広島大学大学院医系科学研究科の鈴木哲矢 助教、財間悠大 大学院生(当時)、藤川芳宏 助教、福島瑠里子 大学院生、紙谷浩之 教授のグループは、遺伝子の本体であるDNAの損傷を修復し変異を抑制するタンパク質であるOGG1が、損傷部位から離れた部位における変異を促進していることを見出しました。
変異は癌化の重要なステップであり、変異の多くはDNAの損傷により引き起こされます。本研究の成果は、癌化の機構を理解し、それを抑制する方法の開発につながると期待されます。
本研究成果はDNA Repair, Vol. 111, article number 103276に1月22日付でオンライン掲載されました。
(※1)グアニンの酸化体:遺伝情報を担っているDNA塩基のうち、グアニンは最も酸化されやすいことが知られており、種々のグアニンの酸化体が生成します。そのうち、今回の研究で用いられた8-oxo-7,8-dihydroguanine(8-hydroxyguanine)は代表的なものであり、最も重要なDNAの損傷の一つと考えられています。