未培養微生物を資源化する革新的培養技術
この研究成果は2025年10月23日に、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)主催で開催されました新技術説明会に出展しました。
新技術の概要 本技術は、ゲルマイクロドロップレットを活用し、難培養微生物の資源化する革新的スクリーニング手法である。具体的には、難培養微生物を可培養化する新規培養技術と、10⁸個という膨大なサンプル数から目的活性を有する微生物を評価・選別する、ハイスループットスクリーニング手法を組み合わせることで実現する。
従来技術・競合技術との比較 従来の分離培養技術では環境微生物のうち1%程度しか培養できないが、本手法では50%という微生物学の常識を覆す割合の微生物が可培養化される。また、従来のドロップレット培養技術では、培養菌体の活性や機能評価は極めて困難であったが、本技術では、多様な機能を対象に評価することを可能にする。
新技術の特徴
- 10⁸個という極めて多数の独立した培養系の機能評価が可能
- 新規酵素、化合物変換活性、特定物質生産活性、抗菌活性、特定遺伝子阻害活性など多様な評価に対応可能
- 従来法では培養できない未培養・難培養微生物も評価・利用可能
想定される用途
- 未培養・難培養微生物の資源化(創薬資源)
- 未培養・難培養微生物の資源化(農業・食品・化学分野)
- 変異株ライブラリーを用いた超高速スクリーニング




難培養微生物の可培養化
ドロップレット技術を活用した新規分離培養手法の開発
ー GMD凝集培養(微生物間相互作用を促進)
難培養微生物の資源化
ドロップレット技術を活用した新規スクリーニング手法の開発
ー 難培養微生物の可培養化と機能・活性ベースのスクリーニングを同時に実現







革新的なハイスループットスクリーニング手法の開発















実用化に向けた今後の課題
- 目的の機能を有する新規微生物を獲得する
- 多様な機能を検出可能なスクリーニング系の構築
- 実用的なターゲットで方法論の有効性を実証する
- 難培養微生物を可培養化(従来アクセスできなかった微生物を利用可能)
- 超ハイスループット(108株を短時間で機能評価することが可能)
- 多様な機能(抗菌、酵素活性など)を指標とした探索に適用可能
- 環境微生物、変異株ライブラリーなど、様々な生物種に適用可能

本技術の創出に寄与した外部資金科研費
- 基盤研究(B)25K01934
- 新学術領域研究 (研究領域提案型)22H04887
- 新学術領域研究 (研究領域提案型) 20H05587
- 基盤研究(B)19H02873
- 若手研究(A)26709063
NEDO
NEDO カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発
財団
内藤記念科学振興財団 研究助成
シオノギ感染症研究振興財団 研究助成
本技術に関する知的財産権
- 発明の名称: 微生物の分離培養方法及び擬集体含有溶液
- 出願番号: 特願願2015-196882(特許第6785465)
- 出願人: 広島大学
- 発明者: 青井議輝、高木雄貴、大橋晶良
- 発明の名称: スクリーニング方法および溶液
- 出願番号: 特願2023-139257(PCT/JP2024/010423)
- 出願人: 広島大学
- 発明者: 青井議輝、下村有美、新山海
研究者青井議輝
広島大学
大学院統合生命科学研究科
准教授