目標・狙い
想定される市場・製品・産業分野
概要
アプローチ① アンモニアを用いない金属酸窒化物合成とその色材制御
金属産窒化物顔料は、毒性が懸念される重金属ではなく、チタンやタンタルなどの金属を用いることができるため、安心・安全な材料の一つとして注目されている。
しかし、その合成には毒性が非常に高いアンモニアガスを使うことが一般的であり、合成のスケールアップは容易ではなく、工業化の障壁となっている。
本アプローチでは、この従来のアンモニアガスを用いる手法に代わる安全な方法として、窒素源に尿素を用いる合成法を開発。尿素は毒性の懸念が低く、安価であることに加え、固体であるため、取り扱いが容易であり、汎用の電気炉での酸窒化物合成が可能となる。また、尿素の量を変えて酸窒化物中の酸素/窒素比を変化させることなどで、色度を調整することが可能である。
本研究の優位性
アプローチ② 電気泳動堆積法による構造色コーティング
構造発色性材料は染料や顔料とは全く異なるメカニズムで呈色するため、構造が壊れない限り、色褪せせず、汎用の安価かつ安全性の高い物質を用いて発色させることができる。
用いる材料は、主にガラスの主成分であるSiO2の球状粒子と炭素や四酸化三鉄などの黒色物質。粒子の集積構造で構造色が発現し、用いる粒子のサイズを変えることで容易に様々な色を生み出すことができる。
一方で、構造発色性材料のコーティング膜を形成する際、1)大面積や曲線の表面に均一なコーティングが困難であること、また2)耐久性が低い(すぐコーティングが落ちる)、といった問題があった。
これらの問題に対し、
本研究の優位性
論文
外部資金の獲得状況
研究者からのメッセージ
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1998年大阪府立大学工学部機能物質科学科卒業、2002年奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科博士後期課程修了、2003年メルボルン大学Research Fellow、2005年豊橋技術科学大学博士研究員、2006年名古屋大学大学院工学研究科助手、2007年同助教、2012年広島大学大学院工学研究科助教、2014年同准教授、2019年同教授を経て2020年より現職。2007年Donald R. Ulrich Award 受賞。2013年および2015年に広島大学のDistinguished Researcherに認定。専門は無機材料化学・有機-無機ハイブリッド材料化学、ナノ材料化学。最近の主な研究テーマは、バイオインスパイアード材料・有機-無機ナノハイブリッド材料・複合アニオン材料の合成と機能開拓。