新規実験動物イベリアトゲイモリ

研究テーマ

  • イベリアトゲイモリを用いた実験手法の開発
  • イモリの実験動物としての利用促進に関する研究
  • イモリのもつがん抵抗性の解明

研究内容

目標・狙い

  • ●“カエル”はヒトと同じ脊椎動物に属する両生類の代表として、古くから実験に用いられてきた。現在では大量飼育が容易なツメガエルが主に用いられてきた。
  • ●実験動物にはそれぞれの特徴や性質があるので、カエル類を使った実験や研究では不十分な場合もある。
  • ●我々は、カエルと同じ両生類に属するイモリを実験動物として整備することで、両生類を用いた実験システムの充実化や利便性の向上を目指している。

想定される市場・製品・産業分野

  • カエルと同じ両生類の実験動物材料として、以下の分野における活用
    • ●農薬業界
    • ●医薬品開発
    • ●毒性・環境評価

概要

  • ●脊椎動物であるイモリは実験動物としての有用性は認められていたものの、従来の種は大量繁殖が不可能であり、利便性が低い動物とされていた。
  • ●本研究では、年間数千個もの卵を産卵するイベリアトゲイモリに着目。ホルモン処理による一年中の産卵や人工授精法を確立した。
  • ●イベリアトゲイモリは文献的には性成熟に1年半以上かかるとされていたが、飼育条件(給餌、水温など)を変えることにより生育速度を早め、雄は6ヶ月、雌は9ヶ月までに短縮すると同時に、大量のイモリを安定的に飼育する技術を開発した。
  • ●その結果、カエル類を補完あるいは代替する実験動物としての利用が可能となった。

 

本研究の優位性

  • ●有尾両生類(イモリやサンショウウオ類)において、低コストで大量繁殖・飼育ができる唯一の実験動物。
  • ●ゲノム編集技術との相性が良いため、実験目的に合わせた遺伝子の改変が可能。

論文

  • ●Matsunami et al. “A comprehensive reference transcriptome resource for the Iberian ribbed newt Pleurodeles waltl, an emerging model for developmental and regeneration biology.” DNA Res. (2019) 26:217-229. doi: 10.1093/dnares/dsz003.PMID: 31006799
  • ●Suzuki et al. “Cas9 ribonucleoprotein complex allows direct and rapid analysis of coding and noncoding regions of target genes in Pleurodeles waltl development and regeneration.” Dev Biol. (2018) 443:127-136. doi: 10.1016/j.ydbio.2018.09.008
  • ●Hayashi et al. “Molecular genetic system for regenerative studies using newts.” Dev Growth Differ. (2013) 55:229-36. doi: 10.1111/dgd.12019

 

外部資金の獲得状況

  • ●住友財団基礎科学研究助成
  • ●内藤記念科学奨励金・助成金
  • ●科研費2019〜2021年度 基盤研究(C)(代表)
  • ●科研費2019〜2021年度 基盤研究(C)(分担)  他

 

研究者からのメッセージ

  •  イベリアトゲイモリを安定的に飼育する技術の開発により、カエル類を補完あるいは代替する実験動物としての利用が可能となりました。イベリアトゲイモリを介した研究にご興味のある企業の方は是非一度ご相談ください。

 

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林 利憲

TOSHINORI HAYASHI

広島大学
両生類センター 教授 

2002年3月 名古屋大学大学院理学研究科 修了、博士(理学)。
日本学術振興会特別研究員、鳥取大学助教、同准教授を経て、2019年4月より現職。