研究の背景
概要
1.難溶性リン(リン酸カルシウム)可溶化細菌を単離して検定し、リン酸カルシウム可溶化能が高い細菌X株を特定。
2.細菌X株を遺伝的に改良して、バイオフィルム形成能が高くなった細菌株を選抜。
3.選抜された株によるバイオフィルム形成能を評価した結果、MT-5株のバイオフィルム形成量が最も多かった。
その結果、MT-5株ではイネ種子での定着能が向上した。
本研究の優位性
想定される用途
実用化に向けての課題
企業への期待
以下の技術を保有あるいは開発・改良を行う企業との共同研究を希望。
本技術に関する知的財産権
発明の名称 :新規微生物及びその作成方法
出願番号 :特願2018-505856(特許第6952349号)
出願人 :広島大学
発明者 :上田晃弘
論文
植物生育促進細菌の実用化に向けた試み
上田晃弘、大戸貴裕、近藤もも、大村尚
土と微生物 73: 5-9. (2019)
Identification of the genes controlling biofilm formation in the plant commensal Pseudomonas protegens Pf-5
Ueda A, Ogasawara S, Horiuchi K
Archives of Microbiology 202: 2453-2459 (2020)
研究者からのメッセージ
持続的な農作物生産には肥料資源をかしこく使う必要があります。
微生物の力を使って、土壌中に蓄積された未利用の肥料資源を有効に活用するための研究を行っています。
上述の内容に関心のある方は、以下の窓口にお問い合わせください。
2002年に名古屋大学で学位取得後、国際稲研究所、テキサスA&M大学 園芸学部、化学工学部で客員研究員を経て、2015年から広島大学 大学院生物圏科学研究科 准教授に就任。2019年に同大学 大学院統合生命科学研究科 准教授、2022年 同大学大学院統合生命科学研究科 教授に就任。研究対象は植物の塩害耐性機構の解明や塩害現地調査、植物の生育促進に効果的な善玉菌の探索とその利用技術の開発。