温室効果ガスの問題と国際的な取り組み状況
- ・2015年12月のCOP21において、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を世界的に減らし、世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前に対し気温上昇を2℃以内に抑制するとともに、1.5℃以内への抑制努力を継続することが決議されました。
- ・日本においても2020年11月22日のG20サミットで、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする事を国際的に公約し、2021年4月22日の気候変動サミットで、2030年に向けた温室効果ガスの削減目標を、2013年度に比べて46%削減する目標を公表しています。
- ・温室効果ガスのうち、最大の人為的な排出物が二酸化炭素であり、この二酸化炭素を削減するためには、化石燃料の燃焼に伴い発生する二酸化炭素の大気排出を抑制しなければなりません。
- ・そのためには単一の技術的なプロセスのみならず、いくつもの解決策を組み合わせたプロセスや多くの並行した技術手段による解決が必要になるとともに、経済や社会活動、個々人のライフスタイルの面でも変革が必要になると考えられています。
広島大学カーボンリサイクルに対する取り組み
- ・このような社会要請に対し組織的な対応体制として、2021年2月1日に広島大学 カーボンリサイクル実装プロジェクト研究センターを設立しました。
- ・この研究センターには機械、化学、電力、生物などの多くの研究者が所属し、単独の研究者では解決が困難な社会課題に対し、多くの専門知識を結集し連携することで、様々な課題解決手段の提案を進めています。
- ・今後は同時に理工学分野の専門家のみならず、人文社会系分野の研究者も参集し分野横断的な研究力による、人類社会に対する変革的な課題解決手段の提案を目指します。
カーボンリサイクル実装プロジェクト研究センターの研究事例
- ・二酸化炭素の捕捉技術の研究
- ・二酸化炭素の固定化技術の研究
- ・再生可能エネルギー産出技術の研究
- ・効率的なエネルギー利用技術の研究
- ・エネルギー蓄積技術の研究
- ・エネルギー転換技術の研究
- ・二酸化炭素再利用技術の研究
カーボンリサイクル実装プロジェクト研究センターが出来ること
- ・講義や講演
- ・セミナー、シンポジウム開催
- ・学術指導、技術移転
- ・共同研究、海外研究拠点との連携
- ・ファンドや公募事業への共同提案
カーボンリサイクルに関する学内情報交換会
- ・2020年11月10日にカーボンリサイクルに関連した研究を行っている学内の研究者がそれぞれの知見や研究を共有し、今後分野を融合した取り組みを進めていくために情報交換会を開催しました。その際の動画を掲載します。
1.開会
2.カーボンリサイクルに関する広島県の動き
3.カーボンリサイクルの実用化への展望
4.広島大学のカーボンリサイクルに関する研究
(1)CO2分離・回収
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- (1)-1 二酸化炭素分離用有機―無機ハイブリッド膜の開発
- 先進理工系科学研究科 教授 大下浄治
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- (1)-2 シリカ系分子ふるい膜の開発と各種ガス分離プロセスへの応用
- 先進理工系科学研究科 准教授 金指正言
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- (1)-3 CO2吸着材の精密合成
- 先進理工系科学研究科 助教 津野地直
(2)水素製造
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- 低温熱化学水素製造
- 自然科学研究支援開発センター 准教授 宮岡裕樹
(3)化学燃料として再利用
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- (3)-1 二酸化炭素を原料とするオレフィン重合助触媒―メチルアルミノキサンーの合成
- 先進理工系科学研究科 教授 塩野毅
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- (3)-2 アナターゼ型二酸化チタン単結晶表面の価電子バンド構造と光触媒活性の相関
- 先進理工系科学研究科 准教授 中島伸夫
(4)化学製品として再利用
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- 有機膜―金属表面の協奏によるCO2電解還元
- 先進理工系科学研究科 准教授 久米晶子
(5)CO2直接利用
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- (5)-1 バイオマスからの水素製造
- 先進理工系科学研究科 教授 松村幸彦
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- (5)-2 カーボンリサイクルに資するガス発酵技術
- 統合生命科学研究科 教授 中島田豊
5.今後の展開について
上述の内容に関心のある方は、「お問い合わせフォーム」よりお問い合わせください。