目標・狙い
概要
研究事例
実際にイチゴおよびキュウリうどん粉病を対象に、自然太陽光下での光フェントン試薬の最適な処理条件や、効率的施用法等を見出し、うどん粉病の防除に有効であることを検証した。
試薬1と2の発病率に関しては統計的に有意な差は認められなかったが、試薬3と対照区との間には有意差が認められたため、OH生成速度が高い試薬では発病率低下が確認された。
シュウ酸鉄錯体を用いた試薬(光フェントン試薬MIX3)は薬害がほとんど確認されず、うどん粉病の予防および治癒・抑制効果も高かった。
本研究の優位性
期待される用途
企業への期待
本技術に関する知的財産権
発明の名称:きゅうりうどん粉病の防除薬及び防除方法
特許番号:特許第5963143号
出願番号:特願2012-245366
出願人:国立大学法人広島大学
発明者:佐久川 弘、ナヒド ハサン
論文
Protective and curative effects of foliar-spray Fenton solutions against cucumber (Cucumis sativus, L.) powdery mildew. Sakugawa, H., Hasan, N., Oguntimehin, I., Belal, E., J. Environ. Sci. Health, Part A, 47, 1909–1918 (2012)
研究者からのメッセージ
OHラジカルがカビに有効なのに対して、一重項酸素はウイルスを撃退するのに有効です。そのため新型コロナウイルスの流行を受けて、広島県内の企業と共同で一重項酸素を発生させる空気清浄機の開発を進めています。将来的には農業用に転用して、活性酸素噴霧器としてウイルス性の病害の防除に利用できると期待しています。
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1985年に名古屋大学で学位取得後、カリフォルニア大学ロサンジェルス校でポスドク研究員、アシスタントプロフェッサーを経て、1993年に広島大学総合科学部で准教授、2001年に総合科学部および大学院生物圏科学研究科の教授に就任。2019年に広島大学 名誉教授および広島大学 統合生命科学研究科 特任教授に就任。研究対象は環境化学。