プライバシーを守る次世代AIの実践と応用

Practical Implementation and Applications of Privacy-Preserving Next-Generation AI

アピールポイント

  • 個人情報を外部に出さずに、企業内データを用いたAI活用を可能にする
  • 医療・金融など、データ共有が難しい現場における分析・予測業務への応用を想定
  • セキュリティやコンプライアンス面の負担を抑え、AI導入の実務的ハードルを低減
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研究者のねらい
企業や組織がそれぞれ保有するデータを活用し、複数主体が協力してAIモデルを構築するニーズが高まっている。一方で、個人情報や機密情報の取扱いが課題となり、データ共有が現実的でない場面も少なくない。本研究では、データを外部に出さずにAIを活用できる仕組みに着目し、こうした制約下での実用的なAI利用を検討する。金融分野での不正取引自動検知や医療分野での診断支援といったケースを想定し、企業や組織が既存の業務環境の中で段階的にAIを導入できる社会実装を目指す。

 
研究内容
1. 連合学習により、プライバシーを保護しながら医療データを分析

患者データは共有せず、モデル更新情報のみを用いて協調的に診断支援モデルを構築

 

データ集中型学習と比較して近い性能が得られることを確認した

 

複数機関による協調学習は、単一機関による学習と比較して性能向上に寄与することが示された

 
2. 差分プライバシーによるプライバシー保護の強化
統計的ノイズを付加することで、個人情報の推定リスクを低減し、プライバシー保護を実現する。


 
↓連合学習との組み合わせ
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モデル更新情報を通じた個人情報の推定リスクを低減し、プライバシー保護をさらに強化することが可能
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3. 秘密計算による安全なデータ利活用

秘密計算を活用することで、元データを一切開示することなく、データの結合・分析が可能となる、とされている。

 
関連情報
【論文】Z. Lian et al., “Privacy-Enhanced Federated WiFi Sensing for Health Monitoring in Internet of Things,” in IEEE Internet of Things Journal, vol. 12, no. 3, pp. 2994-3002, 1 Feb.1, 2025.

【知財】なし

 
研究者
連 卓涛 LIAN ZHUOTAO
広島大学
大学院先進理工系科学研究科
助教