広島大学人間拡張プロジェクト研究センターは、人のもつ感覚、運動、認知特性の理解とその応用に取り組む研究者が集まり、人の利便性をサポートするモノ・システムから人と人のこころ豊かな繋がりを育む社会システムまでをカバーする人間拡張に関する技術を深めるとともに、組織を横断した連携体制により社会実装することをミッションとしています。
本講座では、人の脳、身体、認知機能を理解しようとする研究の最先端を紹介するとともに、来るべきデジタル社会において人間拡張技術が拓く可能性について、一般の方にもわかりやすくご紹介します。
事前にお申し込みいただいたメール宛に、講義の前日までにミーティングのURL を記載したメールをお送りします。受講者の皆様は、ご自宅や職場から、ブラウザまたは専用アプリケーションで参加ください。
受講料は無料です。奮ってご参加ください。(申込期限:1月15日(土)まで)※定員100名(申し込み順)。
(1)こちらのフォームから受講申込をお願いします。(申込期限:1月15日(土))
(2)お申し込みいただいたメール宛に、講義の前日にミーティングのURL を記載したメールが届きます。
(3)当日、時間になったら、講義が始まります。(それまでは、入室できません。)
※受講にあたってのお願い
・受講者の皆様のZoomの操作や接続に関するご支援はできませんのでご了承ください。
・今回のオンライン公開講座は、修了証書を発行しません。
1月22日(土)13:00~13:45
講師:栗田雄一(広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授/人間拡張実装プロジェクト研究センター センター長)
情報科学やロボット工学などに代表されるデジタル技術の進歩は、身体の障害を補助したり能力を維持したりするだけではなく、身体に関わる能力を強化・増進・拡張することを可能にしつつあり、近い将来には、生身の身体ではできなかったことをできるようにしてくれるかもしれません。本講座では、人の身体運動の支援・拡張技術に関する最新の研究事例について紹介し、デジタル時代の身体について考えていきます。
1月22日(土)13:45~14:30
講師:農澤隆秀(広島大学学術・社会連携室 特任教授)
感性によるものづくりは,人にとっての『意味的価値』の創出です.人は,何かを購入しようとするとき,機能的価値だけではなく,その人にとって意味のある意味的価値を加えた総合的価値で判断すると言われています.その人にとっての意味とは,まさに感性そのものです.人の感性、知覚の基礎研究から、人と人、人とモノを繋ぐ感性が推察できれば、多様な感性を類型化するユーザーモデルとエンジニアリングを組み合わせることで,新しい「ものづくり」や「サービス」が可能になると考えられます。本講演では,このようなアプローチとその事例を紹介するとともに、基礎研究から社会実装に向けたと「感性によるものづくり」を実現しようとする広島での産学官連携の取り組みについても紹介します。
1月22日(土)14:30~15:15
講師:来間千晶(広島大学デジタルものづくり教育研究センター 共同研究講座助教)
健康なからだを手に入れるために、スポーツ大会で良い成績を残すために、からだの動きをうまく使いこなすために、人々は様々な目標を掲げて身体運動に取り組みます。しかし、人は“気持ちが切れる”と、途端にうまく身体運動を続けることができなくなってしまいます。本講座では身体運動心理学の視点から、人が優れた身体運動を“できるのにできなくなる/やらなくなる”心の働きについて紹介します。さらに、そのような人の心の特徴を理解しながら、システムやモノと人をうまく結びつけるためのアイディアについて、参加者の皆さんと議論していきます。
1月22日(土)15:15~15:30
栗田雄一(広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授/人間拡張実装プロジェクト研究センター センター長)
農澤隆秀(広島大学学術・社会連携室 特任教授)
来間千晶(広島大学デジタルものづくり教育研究センター 共同研究講座助教)
1月29日(土)1 3 : 0 0 ~1 3 : 4 5
講師:金山範明(産業技術総合研究所 研究員)
バーチャルリアリティ(以下VR)は今や非常に安価で体験できるアミューズメントになってきています。現実ではない世界の中に自分が存在するかのような体験ができ、Vtuberといった自分とは異なるキャラクターになりきって活動することもできるようになっています。しかしVRの中に入り込むということが、人の心理機能や脳にどんな影響を与えるのかはわかっていません。本講座ではVRの世界を人はどのように認識するのか、特に自分の身体を自分として認識するのにどのような脳反応が起こっているのか、知覚心理学と認知神経科学の観点から、その謎を紐解きます。
1月29日(土)1 3 : 4 5 ~1 4 : 3 0
講師:原正之(埼玉大学 准教授)
日常生活において、私たちは「自分の身体は自分のものである」あるいは「自分の身体を自分で動かしている」などの感覚について疑うことはありません。しかしながら、精神・神経疾患患者や健常者であっても瞑想や瀕死の状態、極限状態になると、このような当たり前の感覚がおかしくなるあるいは失われることがあります。本講座では、工学技術の力を借りて前述のようなヒトの身体認知を巧みに騙す方法について説明し、それにより得られた最新の知見についていくつか紹介します。
1月29日(土)1 4 : 3 0 ~1 5 : 1 5
講師:大鶴直史(新潟医療福祉大学 教授 )
ふだん私たちは、見たり、聞いたり、触れたり、様々な感覚を感じています。私たちが感じている世界は、現実そのものでしょうか?いくつかの錯覚体験をもとに、いかに脳が勝手に世界を意味付け(錯覚)しているかを紹介します。また、体に原因不明の痛みを有している方々において、自分の体に対する認識の歪みが生じてしまっている可能性に関してお話し、デジタル技術によってその歪みが治療できる可能性について、解説します。
1月29日(土) 1 5 : 1 5 ~1 5 : 3 0
栗田雄一(広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授/人間拡張実装プロジェクト研究センター センター長)
金山範明(産業技術総合研究所 研究員)
原正之(埼玉大学 准教授)
大鶴直史(新潟医療福祉大学 教授 )