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病原性微生物と関連アレルギー疾患から守られる街づくり

研究テーマ

  • 全微生物種データを利用した微生物健全性指標の開発
  • エアロゾルの物理化学測定と浮遊微生物の特性解明
  • 住まい・住まい方の違いによる物理環境と微生物群集の関係の解明

研究内容

目標・狙い

我々の周りには、さまざまな微生物が存在しています。その中には病原性の微生物も含まれています。この病原性微生物と、その微生物に由来する感染症やアレルギー疾患から守られる街づくりを目指し研究を行います。

 

研究概要

  • ● 住環境とヒトの健康は密接に関連しています。
  • ● これまで、住環境とヒトの健康それぞれについては研究が行われてきましたが、この二つを結ぶ微生物がどのように作用するのかについては、ほぼ考慮されていませんでした。
  • ● CHOBE(未來共生建造環境センター)では、環境微生物学・環境分析化学・建築学といった多彩な研究者が集い、住環境と微生物の関係に着目し、最新計測技術を駆使した微生物・浮遊物質の動態、人の行動様式から住宅設計までを統合的に把握し、安全・安心な住環境構築策を提案します。
  • ● そのために、微生物群集の種類・分布・伝播と、物理的要因(住宅の材質・設計・空調の方法)や生活行動様式(動物・植物との共生、靴の着脱、等)との関係の解明及び住環境健全性評価のための評価指標の確立を目指して研究を進めています。

 

本研究が目指す社会実装の形

  • ① 病原性微生物から守られる生活行動様式の提案
    • – 空調関連設備を変更する、換気率、掃除頻度を変える、植物を置く、ペットを飼う、 絨毯を敷く、靴のまま上がる
  • ② 微生物と共生する住空間デザイン
    • – 断熱性・気密性を変える、開口部の大きさを変える(採光量、通風量、温湿度、気流を変える)、建築素材を替える周辺環境へアクチュエーション
  • ③ ホームプロバイオティクス
    • – 病原性微生物と排除関係を持つ細菌種を用いたスプレー、洗剤・掃除用品

想定される市場・製品・産業分野

  • ● 住宅・建材メーカー
  • ● 空調メーカー
  • ● ホームケア商品を扱う企業

 

アピールポイント

  • ● 微生物群集に着目した住環境とヒトの健康の関係性の解明と新規住宅設計にチャレンジしている研究は他にはない。
  • ● 3Dプリンター、DNAを大量に読む次世代シーケンサー等様々な最新基材が揃っている。
  •  (https://mge.hiroshima-u.ac.jp/introduction/labo/
  • ● オンサイト微生物群集解析システムスーツケースラボによりいつでもどこでも、迅速な微生物の解析が可能。
  •    

 

研究体制

  • ● 下記の学内メンバーに加えて、本学外(広島工業大学、京都大学、酪農学園大学、京都精華大学)や、本学大学院先進理工系科学研究科建築学プログラムと連携、推進しています。

 

論文

  • ● Fujiyoshi S,…, Maruyama F. Suitcase Lab: new, portable, and deployable equipment for rapid detection of specific harmful algae in Chilean coastal waters. Environ Sci Pollut Res Int. 2021 Mar;28(11):14144-14155. doi: 10.1007/s11356-020-11567-5.
  • ● Ruiz-Gil T,…, Maruyama F, Jorquera MA. Airborne bacterial communities of outdoor environments and their associated influencing factors. Environ Int. 2020 Dec;145:106156. doi: 10.1016/j.envint.2020.106156.
  • ● Tanaka D,…, Maruyama F,…, Nakamura S. Size resolved characteristics of urban and suburban bacterial bioaerosols in Japan as assessed by 16S rRNA amplicon sequencing. Sci Rep. 2020 Jul 22;10(1):12406. doi: 10.1038/s41598-020-68933-z.
  • ● Tanaka D,…, Maruyama F,…, Nakamura S. Airborne Microbial Communities at High-Altitude and Suburban Sites in Toyama, Japan Suggest a New Perspective for Bioprospecting. Front Bioeng Biotechnol. 2019 Feb 5;7:12. doi: 10.3389/fbioe.2019.00012.
  • ● Fujiyoshi S,…, Maruyama F. Transmission of Airborne Bacteria across Built Environments and Its Measurement Standards: A Review. Front Microbiol. 2017 Nov 29;8:2336. doi: 10.3389/fmicb.2017.02336.
  • ● Nishiuchi Y,…, Maruyama F. Infection Sources of a Common Non-tuberculous Mycobacterial Pathogen, Mycobacterium avium Complex. Front Med (Lausanne). 2017 Mar 7;4:27. doi: 10.3389/fmed.2017.00027.

 

研究者からのメッセージ

  • ● 本プロジェクトの遂行には、多くの異なる専門性を有する基礎・応用研究者の協力が不可欠であり、さらには、大学(アカデミア)だけではなく、産官に加えて、民をも巻き込む、産官学民の連携が求められます。コロナウイルス感染症の蔓延により、新しい生活が求められる状況下において、本研究で得られる成果は、新たな行動様式、衛生常識、建物設計の創出へと繋がります。

 

 

上述の内容に関心のある方は、以下の窓口にお問い合わせください。

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丸山 史人

Fumito Maruyama

広島大学
学術・社会連携室 教授

国際基督教大学教養学部卒業、大阪大学大学院薬学研究科修了。博士(薬学)。
東京工業大学助教、東京医科歯科大学准教授、京都大学准教授を経て、2019年より広島大学学術・社会連携室教授。
現在、微生物が微生物同士や共生宿主、環境とどのように相互作用して生息しているかのメカニズムの解明を実験・ビックデータ解析の両面から取り組み、産学官連携で、成果の社会実装に努めています。特に、住空間の病原微生物ゲノム動態、養殖場の病原微生物・抗生物質耐性、気候変動と微生物(感染症)との関係に注目しています。これらの課題に対し下記のアプローチと哲学で研究を進めています。
(1)大量塩基配列データ解析、バイオインフォマティクスを通じた、環境中の微生物群集(マイクロバイオーム)動態解析
(2)微生物間相互作用解析、ホロビオーム解析を通じた異常・正常状態の定義
(3)比較(メタ)ゲノム・エピゲノム解析による細菌進化と多様性
(4)環境(大気、氷河、砂漠等)からの有用微生物探索(バイオプロスペクティング)