用変化や火災が主要なGHG排出の国もある)。GHGバジェット推定を精緻化すると共に、国別の推定を確立する。これらの推定を速やかに推し進め、GHG排出の増加に歯止めをかける。この活動を推進するためには、産官民の協力が必要。

 
研究内容
GHGバジェットとは:GHG(CO2、CH4、N2O)の吸排出に関わる個々のプロセスを足し合わせた収支量

  • 対象地域のGHGバジェットは正味排出か、正味吸収か、またはニュートラルか
  • 何がGHGバジェットの主要構成要素か → 国によっては化石燃料燃焼以上に重要な排出源が存在する
  • 主要な排出源を特定することにより、将来的な削減に貢献
  • 科学的根拠にによる、パリ協定を超えた、GHG削減策を提示

図1:GHGバジェットの構成要素。何が重要なプロセスであるかは、国・地域によって異なる。また、現在把握できているプロセス以外にも隠れたプロセスが存在する可能性もあり、更なる推定の精緻化が必要。

 
関連情報
【論文】
Kondo M., et al. (2023) Autumn cooling paused the increased net CO2 release in central Eurasia, Nature Climate Change, 13, 334–337
Kondo M., et al. (2018) Land use change and El Niño-Southern Oscillation drive decadal carbon balance shifts in Southeast Asia, Nature Communications, 9, 1154

 
研究者
近藤 雅征(KONDO MASAYUKI)
広島大学
IDEC国際連携機構
准教授

 
本研究シーズは、2025年9月フェニックスセミナーにて発表しました。