信頼性工学 × 生成AI: Nバージョンプログラミングを再考する
アピールポイント
- 高コストなNバージョンプログラミング(N-version programming, NVP)を、生成AIにより現実的な手法として再構築
- NVPの本質を保ったまま、開発・運用コストを大幅に削減
- 高信頼性が求められるソフトウェア分野への応用が期待される
研究者のねらい
NVPは、ソフトウェアの信頼性を高める有効な手法として知られており、実際に飛行制御などの安全最優先システムでも採用されてきた。一方で、複数人による独立開発が前提となるため、開発・運用コストが非常に高く、一般的なソフトウェア開発への適用は限定的であった。本研究は、この「有効だが使いにくい」NVPに着目し、生成AIを活用することでNVPの本質的な考え方を保ったまま,低コストで実現可能な形へと再構成することを目的とし、NVPをより広いソフトウェア分野でも現実的に活用できる道を探る。
研究内容
① 課題:NVPは有効だが、使える場面が限られている
・NVPは、飛行制御などの安全最優先システムで実績のある信頼性向上手法
・ただし、人手による多重開発は非常に高コスト
・そのため、一部の重要システムにしか使えない
→ 良い技術だが、誰でも使える技術ではなかった
② 着眼点:NVPの「本質」を保つ
・NVPの本質は、複数の独立した実装による相互チェック
・この考え方自体は、今も有効
③ 提案:生成AIを用いた低コスト化
・生成AIを活用し、同一仕様から複数の実装を生成
・生成条件やモデル設定を調整し、実装の多様性を確保
・人手による多重開発を、生成AIによって代替
→ NVPの思想を維持したまま、コストを大幅に削減
④ 効果:NVPの再現実化
・複数結果を統合(多数決)することで、誤りリスクを低減
・高コストだったNVPを、より身近なソフトウェアへ

N-version programming, NVP
関連情報
【論文】Zheng J, Okamura H, Dohi T: Can Generative AI Enhance the Effectiveness of N-Version Programming? SFPVV 2025, LNCS 16356, pp. 1-16, 2026.
【知財】なし
研究者
鄭 俊俊 ZHENG JUNJUN
広島大学
大学院先進理工系科学研究科
准教授